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フランス遠征を経て、何が変わったのか
2013.4.11
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西塚信人調教助手…以下[西]
田中博康騎手…以下[田]

[西]個人的には、フランスに行って何かを乗り越えるためには、何かを吹っ切るじゃないけど、何かを変えないとならないと思っていたんだよ。ブッチャけ、閉じこもるところがあるじゃない?

[田]そうなんです。閉じこもってしまう方なんですよ。

[西]変な話だけど、日本ならばキャバクラもあるし、気を紛らわせることもできるけど、フランスはそれこそ言葉もつたないわけですよ。行ったら行ったで、どうにでもなるんだろうけどさ。

[田]僕は、昔からそういうことで紛らわすことができなかったんですよね。どちらかというと、そういうところへ行っても考え込んでいる感じでした。

[西]自分との付き合い方というか、バランスの取り方というか。小倉で考え込んでいた博康から、フランスへ行って変わったりしたの?

[田]いまになって変わりましたね。僕自身、弱いタイプで、どちらかというと自分だけで考え込んでしまうんですよ。常に、良いときであろうと、そうじゃないときであろうと、考えている自分がいるんですよ。それで、夏が終わった頃から丸田とかと、競馬の勉強会をやるようになったんです。


[西]勉強会? 丸田、そんなこと言ってなかったよ。

[田]あれ、ラップがどうのとか言ってましたよね。

[西]ラップの話はしたけど、勉強会というのは言っていなかったよ。

[田]何人かでやっているんですけど、仕事に対して1人で考え込んでしまっていたので、良い意味で刺激にもなりますし、ためになっています。結果が出ていないので、結果を出せるように頑張らなければならないんですが、やるべきことをやる大切さというか、気持ちの面ではすごく良い状態なんですよね。

[西]俺も調教師の勉強をしているんだけど、勉強会に出るようにしている。

[田]今は精神的に良い状態なので、フランスで学んだり、やってきたことを冷静に分析して、取り入れたりすることができるようになったと思います。それまでは、こういうことを学んだ、フランスはこうだったと、自分自身のなかで考えれば考えるほど迷路に迷い込んでいってしまったような感覚はあります。

[西]わかるような気がする。

[田]例えば、「フランスではゲートのなかでこうする」というような話をするんですが、そこで共感したり、意見を出し合ったりすることで、良い刺激になっているんですよね。

[西]人間は人に話をすることで自分が考えている、思っていることがハッキリすることがあるよね。

[田]そうなんですよ。

[西]確かに、去年の後半は良かったというか、より吹っ切れた印象がある。

[田]その前は何でも自分でやらなければいけないし、もっと孤高であるべきだという思いがあって、他の騎手の人たちと話をしなくなっていたんです。自分じゃない自分がいるみたいでした。

[西]「フランスに行ったんだから変わらなければいけない」という感じで、力が入ってしまっていたのかな。

[田]変わらなければならない、という意識はありましたね。

[西]個人的には、たくましくなったなぁという感覚ではあったんだけど、話を聞くと「苦しんでいるのかな」とは思っていたんだよね。


[田]競馬でもどこか力んでいるというか、とにかく自分じゃないみたいな感じで。ようやく、去年の後半くらいから徐々に冷静になっていきました。

[西]ところで話は変わるけど、最近は木村厩舎に一番に乗っていて、土日も乗ってから競馬場に向かっているよね。

[田]そうですね。1頭ですし、競馬に支障が出るほどではないので、乗っています。

[西]土、日の調教と言えば北村宏司騎手ですよ。

[田]宏司さんは、嫌じゃなかったんだと思いますよ。本当に嫌だったら、競馬があるのでと断っていたはずですから。

[西]どう、この対談に北村さんに出てもらうか(笑)。

[田]いや、読みたいです。あのストイックさはないですよ。

[西]一周回って博康にお願いしたわけでは決してないからね(笑)。

[田]あっ、大丈夫ですよ(笑)。

[西]北村さんのストイックさについては、松岡が良く言っていますよ。プロテインが主食と言っているんだよね(笑)。あと、夏はパフォーマンス向上のためにアイスクリームを摂取しているんだよね。

[田]あ、アイスの話は知りませんでした。

[西]そういえば、フランスに行くことを決めた助言が豊さんからいただいたと言っていたけど、付き合いはあるの?

[田]フランスに行ってからですけど、一緒に食事に行かせていただいたりしています。先々週も一緒に行かせてもらったんですけど、格好良いんですよ。

[西]あっ、そう思うんだ。いま、昔のような成績ではなくなって、いろいろ言われていたりするよね。

[田]たぶん、昔から同じことをして、同じようにやってきているんだと思うんですよね。いつも「やることをやるだけ」というようなことを言うんですよ。話をしていてドキドキするんですよね。

[西]俺も、検量室で豊さんを見るとドキドキするよ。

[田]しますよね。

[西]昔から、善臣さん、ノリさん、蛯名さん、そして勝春さんとかは見てきているから特別緊張はしないけど、豊さんだけは「あっ、武豊だ」と、ファンと同じ感覚になるよ。

[田]騎手を目指したきっかけが豊さんのレースを見たことだったんですけど、話を聞いていてドキドキしますよ。そして話を聞くと、また頑張らなければ、と思うんですよね。

[西]確かに格好良いよね。騎手じゃないのでわからないんだけど、技術面での“武豊の凄さ”みたいなものも感じるでしょう?

[田]抜群じゃないですか。あ、あとは秋山さんにも良くしていただいていて、自称秋山派なんですよ。

[西]うははは。秋山派ね。少数派だね(笑)。マユちゃんと博康で成り立っている感じらしいじゃない。

[田]そうかもしれません。

[西]函館で、気がつけば寮に秋山さんとマユちゃんしかいない状況になったらしいよ。

[田]それは初めて聞きました。

[二人](笑)

[西]マユちゃんを介して、最近秋山さんと話をする機会が多いんですよ。

[田]あっ、そうなんですか。秋山さんもいろいろ話をしてくれます。

[西]マユちゃんがお気に入りのベースを北海道に持っていって、出張の間練習すると言って帰ってきたら、秋山真一郎ってサインが入っていたんだよね。

[二人](爆笑)

[西]秋山さんとの出会いは?

[田]2年目に函館に行ったんですけど、黛と一緒に食事に行って以来お世話になっています。秋山さんも仕事に熱い方で、いろいろ教えていただいて、勉強になります。駄目出しもされるんですけど、本当に教えてもらっています。

[西]秋山さんと対談したいですね。

[田]あっ、良いですね。読んでみたいです。

[西]博康とマユちゃんと4人で対談しますか(笑)。秋山さんには西塚厩舎のときにお世話になりました。

[田]そうなんですか。

[西]あの方は、馬とか、厩舎とか関係ないタイプで、北海道でよく乗っていただいていたんですよ。あとは幸さんですね。

[田]そんな関わりがあったんですね。

(来週に続く)

※西塚助手への「指令」も募集中。田中博騎手との対談の後は、西塚助手が皆さんからの質問に答える回を予定しています。上部リンクからお送り下さい!