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「東京向き」「中山向き」は狙って作られているのか?
2013.5.16
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今回も、皆さんからいただいたご質問にお答えします!

●馬の治療について質問です。人間でいう先進治療は可能なんでしょうか? 将来IPS細胞治療などは可能になるのでしょうか?(PNヒナスズパパさん)

競走馬の世界でIPS細胞を活用したという話はまだ聞いたことがありませんが、細胞ということでいいますと、不治の病と言われる屈腱炎を克服してジャパンCダートで復活を遂げたカネヒキリが行ったという“幹細胞移植”という手術は行われています。また民間だけでなく、JRAでも何頭もの馬たちに手術が行われていますが、まだ試験レベルであるといいます。

これはつまり、幹細胞を移植することで、損傷、あるいは破壊されてしまった腱の細胞の再生を目指すということなのです。ただ、移植した細胞が再生するかどうか、不確定な部分が多いのです。

屈腱炎になると腱から出血してしまうんですが、そこがかさぶたになって一応の完治となります。ただ、今度はその周辺から出血する確率が高くなるんです。だから、不治の病と言われるんですね。

そこで、幹細胞を移植することで、損傷した部分の細胞が再生されることを目指すということなのです。これに関しては、人間よりも馬の方が進んでいるということのようです。

世界ではDNAを調べることで適性を見極める方法もあるようですが、細胞の再生について人間よりも進んでいると言われる馬の世界でも、現状はまだ実験段階ということのようです。

●テレビ等で調教の様子を見ますが、最終コーナーから直線までの映像になっています。スタートはゲートから出ているのでしょうか?(PNチップさん)

出ていません。美浦の南馬場で言えば、ゲートが設置してあるのが一番外のDコースと一番内のAコースという2つのダートコースということもあるのですが、普通は馬場に1頭、2頭、あるいは3頭と隊列を組んで走り始めていきます。ただ、なかにはゲートから出てそのまま追い切りを行うケースもあります。

●基本的なことなんですが、厩務員と調教助手の違いを教えてください。調教助手が調教からエサやりまでやっていて、かなり忙しいイメージがあります。(PNたけやまだんでぃさん)

まず職種の種類をご説明しますと、厩務員、調教厩務員、持ち乗り調教助手、そして攻め専調教助手という4つに分類されます。

その違いについてですが、まず厩務員は2頭を担当していて、運動などでは騎乗できますが、馬場で馬に騎乗することは許されていません。それに対して調教厩務員は、同じように2頭の担当馬がいて、その馬たちについては追い切りなど馬場で騎乗することができます。ただし、担当馬以外には乗ってはいけません。

持ち乗り調教助手というのは、2頭の担当馬がいて、さらに他の馬にも騎乗して良いということになっているんです。あとは、攻め専調教助手は馬場で騎乗することが許されていますが、担当馬がいません。

あっ、それと調教助手は、臨場業務といって、競馬において調教師の代行を行う資格を持つことができます。

いま僕自身は持ち乗り調教助手としてやらせていただいています。以前の美浦では、調教厩務員を含む厩務員10名、調教助手3名という構成が20馬房の基本とされてきましたが、それがいまは12名でも良いとなっているんです。厩務員、調教厩務員、持ち乗り調教助手からなる10名と攻め専が2名で良いわけですよ。

うちの厩舎もそうですが、多くの厩舎では自分の担当馬だけをやっているとわけではなく、みんなが協力して効率化が図られています。そうしないと仕事が時間内に終わらなかったりするんですよ。

そんななかで、攻め専が担う役割も結構あるんです。簡単に言えば、厩舎のマネージャー的なことが多いですかね。うちで言えば、臨場業務に行くであるとか、日報を書く、飼い葉をつくる、あるいは先生が不在のときに投票業務を代行したりということなどですね。

飼い葉は担当の厩務員さんがつくるという厩舎もありますが、いま12人体勢で運営している厩舎では、ウチと同じような感じのようです。僕はといえば、担当馬をみんなに協力してもらいながら、他の業務を遂行しているということなんです。

質問にある、忙しさということで言えばみんな同じでしょうね。あと、調教助手ということで言えば、馬に乗れれば良いということではなく、何でもできることが求められているということです。

●厩舎ごとにある、芝よりダートの勝ち数が多い、中山より東京とか、ローカルの特定条件が得意などの特色は、自然と出来上がるものですか、それとも調教師が狙って作っているものなのでしょうか?(PN湯河原温泉さん)

基本的には意識していませんよね。東京で走るようにとか、中山で走るようにという意識では対応していません。どこでも走れて、どこでも強い馬が良いわけなので。

ただ、誰かが言っていましたんですけど、小島茂之先生の厩舎は比較的長い距離で良い成績を収めている印象が強いんですが、それは角馬場でハッキングを丹念にしたり、長時間ダグを踏んだりしている影響だという声がありました。

真意はわかりませんが、テンションが高めで、引っ掛かっていくような馬にしないようにという意識でやった結果として、距離が保つ馬が多くなっていくということはあるのかもしれません。

あとは、逆に坂路で間隔を開けずに乗っている厩舎は短距離で成績を残す馬が多い傾向があると言われました。もちろん、坂路で調教している馬のなかにも長距離で結果を出す馬もいます。ただ、そういう調教をしている厩舎においてそういう傾向が出る、ということなのです。

意識しているかどうかは別にして、コースや追い切りのやり方の影響による特徴というのはあるかもしれませんね。

※来週からは松岡正海騎手との対談を予定しています。西塚助手への「指令」や質問などは随時募集中ですので、上部リンクからお送り下さい!