今回から、皆さんからいただいたご質問にお答えします!
2013.10.3
今週からはまた、いただいたご質問にお答えしていきたいと思います。
まずは
PNばんさんからいただいた、
「もっと厩舎の馬たちの話を聞かせてほしい」というご質問にお答えしたいと思います。
いまで言えば、先週
スプリンターズSに出走した
サクラゴスペルでしょうか。
結果は11着と残念なものになりましたが、これまでにも言ってきましたように、我々は競馬の中での出来事、馬がみせた反応から次以降を目指していくべきだと考えています。
今回のレースぶりについて、いわゆる勝ちに行く競馬でした。それで勝てなかったわけです。現時点で、トップホースを相手に勝ちにいく競馬をして勝ち切るのは難しいというのが現実なのだと思います。
ここからどうやって、トップホースを相手に勝ちに行く競馬で勝ち切ることができるようになるか、ということを考えなければならないわけですよね。
今回、レースに向かうまでの過程において、助手同士、あるいは担当者を含めたやり取りは上手くいっていました。
僕自身としては、そういう部分が大事だという意識で仕事をしていますので、そりゃ勝ちたかったですが、やり残した感というか、悔いはありません。
もちろん、調整過程や追い切りなど、様々な面において振り返り、考え直すということは大切ですし、やっています。
マイナス12キロという数字についてですが、フィードマンとして飼い葉の管理を任されている者としては、想定内です。
1週前、そして直前の追い切りの内容からも、残さずにしっかりと与えられた飼い葉を食べていても、減るという想像がつきました。実際残していませんでしたし、実は飼い葉も増やしていたんです。
今回の結果を受けて、何をしていくべきなのかを考えて、また次を目指して頑張ります。
次は
PNタキオンマイスターさんからいただいた、
「早熟、晩成とタイプがあるのは知っていますが、早熟馬は途中で成長が止まってしまうのですか?」というご質問にお答えします。
早熟馬の成長が止まるかどうか、一概に言い切れないというのが正直なところです。
心身両面でのバランスという面もあれば、体質的な弱さが年齢を重ねていくことで解消されるケースなど、様々な要因があったりもします。ですが、僕自身が一番強く思うことは、“完成度の高さ”という部分です。
たとえ、肉体的には成長の余地を残していたとしても、競走馬としての完成度が高いのであれば、それは大きなアドバンテージとなります。
競馬にいって、物怖じしない、レースで好位に取り付き、折り合うことができるのは大きな武器となります。特に2歳戦などでは、それが勝敗をわけることも珍しくありません。
例えば、競走馬としての完成度によって能力の8割しか発揮できない馬がいたとします。それに対して同じような能力の馬が、完成度が高いことで能力のすべてを発揮することができるのであれば、後者の方が勝つわけですよ。
ただ、成長することで他の馬たちが完成度が高くなっていくと、追いつき、追い越されてしまうことになります。
早熟といえば、肉体的な面よりは精神的な面における完成度の高さということだという感触があります。完成度が高ければ、そこからさらに良くなるということにはなりません。
イメージとしては、早熟とされる馬たちの成長が止まるのではなく、他の馬たちが成長して追いついていくということだと思います。
次の質問は、
PNふだにぃさんよりいただいた、
「競馬に出走する当日の馬たちのスケジュールについて」です。
基本的には、美浦ならば東京、中山ならば当日の朝出発します。競馬場や時期によっても違いますが、いまならば4時にトレセンを出ます。
それまでに、早いレースの馬たちはトレセンで、いわゆる勝負飼い葉を付けるのが一般的です。
遅いレースの馬たちは競馬場で付けることもありますが、どちらにしても当日の朝、トレセンで乗られることはありません。
また関西に出走するときには、前日の朝4時にトレセンを出発します。そして午後に到着して、宿泊して翌日ほとんどの馬たちは乗られることなく、勝負飼い葉を食べて、レースに臨むことになっています。
北海道をはじめ滞在という形以外で、レース当日の朝に乗られるということは少ない感じですね。
他にもいろいろな質問をいただいていますが、次回以降にお答えさせていただきます。
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