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ハミ、馬具の効果についてのご質問にお答えします
2013.10.10
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今週もみなさんからいただいた質問に答えさせていただきたいと思います。テーマはハミについてです。

PNうまもんさんからいただいた質問は、「ハミを噛む、ハミが抜けるなどの言葉をレース回顧でよく耳にしますが、これは馬にとってどういう状態なのでしょうか? あと、昨年の天皇賞・春に出走したオルフェーヴルの敗戦について、矯正具の影響があったと思われますか?」です。

これは僕の意見で、違う意見をお持ちの方もいらっしゃると思います。その点をご理解いただいた上でお聞きください。

馬が前に進む、いわゆる推進力というエネルギーは、トモで生み出されます。それが背中、首を伝わって、ハミに伝達していくことになります。

単純に言えば、テコの原理でいうところの支点がハミなんです。トモで生み出された力によって、前へ進む。その力はハミで受けて首の動きへ伝わっていくというイメージです。

そして“ハミが抜ける”ということは、推進力が伝わっていない状態を意味していて、ハミを噛むということは逆に推進力が前に伝わり過ぎているということになります。

ここで言うハミについて、いま僕が受けている調教師試験、あるいは馬術的な見解においては、『どんな状況においても良いハミ当たりで走ることができなければならない』ということが前提とされています。

ですが、競馬やいわゆる速いところにいくと、全く別の話になるから難しくなるんですよ。馬が横にいるか、いないかでも変わります。横に馬が来るとハミを噛むようになる馬がいる一方で、ハミが抜けるようになってしまう馬もいるのです。

理想は、トモで生み出されたエネルギーが効率良くハミに伝わっていくこと。そしてハミを操作することで、騎乗者の意志通りに動かすことができるということになります。

調教でも、例えば前50後50と、バランス良く力がかかることが良いとしましょう。しかしトモに疲労が蓄積していくと、ハミにモタれるようになって、前80後20という状況になってしまうような感覚なんですよ。

話は逸れてしまうかもしれませんが、“引っ掛かる”というフレーズを耳にされることは多いと思います。これはハミを噛んでしまい、手綱が引っ張られてしまう状態です。

この対処法として、馬に引っ張られる手綱に対し、逆に引っ張ることはイメージできると思います。それ以外では、本当は良いことではないのですが、敢えてバランスを崩すことで、前に行き過ぎている推進力のバランスを保とうとします。

実際、調教で乗っていて、少しバランスを崩すことで、ハミが抜けるというか、ハミにエネルギーが集中し過ぎている状況を打開できたります。

逆に、いわゆる勝負どころでは、トモからの推進力がより多くハミに伝わっていかなければなりません。そこでハミが抜けてしまうようでは、勝負にならなくなってしまいます。

これは余談ですが、今週の日曜日に肩を打ってしまったんです。これは角馬場でハミが抜けて制御不能となって、ラチに突っ込まれてしまったことが原因でした。

馬の動きについては、なかなか言葉にするのが難しく、上手く説明できずにすいません。

ハミというのは、トモで生み出されたエネルギーを、テコの原理で伝わっていくものです。エネルギーも含めたコントロールも、ハミと、それに繋がっている手綱でで行われているということなのです。

ハミがどのように馬の口で動いているのかということについても、機会があれば模型などを使ってご説明できればと思います。

また、ハミについては実際競馬に乗っている騎手の方々にも、ぜひ聞いてみたいと思います。

それともうひとつ、オルフェーヴルの矯正具についての質問です。

正直、携わっているわけではありませんので、実際のところはわかりません。

ただ、同じ競走馬に携わる者として思うのは、矯正具の効果について慎重に判断しなければならないことは間違いないです。

例えば、ブリンカーを付けましたが、デキそのものが良くなくて結果が出なかったとします。

改めてブリンカーを外して、数戦後に再びブリンカーをして勝ったときに、最初に負けたのはブリンカーの効果がなかったのか、それとデキが良くなかったからなのか。また勝ったときも、ブリンカーの効果があったのか、それともデキが良かったからなのかという判断は簡単ではないのです。

そして、あの状況でオルフェーヴルにメンコという矯正具を使用するという選択肢については、大いに理解できるところはあります。

普段接しているわけではありませんので、実際の姿は知りませんが、レースぶりなどをみている限り、集中力を増すために、ブリンカーではなく、チークピーシズでもなく、またシャドーロールではなく、メンコという選択肢は自然だと感じます

結果的には負けてしまいましたし、その後の宝塚記念で外して勝っているので、そこに敗因が求められがちになります。

その是非については置いておいて、前走の逸走劇もありましたし、あのタイミングでメンコを、という意識はよく理解できます。

以前にも何度かお話をしたかもしれませんが、矯正具はもちろん、扶助も、馬は徐々に慣れていきます

慣れてしまえば、より強い扶助が必要となってしまいますので、できる限り扶助、あるいは矯正具はその効力が弱いモノから使用していくのが定石とされているからなんです。

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