調教師試験では、どのようなことを聞かれるのか?
2013.10.24
先週、発表があったことが報道されていますので、ご存知の方々も多いかもしれませんが、調教師の一次試験が終わりました。
個人的なことでございますが、私、西塚信人は残念ながら“サクラ散る”ということになってしまいました。
その調教師試験でどのようなことをするのか、
PN楽天爆走さんなどから質問をいただいていますので、ご説明させていただきたいと思います。
まず、JRAの調教師試験は、筆記による一次試験と、口頭試問による二次試験に分かれています。一次試験に合格した受験者のみ、二次試験を受験することが許されています。
筆記試験の内容ですが、大きく分けて競馬法規、馬術、そして馬学という3つの項目から出題されます。
まずひとつめの競馬法規ですが、競馬に関わる法律や規則というと、競馬法、日本中央競馬会法、施行規定、そして労働基準法などがあります。
これらのいくつかは、みなさんもJRAのホームページでみることができますので、興味のある方は1度みていただければと思います。
あと、“競馬番組”という冊子がJRAより季節によって発行されているのですが、そこに掲載されている規則や決まり事も含んだ形で、法規という分野として出題されます。
次は馬術です。こちらは競走馬、その調教に関すること全般を含んでいます。
例を挙げますと「ゲートに入らない馬がいたときに、どのような調教が考えられるか書きなさい」であるとか、「坂路にはどのような利点があるのか挙げなさい」というようなことを問われます。
それとここでは、過去に何度かお話をしている馬具についても出題されます。
もちろん、「前脚旋回をするときの扶助の方法について説明しなさい」というように、純粋な馬術に関して出題されることもあります。
そして、3つ目の馬学ですが、これは獣医学全般を中心に、装蹄に関する分野、あとは海外競馬についても出題されます。
獣医学では、法定伝染病についての問題や、屈腱炎などの疾病に関して説明を求められます。
装蹄については、蟻洞という症状、あるいは蹄鉄について説明が求められたりというように、蹄全般に関して説明が求められます。
それと海外競馬に関してですが、今年は日本ダービー80周年ということだからでしょうか、英、仏、愛、米国など各国のダービーについて、距離、芝、ダート、そして行われる競馬場について出題がありました。
これら3つの分野の解答時間は各1時間で、マークシートではなく、記述式となっています。
時間が短いので考えている時間がない感じで、「18条について説明せよ」と言われたら、即座に反応できて、書くことができなければ駄目というような試験です。
僕自身のデキに関してもメールをいただいたりしているんですが、いまの段階では、まだまだ勉強不足というか、力が足りないと感じています。
既に調教師になられている方も含めて、諸先輩の方々からご助言をいただいたりするんですが、何を聞かれても、考えることなく、即座に答えられるようになっていなければ合格できないでしょう。
そういう意味では1年単位ではなく、継続して勉強していくことが大切だと思っています。
馬で言えば、持ったままでウッドチップで70-40を切って、併せた相手を突き放すくらいのデキじゃないと勝負にならないということでしょう(苦笑)。
今回で2回目の受験だったのですが、自分自身の心の弱さだったり、未熟さだったりが出てしまうんだと痛感させられています。自分自身で不安な部分があったり、自信がなかったりするようでは、厳しいんですよね。
とにかく、ひとつ、ひとつをしっかりと勉強することしか方法はありませんので、来年に向けて既に頑張っています。
また、勉強はいつしているのですか、という質問もありましたが、これは受験者によってさまざまで、朝の調教が終わって、午後作業の前、あるいは夜、なかには早く就寝して、仕事の前に勉強している人もいたりします。
来年、皆様に良いご報告ができますよう、頑張っていきますので、応援よろしくお願いいたします。
※西塚助手への「指令」、質問、西塚助手へのメッセージなどは常時募集しています。また、次回のゲストは田中勝春騎手を予定しています(予定は変更される場合があります)。田中勝騎手への質問なども、上部リンクからお送り下さい!