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息遣いの善し悪しは、乗っているとよく分かります
2013.10.31
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今週は、PN・IPテレビさんからいただいた、「よく息遣いが悪かった、というようなコメントを目にします。どんな感じなのでしょうか。実際乗っていてわかるものなのですか」という質問にお答えさせていただきます。

これは、乗っていると非常に良くわかります。乗っていて、明らかに良化途上で、ゼイゼイという感じの息をする馬たちがいます。

それ以外では、走り終わってからの息の戻り方からも、息遣いを見分けられます。

人間でも、鍛えている人ほど走り終わった後に乱れた息遣いが戻るのが早いとされています。

これは馬も同じで、例えば70-40をやったとき、どのくらいで息の乱れが戻るのかということは、経験のなかでだいたいわかっています。

もちろん個体差はありますが、いつもよりも息が戻らない、あるいはいつもよりゼイゼイするような感覚を覚えることもあります。

息遣いで何が判断できるかというと、内面の状態や仕上がり具合ということになります。やはりある程度の期間実戦から離れていた、いわゆる休み明けの馬たちは、息の入りが悪いケースが見受けられます。

例えば、休養明けとなる最初の追い切りで70-40をやったとします。いつもならば地下馬道を歩いているうちに息が整うのに、その時は地下馬道を上がり、スタンド前に出るまで整わないという感じになります。

恐らく、ファンの方々が息遣いと聞くと、そういうことイメージされているのでしょう。

もちろん、我々もそうなのですが、息遣いが悪いと聞くと、もうひとつ、咳やノド、あるいは鼻出血との関わりも連想するんですよ。

普通に歩いている運動中に息遣いが悪いということはほとんどありません。ただ、そこで咳をしたり、あるいは何か聞き慣れない音がしたときには、ノド鳴りやDDSPをはじめとする喉の疾病や異常なのか、あるいは鼻出血などの症状を確認します。

あとはよくあるのが、レースを終えて引き上げてきて、騎手が『何か息遣いが悪い』と言った馬が、厩舎に帰って鼻出血を発症していたりするケースです。

息遣いについて「中2週、中3週とかで調教が軽くて息遣いが悪くなるということはあったりするのですか」という質問もありましたが、中2週、中3週の状態で息遣いが悪いときには、良化途上ではなく、疾病を疑います。

もちろん馬にもよりますが、良化途上の時に息遣いが悪いのは、2歳馬、もしくは長期休養明けというケースくらいだと思います。

デビュー前の2歳馬が速いところを3本やっても、まだ息遣いがもうひとつということは、馬によってはあるかもしれません。

しかし、いまの時代、競走馬たちのほとんどが、休養中であっても運動負荷をかけられていますので、そこまで息遣いが悪いということはほとんどありません。

そして、息遣いということで言いますと、皆さんが得られる情報のひとつである追い切りタイムとは別であると思っていただいた方が良いでしょう。

息遣いが悪いからといって、速いタイムが出ないということではありませんし、逆に息遣いは良いから速いタイムが出るということではありません。

もちろん、息遣いは状態把握の貴重なファクターのひとつではあります。何が言いたいかと言いますと、息遣い=タイムではないということです。

息遣いに関する情報というのは、コメントでしか知り得ないわけですが、そういう意味ではレース後、あるいは調教後のコメントは貴重なものとなります。

馬券を購入される皆さんばかりでなく、我々にとってもそういうコメントはとても大切なんですよ。

2歳馬、あるいは長期休養明けの馬については、どうか厩舎サイドのコメントに注視していただければと思います。

ということで、来週からは田中勝春さんとの対談をお送りする予定です。どうぞお楽しみに。

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