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分かりづらいが、“鞍”は非常に重要なパーツ
2014.1.9
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田辺裕信騎手…以下[田]
西塚信人調教助手…以下[西]

[西]鞍は横のバランスを気にする人もいるけど、やはり前後だよね。

[田]言い方はキツイかもしれませんが、左右のバランスが悪いのは論外ですよ。でも、個人的には鞍下ゼッケンと鞍さえ真っすぐならばそれで良いです。ファンのみなさんが目にしている番号ゼッケンはズレていても構わないと思っています。

[西]鞍下のスポンジではなく、番号ゼッケンだけを気にする人がいますよね。深いなぁ。読んでいらっしゃる方々のなかには、『何を言っているんだ?』と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、これが重要だったりするんですよ。

[田]走る馬がいて、乗れる騎手が乗っています。そこでもし鞍が曲がっていたら、馬の能力も、騎手の技術も半減してしまう。そのくらい重要なことですよ。

[西]そうなんですけど、これがまた良く起こってしまうわけですよ。

[田]競馬はどうしても目立ってしまいますが、調教でも結構ありますよね。『なんだ、これ』とかいう叫び声を聞くこともありますよ(笑)。

[西]でも、調教で前にズレていくことはないでしょ。

[田]いや、ゼッケンが抜けてしまっているのは絶対に前ですよ。

[西]あ、そうだ。今度、対談じゃないときに、馬装について写真付きで解説させてもらおう。鞍の構造とかについて、お伝えするべきだよね。

[田]個人的には、臨場の資格審査で馬装の実地試験を入れてほしいと思うんですよ。だいたいは大丈夫ですけど、より確実を目指すためには、そう思ったりします。

[西]なるほどね。尾関厩舎になって、松岡がよく競馬に乗って一緒に仕事をするようになってから、『鞍が前過ぎる』ってかなり言われました。個人的には、西塚厩舎のときに田辺と仕事をする機会が多かったときと同じ感覚で置いていたんだけど、どうも前らしい。あの頃、どうだったの?

[田]あれはですね、引っ張らなくて良い馬は何とかなるんですよ。余力のない馬とでも言えばいいのでしょうか(笑)。

[西]ははは。

[田]引っ張らなければズレることはないですし、その位置で乗り続けていれば良いわけですよ。それがちょっとパワーがあったり、引っ掛かる馬で(手綱を)持っちゃたりすると、前に行ってしまいますよ。


[西]スッ、と前にね(笑)。西塚厩舎の馬たちは走らなかったから大丈夫だったということかぁ。

[田]そう(苦笑)。というか1200にしか入れなかったので、引っ張るところがなかったわけですよ。返し馬が終わって、鞍が前だなぁと思っても、『1200ダートだからいいやぁ』という感覚です。引っ張るところがない(笑)。

[西]そういうことか(笑)。

[田]でも大袈裟ではなく、鞍置きも勝敗を決めるひとつの要素ですからね。

[西]話は変わりますが、2013年は88勝です。

[田]えっ、尾関厩舎?

[西]違う。貴方ですよ。

[田]前鞍は何勝だろう?

[西]ははは。88勝中前鞍は何勝?

[田]10勝はあるよ。その10勝は完全に馬の力で勝ったということですよ。

[西]そういう状況で勝って上がってきた時、鞍のこととかは言わないでしょ。

[田]いや、俺は言うよ。でも、結果が出たときだけですね。勝ったときはもちろん、良い内容だったときです。

[西]でも、鞍置きなんて厩舎の責任以外の何者でもないよ。

[田]あと、折角の機会なので言われていただきますと、タテガミに吹き付けるスプレーを辞めてもらいたい。

[西]ああぁ。

[田]騎手たちは言うようで優しいから言わないけど、あれは止めてもらいたい。ちなみに俺は言いますよ。

[西]読者の方々に説明をさせていただきますと、タテガミがサラサラになるスプレーです。

[田]危険この上ない。車で言えばハンドルにローション塗られているみたいなものですよ。

[西]夜のプレイだったらいいけどね。

二人 (爆笑)。

[田]そもそも普段からやっていれば必要ないはずですし。

[西]あれ、より綺麗にという意識も働くんじゃないのかな。

[田]でも、かなり危ないんですよ。

[西]尻尾にやるためという目的もあるはず。

[田]タテガミを短くして、あれを塗られていたら、もう手綱がツルツルで持っていられないくらい。布手綱ならば大丈夫だとは思いますが、ゴム手綱はヤバイ。

[西]話を戻そう。2013年、88勝も凄いけど、重賞を3つ勝っている。それを今日よく見直してきたよ。

[田]自分自身がよく見直していないのに。

[西]あ、見てないの?

[田]次乗るときに見ます。でも、終わったあとは見ない。もう次のレース、次の週という感じですね。

[西]パトロールも見てないの?

[田]いまはパトロール室に入らなくても、テレビで放映しているので、それを見る感じです。あまり良くないのでしょうが、意識としては終わったレースよりも次のことを考えたい。もちろん、乗せていただいた調教師の先生と話をしますし、見ないのは失礼にあたりますので、見ます。こちらは次のレースという意識になっていますが、乗せていただいた調教師の先生にとっては、僕が乗る次のレースは関係ありませんから、時間の許す限り説明はしています。

[西]そういう感じの騎手の人たちが増えているかもしれない。

[田]連続で騎乗していると、説明している時間さえもなくなってしまったりするんですよ。それより何より、言ったところで言い訳に過ぎないということもありますよね。結果論という部分もあったりして、レース中の感触とかについてはできる限り説明しますし、自分の失敗であれば、『すいません。失敗してしまいました』と謝りますが、脚がなかったら脚がないと言いますし、過剰に褒めることはしないようにしています。

[西]でも、それって一番大切なことなんじゃないの。


[田]善し悪しはありますよ。理解してもらえないときもあります。馬の力が足りないというときに、それを言葉にすれば『馬のせいにしやがって』と思われてしまう可能性もあるわけですよ。でも、実際、馬の力がないとできないことがいっぱいあります。

[西]やり取りは難しいよね。

[田]簡単ではないですよね。

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