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田辺騎手との話で出てきた“前鞍”とは?
2014.1.30
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先週まで、新年恒例となっている田辺との対談をお送りさせていただきました。

そのなかで話題となった“前鞍”という言葉について、もう少し説明をして欲しいという“指令”を編集部からもらいました。今回はこれについてお答えしたいと思います。

読者の方々もわかりづらい面があったと思います。ですが、これは5センチあるかないかくらいの差ですので、見た目にはわかりづらいでしょうね。我々が見ても、わからなかったりするくらいの差ですから。

対談でも話題となっていましたが、調教の鞍とレース用の鞍では、置き方の違いがあるので、どうしても感覚の差が出てきてしまうんです。

前提として、鞍がズレることは基本的にはありません。しかし、もしズレてしまう場合、調教用の鞍は後ろにズレてしまうことが多い。だから、前目に置く傾向になりがちなんです。

それに対して、レース用の鞍は後ろにズレていくことはほとんどありません。ズレるときには前にいってしまうんです。なぜかというと、乗っていて引っ張って、踏ん張ったときにズレるから。騎乗時の姿勢だと、後ろではなく前にズレていってしまうんです。

そうなると、調教用の鞍を置くように前目に置いてしまうと、前にズレる余裕がなくなってしまうんです。

だから、調教用の鞍よりも後ろ目に置くのですが、実際にそこがジャストだとされています。

ただ、普段から調教の鞍は前目に置く我々からすると、若干後ろ目という意識というか、感覚なんです。

もちろん、馬の体型にもよります。胴が長いタイプだと後ろ目になったり、逆に胴が短いと前目、という意識になったりします。

余談になりますが、今回の田辺以外に、大庭との対談でも出てきた、外国人騎手がよく使用する小さい鞍は、実は厄介だったりするんです。

どういうことかと言いますと、ピンポイントで置くしかなくて、ピッタリジャストに置こうとすると、異様に後ろに見えてしまったりするんです。

話を戻すと、同じ調教助手など厩舎関係者に聞いても、ほとんど人たちが調教の感覚のままだと、どうしても前目に置いてしまうと言います。

自分もあるときから気をつけるようにしているんですが、レース用の鞍が後ろにズレるということがないわけで、大きく後ろでなければ、若干後ろ目くらいで良いという意識を持っています。


それと、左右のズレもあるんです。

あってはいけないことなんですが、ゼッケンだけがズレて鞍自体は真ん中にあるという状況もあります。

乗っている人自身はあくまで鞍が真ん中にあるので大丈夫なのですが、そういう状況のとき、騎手の方々は乗った状態で直しているんですよね。どうやっているかと言いますと、曲がっている方向に体重をかけて、引っ張って直すんです。

あとは、馬が暴れたときにズレたりもします。これは腹帯の締め具合が関係する場合もあります。

一般的には、パドックで騎手が跨がってキッチリと腹帯をしめる、あるいはしめ直すことが多いのですが、その前に馬が暴れてズレてしまうこともあります。もちろん大きくズレて、逆さになってしまったら極めて危険なんですが、極端でない限り騎手の方々は乗って直したりもできるんです。

ただ、前後に関しては特に置き方がより大きく影響するので、より気にすると思います。

鞍の位置は、見ていてわかりづらいとは思いますが、それでも見比べてみてください。置く人間によって、僅かですが差があったりしますよ。

※西塚助手が皆さんからのご質問にお答えします。上部リンクからお送り下さい!