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自分が、若くして辞めた騎手が復帰を目指すきっかけになれば
2014.5.8
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柴田未崎騎手…以下[柴]
西塚信人調教助手…以下[西]

[西]あと個人的に聞きたいことなんですけど、2歳馬の初日に乗るということとかはどうですか。凄くうるさい馬に乗り続けるストレスとか、なかったですか? 各厩舎の多くでは、うるさい馬専門とか、走る馬担当大臣とか、ゲート担当大臣というような感じで、住み分けがされたりしていますよね。全員が万遍なくということはまずあり得ないはずですよ。ちなみに、僕はゲートと初日及び元気の良い馬担当的存在です。

[柴]そうなんですか(笑)。2歳馬はやはり気を遣いますよ。

[西]騎手だと、デビュー当初とかは別にして、キャリアを積んでくると2歳の初日とかには乗らなくなるじゃないですか。

[柴]確かにそうですよね。

[西]2、3日して慣れてから「おい、未崎乗ってくれ」というのが普通だと思う。

[柴]やはり初日は一番気を遣いますよ。

[西]馬にとっても場所を含めてすべてが初めてならば、こちらもどういう馬か、情報があっても自分の感覚はないわけですからね。僕自身は、いまでも初日は緊張しますし、この時期はいよいよ俺の季節かぁ、と思いますよ(笑)。

[柴]ただ、牧場での馴致がすごく進んでいるから、以前と比べて“凄い”というケースは激減して、あまり見かけなくなったように思います。

[西]それはそう。また“凄い”というときには、情報として牧場から教えていただけるので、凄いなりの対応策を取ることができるということはあります。厩務員さんを付けるとか、叩かないとか、様々な対応が取れるのは本当にありがたいことです。

[柴]いまは報告書として書いてくれますからね。僕自身は、初日というのはあまり経験がありません。

[西]ただ、簡単じゃないですよね。初日だけ元気が良いこともあるじゃないですか。初日だけハミが効かないという馬もいますし、自分を見失ってしまうんでしょうね。

[柴]初日だけ元気な馬はいますよね。馴致の技術が向上していて、従順な馬が増えたと感じます。実際、今回騎手に合格してから牧場に行かせていただいたりもしているんですが、デビュー前の2歳と思えないくらいしっかりしているなぁと感じますよ。ただ、何をするかわからない、そういう可能性があるのは間違いないですから、初日は特にその心構えは必要ですよね。

[西]牧場と言えば、未崎ちゃんはミルファームの清水社長の馬に乗っていますよね。

[柴]最初のご縁はダイイチミラクルでした。それまで成績が振るわなかったのが、5着に来て、その後新潟で3着となって、その後から大知になったんですけど(笑)。それが最初のご縁でした。

[西]知り合いだったとか。

[柴]いえ、菊川先生からお電話をいただいて、乗せていただいたんですよね。合格したときにも、最初に清水社長にお電話をさせていただきました。

[西]乗せていただいていますよね。

[柴]本当に感謝しています。何とか結果で応えられるように頑張るしかありません。

[西]実戦ということで言えば、久々に競馬で騎乗したわけですけど、感覚とか戸惑ったりしました?

[柴]最初は、いやぁ、速いなぁと思いました(笑)。

[西]ははは。でも、復帰第一戦だった根本厩舎の馬は観ていたので良く覚えているんですが、スムーズに回ってきていましたよね。緊張しましたか。

[柴]緊張はしませんでした。ただ、直前まで乗る馬がいなくて…。そこで根本先生が声をかけてくださったんです。いやぁ、本当にありがたかったですよ。“初日から乗る馬いないなぁ”と思っていただけに、本当に嬉しかったです。

[西]攻め馬をそれほど手伝っている感じでもなかったですよね。

[柴]いまは高市先生、和田雄二先生、あとは畠山(重)先生の厩舎と、斎藤先生のところは毎日乗っています。

[西]騎手受験をするという話をしたときの斎藤先生のリアクションはどんな感じだったんですか?

[柴]「あ、良いんじゃない」という感じで歓迎してくださいました。

[西]騎手から調教助手に転身して、そしてまた騎手となったわけですけど、最初のときと今で、騎手として何か違うなぁと感じるところはあったりしますか?

[柴]乗せていただけることの有り難さです。もちろん、最初のときも乗せていただける有り難さは感じていましたが、調教でさえ乗れるということの有り難さを感じています。本当に感謝という言葉しかありません。

[西]僕が言うのもおこがましいですが、良い経験をされてきたんだと思います。斎藤厩舎の馬も乗られましたよね。

[柴]乗せていただきました。

[西]どうですか(笑)。この前まで調教助手として乗っていた馬ですよね。


[柴]乗せていただけたことに感謝していますし、だからこそ何とかしたいと思ったんですが、結果は出せませんでした。

[西]今は所属ですよね。

[柴]そうです。お世話になっています。

[西]ということはお給料をもらっているんですか。

[柴]いただいています。ありがたいです。

[西]そうですよね。話は逸れますが、騎手になって少し痩せましたか。

[柴]そうですね。

[西]助手になって少し太りましたよね?

[柴]少し太りました。

[西]いまどのくらいですか。

[柴]50キロあるか、ないかくらいですね。

[西]マックスでどのくらいまで太りました?

[柴]53キロくらいまでいきました。

[西]でも、逆に言えば53キロで止まるんですね。

[柴]そうですね。

[西]それはそれで凄いですよ。でも、騎手の方が気を遣ったりということもあるのかもしれませんよね。

[柴]それはありますよね。何とかして1頭でも多くの馬に乗れるように頑張らなければなりませんし、どうやったら走らせられるだろうとか、いろいろ考えます。助手という立場でも考えるんですが、何か違うんですよね。それとトレーニングは受験を決めたときから続けてきていますので、そういう面も体重に関係しているのでしょう。

[西]あれ、試験のときには体重は関係ありますよね。

[柴]あります。

[西]ちなみに、経験者の場合はいくつまでなんですか。

[柴]52キロですね。一次試験で筆記試験が終わった後、体育館で体力測定を行うんですが、そこで身体測定も行われます。

[西]なるほど。どうですか、騎手に慣れてきましたか。

[柴]最初よりは感覚が戻ってきて、随分と慣れました。

[西]競馬場の行き帰り、大知君と一緒に行動したりしているんですか。

[柴]あ、帰りは乗せてきてもらうことが多いですね。

[西]同期は誰だったんですか。

[柴]関東は大知と、あとは牧原と田村の女子2人で、関西は福永、和田、高橋、常石、細江、あと古川ですね。

[西]豪華なメンバーですね。復帰してから福永騎手と話をしたりしたの?

[柴]福永の結婚式に行ったときに、まだ一次試験に合格した段階だったんですが、頑張ってと言われました。

[西]ブッチャけ一次合格した時点で、これでほぼ合格という思いはありました。普通に考えれば、二次は実技ですから、余程のことがない限りはとなりますよね。

[柴]普通にいけばとは思いましたけど、やはりやってみるまではわかりませんし、自信というほどのものはありませんでした。

[西]走路で落馬するとかじゃないと不合格にはならないんじゃないですか?

[柴]余程のことがないと落ちないとは言われていますけど、どうなんでしょうね。

[西]ミルコ(デムーロ騎手)もあの問題を英語で受験したということですよね。

[柴]見ました?

[西]いや。

[柴]そのまま英語になっている感じでした。英語なので何が書いてあるかわかりませんでしたけど、あの問題は本当に難しかったので、僕たちと同じように難しかったはずですよ。

[西]いや、法規だけですけど、本当に結構なレベルの問題でしたからね。でも、よく合格しましたよ。

[柴]若くして辞めた騎手の方々もいらっしゃいますので、後に続く人たちがいてくれれば嬉しいと思います。


[西]それはあると思う。未崎ちゃんよりも若くして騎手を辞めた人たちも少なくありません。その人たちが再び騎手を目指す切っかけになってくれれば、本当に良いですよね。

[柴]合格してみて、本当にそう思いました。

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