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ステッキはその種類や状況に応じての使用法など、実に様々なものがある
2014.8.14
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先週までお届けした加藤士津八調教助手との対談のなかで話題となったステッキですが、写真が手に入りましたので、今回掲載させていただきます。


加藤助手が「先が柔らかくて音だけが出るタイプ」と言っているように、このステッキは音が出やすい反面で痛みを感じないようになっているのが特徴とされ、実際に日本でも使用している騎手の方がいらっしゃいます。

ちょうどいいので、今回はステッキについてお話をさせてください。

ステッキというのは、重さ、太さ、長さ以外にも、しなり具合など、様々なタイプがあって、騎手の方々はそれぞれ何本も持っていて、使い分けているようです。

特にグリップの太さについては、調教助手の僕でさえあまり太くない方が良いと思いますし、それぞれで好みがあったりします。

たとえば後藤さんは馬のタイプによって使い分けているそうですし、O・ペリエは重くて、しなりの少ないタイプを使用しているという話を聞いたことがあります。

そのステッキですが、我々調教助手は騎手と比べると使用頻度は明らかに少ないです。

我々調教助手は、調教のときにステッキを持って騎乗します。各厩舎や各馬、あるいはその時々の状況によって差はありますが、僕の場合で言えば、基本的には使用することはそれほどありません。

僕たち調教助手レベルでは、持ち替えを求められることさえ多くはありません。

では、なぜステッキが必要かと言いますと、僕の感覚でお話をしますと、最後の扶助という意味合いが強いと言えるでしょう。

馬に対して指示を出すとき、騎乗者は、ゼッコ、膝や脚による圧迫、蹴り、というように、徐々により強い扶助を用いていきます。

ステッキはそういった扶助のなかでも、一番強いものとして分類されます。ですから、個人的にはステッキを多用するのはあまり良くないと考えます。

ですが、実際調教に乗っていると、使用せざるを得ない状況があります。

例えば、こちらの指示を無視して走るのをやめようとしたり、あるいは、真っ直ぐ走ろうとせず、斜行してしまうときなどには、ステッキで指示を与えます。

ある意味、緊急事態を回避するためと言えるかもしれません。ですから、多くの調教助手は、紹介したような痛くないステッキを持っていないんです。

そもそも、騎手の人たちはレースでステッキを使用して追っていますが、あれは馬への指示です。気合いを入れるとか、ステッキを入れれば走るものではないということは皆さんご存知のはずです。実際、ステッキを入れると走るのを止めようとする馬がいますからね。

ステッキを使用する技術ということについて言えば、騎手の方々と1回の対談が成立するくらい奥が深いものだったりします。

例えば、打つタイミングにはじまり、どこまで持ち替えの速さが求められるのか、というようなステッキワークもそうです。そのあたりは我々調教助手も知らない世界だったりするんですよね。

ステッキそのものもたくさんの種類があって、千差万別なのですが、その使用の目的も実に様々です。その理由は、入れるタイミングと求める効果がそれぞれにあるからなんです。

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