独自視点で穴馬推奨!競馬予想支援情報【サラブレモバイル】

サラブレモバイル

メニュー

ログイン


普段はお任せする装蹄師にリクエストするのはどんな時?
2014.9.4
✉️応援、質問メッセージを送る

今回は、装蹄についてのお話をさせていただきたいと思います。

装蹄というものは本当に繊細で、高度な技術が要求される世界なんです。職人技といいますか、実際にやっている人にしかわからない部分というか、感覚があるとされています。

そういうなかで、厩舎スタッフと装蹄師同士、お互いがそれぞれの立場を尊重しながら、同じ方向を向いて、より良い結果を求めて意見を交換していきます。

蹄は1頭1頭違いますし、装蹄師さんたちはその馬の馬体や動きなどに合わせて、一番良いバランスを考えて装蹄を施しています。

ただ、1回の装蹄で問題が解消、改善されるわけではなかったりするので、できる限りお任せする方が良いと思います。

ですが、僕自身がリクエストする場合があります。

前もって言っておきますと、ここからの話については違う意見がある方もいらっしゃるかもしれません。しかし、僕自身の経験のなかでは効果を得られてきているので、今回お話をさせていただきたいのです。

それは、前脚の出が良くない馬や躓く馬に対して、蹄尖(ていせん。蹄の尖端。人間でいえばつま先)を落として欲しいというリクエストなんです。蹄尖を落としてもらうと、躓く馬が躓かなくなりますし、乗っていてハッキリとその変化を感じることができると実感しているんです。

その理由としては、尖端を削ることで蹄の返りが良くなる、違う言い方をすれば、振り子運動の要領でスナップがきくようになるから、躓かなくなったり、前脚が出るようになるんです。

あと、蹄を返すためには繋靭帯を動かすのですが、繋靭帯炎などを患っていると蹄が返らない、あるいは返りづらいために躓きやすかったりするケースがあります。

そういう場合でも、尖端を落とすことで蹄が返りやすくなり、躓かなくなりますし、繋靭帯への負担も減ることになるんです。

もちろん、逆の脚をはじめ、他の部分への影響が出ることもあるでしょうし、全体的なバランスが崩れる可能性もあります。どんな場合でも蹄の尖端を落とせば良い、ということにはならないでしょう。

でも、馬がより良く、より楽になってくれるのであれば、試みる価値はあるのではないでしょうか。少しでも前脚が前に出るようになれば、馬も楽に歩くことができるはずですから。

ちなみに、装蹄師さんたちに聞くと、蹄尖を落とすことはそれほど悪いことではないとのことなのですけどね。

また、乗っている側としても言わせていただきますと、躓くというのはとても危ないんです。

そのまま転んでしまうというケースもゼロではありませんので、回避できるのならば回避したいと思います。そういったことの対策として、蹄の先を落とすことはとても有効だと思います。

次回は杉原騎手をゲストにお迎えして対談をお送りします。お楽しみに!
※西塚助手への質問、「指令」も募集中。競馬に関する質問、素朴な疑問をお送り下さい!