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恵まれた環境にいるからこそ、もっと頑張らなければと思います
2014.9.19
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杉原誠人騎手…以下[杉]
西塚信人調教助手…以下[西]

[西]今年でデビュー何年目になるの? 震災から3年半だから……。

[杉]4年目です。

[西]おっ、減量取れたんだ。どう?減量がなくなって。

[杉]減量の特典でチャンスがあった部分は間違いなくありました。その分騎乗数は減っています。

[西]そんなに減ったというイメージはないけど。

[杉]おかげさまでいろいろな方に声をかけていただいて、乗せていただいていますが、それでもやはり少しは減っています。

[西]いろいろな厩舎で乗っているけど、小西厩舎も多いよね。攻め馬も乗っているの?

[杉]そうですね。攻め馬も乗せていただいています。それこそ先程のお話ではありませんが、時間が合いやすかったりするんです。

[西]それは大事なポイントだよね。

[杉]戸田先生のところは、木曜日にも追い切りを行っていますので、そういうところもお手伝いがしやすかったりするんです。

[西]4年間、いろいろな厩舎の馬に乗って、見ている方としては、1歩1歩確実に良くなっていて、可能性が広がっている感じがするんだよ。

[杉]そうですか。僕自身はそんな風には思っていません。いまでもウチの先生に怒られますし、全然まだまだだとしか思えないです。

[西]まだ怒られたりするんだ。

[杉]最近も怒られたばかりです。いまパッと思いついたところで言えば、去年の秋にスーパー未勝利戦で未出走馬に騎乗したときのことなんですが、ゲートが出なくて、そのまま後ろから競馬をしたんです。また内枠だったんですけど、全然競馬になりませんでした。そうしたら「未出走で内枠なのだから、ハナを切るくらいのつもりでゲートを出していくくらいじゃなければ駄目だ。初めての競馬で、砂だって被ったことがないんだから。1回しかないチャンスなのに、そんな消極的な競馬では駄目だ」と言われました。結局、地方に行って勝って戻ってきて、戸崎さんが乗って楽勝したんです。それくらいの馬だから、能力のあることはわかっていたし、先生も期待していただけに、もっと積極的な競馬をするべきだったと思いますし、悔しかったですね。



[西]そんなことがあったんだね。他に言われたりすることってある?

[杉]あとは、僕が乗っている馬たちは、トップの人たちが乗っているように反応が良い馬たちばかりではないわけですから、抱えて乗らなければ駄目だし、乗り方も考えて乗らなければ駄目だというようなことも指摘を受けます。

[西]藤沢先生は杉原のことをよく見ているんだね。

[杉]よく見ていただいています。あと北村先輩も、普段藤沢厩舎に来て、一緒にパトロールフィルムを見て、いろいろ教えていただいています。

[西]北村さんと2人で見ているの?

[杉]そこに先生がいることもあります。僕の競馬だけでなく、藤沢厩舎の馬たちの競馬を見たりします。僕のことで言えば「ここでそんなところを空けてはいけない」など、いろいろ教えてもらっていただいています。

[西]杉原君、それは感謝だね。そこまでやってくれる師匠も先輩もなかなかいないよ。

[杉]それは本当にそう思います。先生をはじめ、北村先輩など多くの方々に恵まれていて、そういう環境にいれることが幸せなんですよね。でも、それに甘えてしまっているというか、もっと頑張らなければならないと思うんです。

[西]パトロールフィルムを見返して、いろいろ話をするって簡単そうだけど、大変なことだし、本当に大事だと思う。

[杉]北村先輩は自分が乗っていないレースとかでも、僕が乗っている競馬を見てくれていたりするんですよ。僕のための時間を費やしてくれているわけですからね。本当に感謝しています。

[西]いやぁ、私自身もパトロールフィルムを見る方ではありません。ブッチゃけますと、たいして見ないですからね。

[杉]折角、グリーンチャンネルで放映してくれているわけですから、僕は録画して何度も見返しています。

[西]田辺見てんのかな。アイツは「走んねぇ」「今日はセコ乗りが決まらなかったわ」というノリだからね(笑)。

[杉]でも、田辺さんはよく競馬のことは知っていますよ。しかも、凄いのは新聞がないんです。多くの騎手は検量室で新聞を持ったり、置いておいたりするんですが、たまにしか見ている姿を見ないんです。まして、自分の前には置いてないんですよ。

[西]田辺と言えば、この前新潟からの帰りに、新幹線の席が前と後ろになったんです。杉原は、一緒にチャーハン食べたでしょ?

[杉]はい、食べました。

[西]しかも、食べきれなくて残したよね。

[杉]食べきれなかったんじゃなくて、出てくるのが遅くて電車に間に合わなくなってしまうので、食べられなかったんですよ(笑)。

[西]ちょうどその日に田辺がクラレント関屋記念を勝ったんだけど、その時の田辺の言葉には感服したというか、さすがだと思わせられた。というのは、西塚厩舎の走らない馬で7着、8着に来るならば、クラレントのような馬に乗って勝つ方が簡単というんだよ。その言葉は重いし、真なりだと思う。走らない馬で、何とか7着、8着に持ってくるように乗る、ということを、アイツは最初の10年近くやってきたわけだよ。そのなかで、本当にミラクルを起こしたことを何度も俺自身がこの目で見てきた。当時、田辺が乗っている馬については、自厩舎以外もよく見ていたんだけど、本当に走らない馬を7着、8着に持ってくる方が難しいんだよ。そういう経験は大事なんだと思う。



[杉]確かに、人気薄の馬に乗ったときに、ひとつでも上の着順に持ってくるにはどうしたら良いのかということは考えますよね。

[西]田辺の話を聞いていると、アイツはそこでいかにロスなく、いかに無駄を省くか、ということしかないんだよ。いかに距離を稼いで、使えない脚を少しでも補うために立ち回るか、という感じなんだよね。合っていないかもしれないけど、100円しかないなかで、どれだけ旨いものを食べるかみたいな。そんな理屈かな。クラレントだったら、それが5000円だから、何でも食べられる的な感覚なんだろうね(笑)。

[杉]言いたいことはわかります。足りない部分を補うために、ロスをできる限りカットすることで、差を埋めるということですよね。

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