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勝つには勝ったが…ココロノアイには課題が山積
2014.11.7
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ココロノアイアルテミスSを勝ちました。

これは、我が尾関厩舎にとって4つめの重賞勝ちということになるのですが、そのすべてに私、西塚信人が競馬場にいたことになるんですよ。僕がいないと重賞を勝てないということで、ある意味金字塔、などと冗談を言いたいと思います(笑)。

冗談はさておき、先週は3連休ということで、当日輸送がほとんどの東京ですが、金曜日に競馬場に出発していました。

ココロノアイは、ゲート試験も僕が受けていまして、入厩当初から接する時間が多かったんです。

レースを見ればお分かりいただけるように、かなり引っ掛かるんですが、当初はそのような姿はみせていませんでした。調教が進んでレースを経験し、前回の競馬の後に放牧に出て、戻ってきたあたりから引っ掛かるようになっていったんです。

そこから、対応に追われるようになりました。

今回は、それまでにないくらい見ていてもピリピリしたところをみせていたので、レース前から「掛かる可能性はある」と周囲と話はしていたんです。

レースでは出遅れたことで、馬の後ろで我慢する形になりやすいので、ちょうど良いと思ったんですが、そこから一気に行ってしまいました。

結果としてはそのまま押し切って勝ったんですが、引っ掛かったときには正直駄目だと思いましたよ。

勝ったのは事実ですし、嬉しいです。そして、最後も凌ぎ切っているように、力があるのは間違いありません。

ただ、ノリさん(横山典騎手)もレース後に、「最低の競馬をしてしまった。掛かる馬にとって一番やってはいけない競馬をしてしまった」と仰っていました。確かに、ここからが大変だということも現実なんですよ。

馬の後ろに入れて我慢しようと思ったそうなのですが、馬自身そういう状況ではなかった。つまり、完全に引っ掛かってしまっていたんです。

外枠だったために、幸いスペースのあるところに出ることができたから収まったということなのですが、今後を考えるとノリさんの仰る通りで、この“掛かる”ということが大きな課題となってくるのです。

よく攻め馬では引っ掛かるのに、レースに行くと大丈夫というタイプがいます。

それは当然ですが、調教よりもレースのペースが速くなるため、馬自身が我慢しなくてすむなど、いくつかの要因があるとされています。しかし、ココロノアイのように、レースでも制御が効かないくらいに引っ掛かっていく馬というのは、それほど多くはないはずなんですよ。

では、今後に向けてどのようにしていけば良いのか。その対処法については、ノリさん「なかなか難しいぞ」と仰っていましたが、正直かなり難易度は高いと思います。

例えば、馬が少ない時間帯に乗ることで落ち着けるようにする、あるいはしっかりと乗れるコースをつくって慣れさせる、といった対処法からはじめていくことになると思われます。

それ以外に、ハミなど馬具での対処法も考えられますが、より弱い扶助や刺激で矯正されるのがベスト。なぜかと言えば、扶助や刺激のレベルが強くなればなるほど、それに慣れてしまったとき、策がなくなってしまうからです。

ですから、よく力でという論調を目にしますが、僕自身は決してそうは思いません。

話が逸れてしまいましたが、ココロノアイが例え調教では大丈夫だったとしても、レースでもできるかということではないですし、本当に難しいですよね。

もちろん、今回は休み明けということで力みが出てしまった可能性もあります。ですが、やはり馬がみせた姿からは今後に向けて馬と向き合いながら、様々な対処法を考えて頑張っていかなければならないということなのです。

引っ掛かる馬について、これまでのノリさんのレトリックで言いますと、“ヤバイ口”をしているということなのです。サクラゴスペルなども調教ではかなり引っ掛かるんですが、そこまでではないのだと思います。

これまで数多くの馬に跨がって、様々な経験をしてきたノリさんでさえも、簡単ではないと感じるということですから、本当に難しいと思います。

それでも、今回のレースをみても、その能力が高いのは誰の目にも明らかでしょう。それを十二分に引き出せるようにするのが我々携わっている人間に求められています。

ここからが本当の勝負となっていきますので、今回の勝利の喜びを噛み締めながらも、ヒシヒシとその責任を感じています。
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