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美浦の坂路が変わったことの良い点と悪い点
2015.2.25
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約1年前くらいからでしょうか、美浦の坂路での調教タイムにバラツキが出ていて、以前より明らかに遅くなっています。これは既に各方面で話題になっているので、ご存知の方々も多いでしょう。

以前は速い馬ならば4ハロン50秒を切ってくることも珍しくありませんでしたが、今は速い馬でも52~53秒くらいの感覚です。

それはなぜかといいますと、馬場コンディションが変わったからです。

簡単にご説明しますと、以前は走りやすい馬場だったのに対して、今はチップを深くして、走りづらい馬場コンディションになっているんです。

なぜそのような状態になっているかと言いますと、より強い負荷がかかるように、という狙いからなのです。

坂路を含め、トレセンや競馬場のコースについては、管理・整備する馬場造園課と調教師、調教助手、そして騎手の馬場委員の方々との話し合いが行われ、どのような馬場にするかが決まっています。

もちろん、それぞれ人によって意見は分かれるところで、いまの時計のかかる坂路についても、和田正道先生のように「ようやく私が求める馬場になった」と賛成する方もいれば、転倒する馬が出ていることから「このような馬場では馬が痛んでしまう」と否定的なご意見を口にされる方もいらっしゃいます。

実際、乗っていて感じるのは、負荷という側面では、確かにかかっていると感じます。

簡単に説明しますと、以前の馬場よりも、エンジンを吹かすのにアクセルを踏まなければいけないような感覚です。

乳酸値の測定や心拍数も計測されていて、その数値も明らかに負荷が認められていて、心臓をはじめ内面への負荷は確かにより強くなっています。

しかし、フォームを作るということになると、どうなのかな、という感覚が僕自身のなかには残ります。というのも、馬場が深いために、脚を高く上げて走らないといけないからです。

わかりやすくご説明しますと、前へというよりは、上へ向かうような走りになるイメージなんです。

乗っていても、馬が以前よりも脚を高く上げようとしているのがわかりますし、より負荷が掛かっていますので、スタミナが要求されます。そのなかで、より脚を高く上げなければなりませんので、躓く馬も少なくありません。

人間でも、ランニングをしていて、坂道を駆け上がっていくとき、最後は辛くなりますよね。しかも、地面がアスファルトより、砂の方がより力を求められますし、疲労を感じるはずです。

もっと言えば、深いというよりは、沈んで行くような感覚で、乗っている方としては、ノメってしまう感じになるので、馬の上体を起こして乗る意識になるんですよね。

まとめると、深い馬場にすることで、それだけ時計が出ない。でも、内面への負荷はより高まっているということなのです。

それはそれで良い方法だと思います。ただ、必ずしも、その方法だけが求められているわけではないということです。フォームを作るというときには、決して良いとは思いません。ですから、個人的には、使う方が、目的によって、使い分けなければならないと思っています。

その坂路を含めて、来週から美浦トレセン馬場造園課の方をお迎えして対談をお送りしたいと思います。

坂路の馬場を変えた目的、そして効果などはもちろん、トレセンだけでなく、競馬場のコースについても聞いてみたいと思っています。

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