2月で引退された先生方に、聞いてみたいことがあるんです
2015.3.11
先週お伝えさせていただいたように、今回は2月一杯で引退された調教師さんたちについてお話をさせていただきたいと思います。
僕が所属する関東では
大久保洋吉先生、
鈴木康弘先生、そして
畠山重則先生の3人が、定年のため調教師を引退されました。
定年を前に辞められる先生方も少なくない時代に、定年まで頑張ってこられたことは、僕自身も西塚厩舎時代に骨身に沁みていることもあって、凄いことだと強く思います。
個人的には、3人の先生方の息子さんたちと年齢が近かったということで、子供の頃は大久保先生や鈴木先生のご自宅に遊びに行っていました。
畠山先生の場合は、以前に対談に出ていただいた助手の畠山雅之さんは僕よりも年上でしたので、子供の頃一緒に遊んだことはありませんでしたが、西塚先生と畠山先生が大変仲が良く、出張先の馬房のことや臨場など、随分と助けていただくなど、大変お世話になりました。
それぞれ3厩舎とも最終レースで勝つことはできませんでしたが、見所十分のレースでしたので、観ていて声が出ました。僕としては、あそこまでいったならば勝たせてあげたかったと思いましたよ。
3人の先生方に共通するのは、基本的にスタッフを信頼して、任せるところは任せて、言うべきところは言うというスタイルだったと思います。
そういう部分は古き良き、というような言い方をされるところなのでしょうか。それはそれで良いことですし、残していった方が良い部分というのは必ずあると思っています。
個人的に聞いてみたいこともあるんです。この3人はJRAが売り上げを伸ばして、競馬が社会的に認知された時代を調教師として過ごして来られました。しかも、鈴木先生と大久保先生は、調教師会の役員という要職を努められていました。
例えば、定年制の導入に携わられたのは大久保洋吉先生ですし、メリット制導入をはじめ、制度の変革の流れが生まれ始めた当初、鈴木先生が調教師会の会長をされたと記憶しています。
時代を生きた方々だからこそ、いま振り返ってどう思われているのか、ということが、僕自身とても気になるんですよ。現状をみて、ご自身が関わったそれぞれのルールや動きをどう感じていらっしゃるのか。
それが100%正しいということではないはずですし、逆に100%駄目ということもないはずです。結果とそのときの状況を照らし合わせながら、振り返ってお話を聞いてみたいんです。それらを決めたとき、いまの姿は想定内だったのかどうか。
どんなルールや動きでも、様々なことを考え、いろいろな検証してやってきたはずなんですよ。ただ、それらのすべてが思い通りになったということではないとも思うんです。自らが作った制度によって、自分の首をしめてしまったということももちろんあると思います。
また、自分が退任された後の動きもみていらっしゃいますし、これからの競馬会についても、どう思っていらっしゃるのか、とても聞いてみたいんです。
これからの競馬サークルがより良い方向に向かっていくために、先人たちの話をぜひ聞いてみたいと思うんですよね。賛否両論あると思いますし、実現できるかどうかわかりませんが、チャレンジはしてみたいと思います。3人が引退されるときにそんな思いを感じたんです。
もうひとつ思い出すのは、その調教スタイルです。
大久保厩舎といえば坂路3本。畠山厩舎はD、Aコースでの調教です。畠山厩舎については以前対談で畠山雅之さんにお聞きしましたが、大久保厩舎については、尾関先生の出身厩舎ですので、調教をお手伝いさせていただいたこともありますからよく知っています。
3本をハードと言う方もいらっしゃいますが、それで結果を出してこられたわけですよね。実際に乗っていて、馬からハードさを感じるかと言いますと、馬も慣れているのか、そういうことはないんです。
あと、最初はゆっくり入って、最後の3ハロンはスピードがあがるんですよ。そういうスタイルは、意外と追従されていないんですが、我が尾関厩舎は似ています。個人的には、坂路3本についても大久保先生に聞いてみたいんですよね。
お会いすると、いつも僕はからかわれました。でも、その言葉がとても温かいものでした。もし父が生きていれば来年定年となるはずでしたし、子供の頃から知っていた存在ですので、特別な思いもあります。そんな3人が引退されたわけで、寂しい限りです。
最後に、先週の土曜に我が尾関厩舎が東西でメインレースの重賞を勝つことができました。
個人的には、サクラゴスペルに関しては期待していましたし、やれると思っていました。ココロノアイとサクラゴスペル、どちらも強い勝ち方をしてくれたので、次が楽しみになりました。
それはもちろん嬉しいんですが、いつもお話をするように、すべての馬に対して、それぞれできることを普段通りにやって、無事にレースに送り出すことが我々の仕事です。
まずはそれができるように、次に向けて厩舎一丸となって頑張りますので、応援よろしくお願いいたします。
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