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【対談・重岡課長②】コース形態はファンや気候など、様々なことを勘案している
2015.3.24
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重岡真司・JRA美浦TC馬場造園課課長…以下[重]
西塚信人調教助手…以下[西]

[西]中京の話を続けさせてください。昔の中京は、本当に左右対称、綺麗な形をしているコースでしたよね。

[重]そうです。

[西]極端な言い方をすれば、左右どちら回りでも競馬ができる感じでしたよ。

[重]まさにそんな感じでしたよね。

[西]そんな中、2つしか回らない1600を中京で取ることができたというのは確かに画期的でしたよ。それと、ダートも他の競馬場だと1200と1800、1000と1700というような感じになっているところが多いですが、1200、1400、1800、1900とバリエーションが増えているんですよね。

[重]実は、この形態になる前、芝コースに内回り、外回りを作る案もあったんです。いまの形態では芝1800を取ることができません。1600の次は2000になっています。芝の1800を取るならば内回り、外回りという形なのですが、そうするとダートコースがもの凄く小回りになってしまうんですよ。

[西]なるほど。芝の内回りのさらに内側ということになりますからね。

[重]元々の中京は1000と1700しかなかったんですが、芝の内回り、外回りがあってもいいか、ともなりかけたんです。でも、目一杯広げると芝1800は取ることができないけど、ダートは1200、1400も取ることができるんです。その1400も、京都は外に若干膨らんでいるのに対して、真っ直ぐに取ることができるんですよ。これは良いコースになるということで、芝の1800を諦めて、いまの形になったんです。そして、中京は冬場の開催も多く、ダートのレースが多いということもありました。



[西]1400があるかないかというのは大きいですよ。

[重]個人的には会心でした。思い悩んでいたときに、もしかしたらいけるんじゃないかと、図面をみながら様々なことを検証してみたら、いけたんです。

[西]実際に馬を出走させる立場としても、ダート1400があるというのはとてもありがたいことなんです。東京しかありませんからね。

[重]関西は、京都、阪神ともにありますが、関東では東京だけですよね。

[西]話は逸れてしまいますが、競馬番組表に載っているコースの見取り図をみると、東京のダートに1200があるんです。これはどういうことなんですか? 番組にはありません。

[重]以前は、ダート1200が行われていました。根岸Sも1200でしたよね。

[西]そうでした。

[重]フジビュースタンドが建設され、競馬場が改修されていく過程で、ゴール板が1コーナー寄りになったんです。そうなると、スタート地点が前に出ることになり、コーナーまでの距離が短くなります。すると、コーナーまでの位置取り争いが激しくなってしまうことになります。

[西]そうすると、出走可能頭数が少なくなりますよね?

[重]そういうことになります。そこで騎手の方々と話し合いを行うなかで、いまの東京で1200を行うとしたら、フルゲート16頭は無理があるということになったんです。1250を作る案などもあったんですが、結果的にそれまでなかった1300を作ることとなりました。

[西]確かに、コーナーまでの距離が短いと危ないですよね。素人的な意見になりますが、ゴール板を距離別で動かすというのはどうなんですかね。あっ、でも、審判の位置とかもあるのかぁ。

[重]そういう意見もありましたよ。実際、フランスなどではそういう形で競馬が行われています。新潟がいまのコース形態になったときにも、直線だけあの形で、他のレースは右回りという意見もあったんですよ。

[西]そうだったんですね。

[重]でも、G1の日、ゴール前を目指してそれこそ徹夜までして観に来てくださるファンの方々が日本にはいます。それが日本の競馬でもありますから、ゴール板はやはり1箇所で、ということになりました。

[西]でも、番組上は残っていて、やろうと思えばできるということですか。

[重]確か、出走可能頭数があって、14頭とかだったと記憶しています。

[西]調べますと…。あ、12頭ですね。

[重]消しても良かったのですが、福島の1150ができたのもその後で、当時はまだ偶数にこだわる雰囲気があったんですよ。

[西]確かに。1300もそうですが、1900というのも。ただ、唯一1700というのは違和感がないんですよね。ああ、東京は2100もあるかぁ。

[重]東京の2100とか、1700は以前からありましたが、当時は“偶数”へのこだわりがあったんですよ。

[西]なるほどね。あ、ゴール板が同じということで思い出しました。よくAコース、Bコースというように、開催で変更があったりますが、あれはスタート地点を動かしているんですよね?

[重]そうです。柵が外になるとコーナーの半径が大きくなりますので、スタート地点は前に移動します。

[西]そうなると、コーナーまでの距離が短くなるということですよね。

[重]ですから、コースによって出走可能頭数が変わるんです。Aコースならば18頭ですが、Dコースは16頭になったりするんです。

[西]そう言えば、この前Aコースだったのに16頭があったはずです。

[重]今年から重賞レースだけは出走可能頭数を変えないことになりました。順番にご説明させていただきますと、冬場だけは特別となっていて、降雪によってダート変更の可能性がありますので、出走可能頭数を変えています。

[西]そうですよね。

[重]ダートコースというのは、物理的に18頭は無理なんです。

[西]幅的に無理なんですね。

[重]もしダートになったとき、18頭のままだとレースができなくなってしまいますので、冬場はダート変更になっても大丈夫な頭数で、ということになっているんです。

[西]なるほど。だから16頭なんですか。

[重]ただ、いまは降雪によってダート変更というのは少なくなりましたし、1頭でも多くの馬に走るチャンスがあってほしいということで、重賞レースだけは冬季もそのまま出走可能頭数を変更していないんです。

[西]それは知りませんでした。馬場の保護など、違った意味で頭数が制限されていると思っていました。ダート変更になったら、確かに18頭は無理ですよね。

[重]天気のことなので、当日になってみない部分がどうしてもあります。雪の予報でも実際は雨ということもありますし、またその逆もありますので、そこまで想定しておかなければならないということなのです。

[西]ダート変更の重賞レースというと…。エルコンドルパサーが勝った共同通信杯(98年)ですか。

[重]そうですね。あれが最後ではないですかね。あと、いまは調教師になられている田中剛先生が乗られていた。

[西]ゴールデンアイですね。

[重]そうです。ゴールデンアイが勝った東京新聞杯(95年)です。この2つのレースはより強く記憶に残っています。

※次回に続く

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