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調教馬場は負荷の軽重にかかわらず、均一であるべきだと思います
2015.8.19
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一部ニュースでも伝えられていたので、ご存じの方もいらっしゃると思いますが、最近3日間ほど閉鎖して美浦の坂路を改修する工事が行われました。

以前にもお話をしたように、美浦の坂路は馬場を深くすることでより強い負荷が求められるように調整されていました。ところが、騎乗する騎手や調教助手から「危ない」という声が相次いでいたんです。

ただ、そこで誤解して欲しくないのですが、危ないというのは“深さ”そのものではありません。

美浦の坂路は最初の300mくらいは平坦になっているんです。元々600mあった坂路から平坦部分を延長したわけですが、今回はその登り始める残り600m付近から急激に馬場が悪くなっていたことに対して「危ない」と言われていたんです。

深さで言えば、もっと深い状況もこれまでにはありましたが、「危ない」という声はそこまでではありませんでした。

乗っている側として言わせていただきますと、是非については別として、馬場が浅くても、深くても、均一であれば対応はできます。

それが最初は何でもないのに、ある地点になるとバランスを崩すほど悪くなってしまっていたんですよ。極端な言い方になってしまいますが、土のグランドを走っていて、いきなり田んぼに替わったかのような感覚を覚えるくらいの差がありました。

そして馬自身も、2日も乗ると危険を察知して構えるようになっていたんです。

乗っている我々が構えたからということもあったとは思いますが、馬たちがバランスを取れずに転倒してしまうケースもありました。

元々、坂ですので、降雨などの影響を受けやすいんです。入り口付近と、あとはやはり使用頻度が高い内側が悪化しやすいため、その補修については行っていただいていたんです。

そこにかなりの降雨があって、補修していない方が一気に悪化してしまった、ということなのです。

いろいろな意見を耳にしますが、僕自身としてはすぐに改修していただきましたし、その後は良いコンディションですので、良かったと思っています。

それと、時計がかかっていることについてもいろいろな意見があるようですね。

ただ、速い、遅いということももちろん影響はすると思いますが、僕自身としては負荷がある程度一定であればそれで良いと思うんです。

確かに、追い切りタイムはファンの皆さんが判断するひとつの基準なので、それはそれで大切だと思います。

ただ、今日と明日では天気が違うこともあって、馬場状態もそのような影響に左右されてしまうのは、ある意味仕方が無いことです。1回の集中豪雨でも馬場は変わりますし、2、3日雨が続いても影響が出てしまうものなんです。

速いか、遅いかということよりも、その日の傾向の方が大事だったりするのではないでしょうか。

馬場の深さについては、個人的には深い馬場で乗っている方が、より馬への負荷ということで言えば効果があると思いますので、全く駄目とは思いません。

要するに、乱暴な言い方にはなってしまいますが、60秒が平均値でも、54秒が平均値でも、我々としては馬場全体の状態が均一かどうかということが重要だ、ということなんです。

坂路といえば、美浦は常に栗東との比較をされています。確かに、栗東と同じであることが良いのかもしれません。

ただ、造られてから30年、改築、改修を重ねていまの形となっているわけで、今回の馬場が突然悪くなる問題にしても、決してここ最近の深くなった馬場などの対応が要因ではないはずです。もっと別の要因があるように思います。

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