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【対談・黛騎手①】今年最後の対談は、尾関厩舎とも繋がりが深い黛騎手!
2015.12.16
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黛弘人騎手…以下[黛]
西塚信人調教助手…以下[西]

[西]今年も残り3週ということで、普段から我が尾関厩舎の攻め馬に乗り続けてくれている黛騎手をお迎えして、今年1年どうだったのよ的な対談をお送りしたいと思います。マユちゃん、そんな感じでよろしくお願いします(笑)。

[黛]よろしくお願いします。

[西]今年1年、いろいろありがとうございました。

[黛]あと3週ありますが、こちらこそありがとうございます。



[西]尾関厩舎でいうと、マユちゃんはヴァイサーリッターで2勝ですか。13勝(編注:対談当時。12月12日に2勝をプラスし、15勝となりました)のうちの2勝ですから、貢献できたかなぁ。

[黛]ありがとうございます。25%近くを占めているわけですからね。本当に感謝しています。

[西]北海道でも乗っていたよね。

[黛]乗せていただいています。尾関先生にはチャンスをいただいています。

[西]ということは、攻め馬要員的な扱いではないよね。

[黛]そういうことはありません。

[西]今年もゲート試験に合格しないときには、マユちゃんにお願いしました(苦笑)。

[黛]馬主さんから「尾関先生から“黛を乗せていただけませんか”と言われるんです」と言われたことがありまして、本当に嬉しいですし、感謝しています。だからこそ、もっと結果を出したいんですけどね。

[西]ウチの先生は「黛は人気になっても、勝負強いところがある」と言っているんですよ。でも、本人はガチガチになったりするんだよね。

[黛]そうですね。緊張します。でも、ちゃんと対処法があるというか、自己分析しています。

[西]どういうこと?

[黛]緊張すると、慌ててしまうんです。ですから、とにかく慌てないように、ということだけに集中すると、大丈夫なんですよ。

[西]競馬に乗ったことがない僕なんぞが言うのもおこがましいんですが、マユちゃんの競馬に関してはかなり見ているので、気がついたところとして、外枠に入ったときの出し具合が良くなっているように思うんですよ。

[黛]行く馬はそのまま行かせて、行けない馬は一旦後ろまで下げて、内に潜り込んでというように、意識して乗っていました。確かに、去年までは外枠に苦手意識があったかもしれません。

[西]そうだったよね。マユちゃんの競馬を見ている者としては、外枠に入ったときに、スタートした直後に慌てている感じを受けるときがあったんですよ。行くなら行く、引くなら引くのではなく、中途半端さがあった。

[黛]それはなくなったと思います。もちろん馬の出脚にもよるんですけどね。

[西]そうだよね。乗っている馬にもよるし、相手もいるからね。それでも、去年までとは格段の違いを感じます。

[黛]でも、内枠の方が好きです。

[西]やはり、セコ乗りイズムとしては内枠だよね(笑)。

[黛]なるべくセコく行きたいんですよね。

[西]セコ乗りを試み続けてきたなかで、今年は初重賞制覇を達成されましたよね。そのパートナーであるノットフォーマルとの出会いも大きかったんじゃないの?

[黛]それはもちろんあります。重賞を勝たせていただいて、牝馬のクラシックレースすべてに参加させていただきました。結果を出すことはできませんでしたが、僕にとっては言葉にできないくらいの素晴らしく、貴重な経験でしたので、本当に感謝しています。

[西]ウチのココロノアイもそれらのレースに参戦していたわけですけど、脚質的にノットフォーマルはレースに影響を与える立場にいましたよね。

[黛]前に行くので、ペースに与える影響は、後ろから行くことが多いココロノアイよりは大きいかもしれません。

[西]桜花賞ではレッツゴードンキの2番手でレースを進めていたよね。確かに勝てなかったけど、いわゆる“おいしいポジション”でのレースだったわけですよ。それが、それ以降“おいしいポジション”でのレースをしなくなったよね。それはどうしてなの?

[黛]2番手にいても勝つことはできないと思いました。G1は一発勝負というか、やはり勝ちにいかないと駄目だと思うんです。そこで、“まんまの逃げ切り”を狙ったんですが、思い通りに行きませんでした。

[西]秋華賞なんかは、もう少し楽に行かせてもらえると思ったんじゃない?

[黛]そう思ったんですが、後続馬たちが離れずに付いてくる展開になりました。

[西]結局は、2番手でレースした桜花賞は最先着の5着。立派ですよ。見方によっては消極的と言われるかもしれないけど、内、外ではない部分での“セコ乗り”だよね。

[黛]実は、元々そこまでテンが速いわけではないんですよ。

[西]あ、そうなんだ。

[黛]フェアリーSも周囲の馬が行かなかったので、楽に行けたという部分はありました。毎回、毎回、僕自身はかなり押して行っているんです。

[西]確かにそうだよね(笑)。

[黛]逃げて結果を出しているので、“逃げれば”ということになりがちですが、実はそれは人間側の思惑でしかなかったりするんですよね。僕自身、そこまでテンが速くない馬を押して行っているわけで、馬のリズムを壊してしまっているとも言えるかもしれません。

[西]でも、そういうことならば桜花賞が一番馬の力が出せたレースと言えるんじゃない?

[黛]それはそうです。馬のリズムで行くことができたレースでした。見る人によっては消極的と思われたかもしれませんが、あの馬のリズムということで言えば、あのレースが一番良かったんです。

[西]ノットフォーマルは大きいタイプだから、リズムが大事だったりするのかも、と思ったりするんだけど。

[黛]オークスのときに、福永さんがダイワエルシエーロで勝ったときのラップ(編注:前半1000m通過が62秒0)と同じ感じで逃げようと思っていたんです。いろいろ研究してみて、そのペースで行くことができたら粘れるんじゃないかということで。

[西]ノットフォーマルは61秒3だね。

[黛]もちろん馬も違いますし、馬場もメンバーも違うのはわかっていますが、そのくらいのペースに持ち込むことができればチャンスがあると思ったんです。

[西]中野先生からは何か言われたの?

[黛]外枠(8枠16番)だから仕方がない、とだけ言われました。先生も逃げ馬とは考えていないと思いますよ。

[西]なるほどね。そういう意味では個人的には、クイーンSのレースが印象に残っているんですよ。4着に頑張ったわけだけど、あそこまで行くとは思わなかった。本番であれはあるかもしれないけど、みんなが行くと思っているなかで、前哨戦では敢えて行かないんじゃないかと思ったわけですよ。でも、頭数も少なかったし、結果的には残ったわけですからね。

[黛]あの時も他の馬はそこまで行きたいわけではないんです。こちらが遅いから競りかけられているような形になっているだけで、速い馬ならば、もっと楽に行けているでしょうね。距離の部分もありますし、信さんが言うように頭数もそうですし、行くレースをしました。

[西]いや、そういうレースでの話とかって、本人に聞いてみないと本当にわからないんですよね。

※次回へ続く


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