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藤田菜七子騎手をはじめ、新人騎手について改めて思うこと
2016.3.9
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先週、新人騎手の方々がデビューされました。その中でも、藤田菜七子騎手の話題が凄いですね。

実は僕自身も、日刊紙の記者さんから藤田騎手に関して取材を受けましたが、その時は何も言えませんでした(苦笑)。

ブッチャけてしまいますと、僕自身お話をしたことさえないので、何も言えませんよね。

確かに16年ぶりの女性ジョッキー誕生ということで注目を集めるのでしょう。そして、それはとても良いことだとは思います。

ただ、ファンやマスコミの方々と、我々関係者とは同じ感覚かと言えば当然違います。

僕たちの感覚で言えば、まずは女性である前に、騎手として、ということになります。その騎手として、ということで言えば、同時にデビューした新人と同じでしか、いまの時点ではないんですよ。

でも、ファンやマスコミの方々は、それぞれの見方で応援していただいて良いと思います。

もっと言えば、先週の弥生賞のレースよりも、藤田騎手の結果のほうが気になるという方がいらっしゃっても、もちろん良いと思います。

確かに、内部では報道などに“行き過ぎ”という反応もありますが、それも僕自身としては良いと思うんですよ。内部の人間がファンやマスコミと全く同じでは困りますけど。

師匠である根本先生も一生懸命応援して、藤田騎手を、そして競馬を盛り上げようという思いがあると思うんですよ。何のニュースもないよりは話題があった方が良いですから。

確かに、藤田騎手はかわいらしいですよね。でも、僕たちの感覚からすれば、同じようにデビュー当時の嶋田純次もかわいかったんです。僕が男性好きということではないですよ(苦笑)。

厩舎人として新人騎手たちと向き合うときに、かわいいと思うかどうかというところに、男女はないんです。

毎年3人、5人と新人騎手の方々がデビューされますが、実際はそのなかの1人が活躍できるかどうか、という厳しい生存競争が繰り広げられているわけですよ。

その現実を僕たちは目の辺りにして、実際傍で関わっているんですからね。

藤田騎手について言えば、ひとつかわいそうだと思うことがあります。

それは、色眼鏡で見られてしまうということです。

たとえ、藤田騎手にもの凄い実力があったとしても、それを正当に評価されない状況が生まれてしまう可能性があるということですよ。それが、藤田騎手にとってはマイナスに働くことが危惧されると思います。

まずは騎手として、その技術の良いところ、悪いところ、という視点で判断されるべきだと思うんです。

そういう観点で言えば、騎乗したすべてのレースを見させていただきましたけど、落ち着いて上手く乗っていたと僕自身は感じました。

“行け”という指示が出ていたレースもあったようですが、行けなかったときに新人の騎手ならば慌ててしまっても不思議ではありません。

でも、そこだと思うんです。“行け”と言われていたとに、“行けなかった”。そのときの対応が、一流とそうでない“差”のひとつであったりするわけで、その対応については新人としてはかなり上手くできていたと思います。

あともうひとつは、どうしても女性が少ないサークルです。誤解を恐れずに言えば、恋愛などについても事実と異なることを言われたり、聞くに耐えない風評が流されたりするかもしれません。

でも、絶対に負けないで欲しいんです。

本当にあったことならば仕方がないかもしれませんが、事実でないことを言われて、しかもそれがマイナスに働くなんていうことがあってならないと僕は思います。

僕自身は何もできませんけど、せめて一緒になって騒ぐようなことだけはしないように、と思うんです。

藤田騎手が所属する根本厩舎に木藤さんという調教助手さんがいるんですが、競馬場に行くときなど、競馬学校時代からお世話をしていらっしゃいました。

以前、木藤さんが午前中でレースが終わっていたのに、藤田騎手がメインレースまで観たいと言ったために、一緒に残って待っていたりしたんです。

その木藤さんが藤田騎手が騎乗したときに、パドックで馬を引いている姿をみて、グッとくるものがありました。

万感の思いなのだろうと思ったりもして、もし機会があれば対談に出ていただきたいとも思っています。

藤田騎手にはそうやって、陰ながら応援してくれて、支えてくれている方々の存在を忘れずに、騎手として技術を磨いて、上を目指して、頑張ってほしいですよね。

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