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三場での競馬は、関係者の思惑によって様々な傾向が生まれます
2016.3.23
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先週、下級条件では“三場”のメンバーの方が強いケースが多くなっているというお話をさせていただきましたが、「ローカル開催の方が出走手当の金額が少ないのに、おかしいですよね」(PNロールケーキさん)というメールをいただきました。確かに、少し説明が不十分でしたね。

ご指摘の通り、現在の制度では、本場と三場では出走奨励金や出走手当の額に差が存在します。

恐らくPNロールケーキさんはどこかの一口クラブに出資されているのではないかと思うのですが、JRAはそういう差を設けています。

個人的には、これは“ギャラ”の差だと思うんですよね。

どういうことかと言いますと、本場と三場を比べると、圧倒的に本場の方が馬券の売り上げがあります。つまり、馬券の売り上げが少ない競馬場で走る馬より、多い競馬場で走る馬の方がギャラは多くなる、ということになるんだと思います。

善し悪しは別として、もちろん各陣営はそういう差も考慮して出走させているはずです。ですから、出走手当が少なくなっても、勝つチャンスが高い三場に、という意識も働いてきました。

それが先週お話をしたように、最近では三場の方が強いケースが多くなっていて、むしろ出走手当が高くて、なおかつ勝つチャンスが高い方を選択するケースも出てきているということなんです。

といっても、6歳以上の500万条件馬はほとんどのケースで三場しか出走できないというルールもあって、簡単にいかなかったりするんですけどね。

また、番組上で言えば未勝利戦は本場開催が多く、500万条件は三場が多いので、いわゆる「本場が弱い」といわれるケースの多くが未勝利戦だったりもするんですよね。

そうなるにも理由があって、たとえばダート1800mの未勝利戦が本場と三場で土日合わせて4レースがあるとなれば、そりゃあバラけますよね。

それに対して、三場だけでダート1700mの未勝利戦が土日で4レースというのはあまりみかけないと思います。ダート1700mの500万条件戦が三場の土日だけで6、7レースというのはよくみかけますけどね。

このように、それぞれの陣営でいろいろなルールに沿って、考えながら出走させているんです。

さらに、番組の数やルールによる部分だけでなく、実は各馬の動きも大きかったりもするんです。

たとえば、G1級と言われる馬が出走してきて、それを避けようとした結果、他の強い馬たちが三場に集まってしまった、ということもあります。

それに加えて、どこでG1が開催されるかということも関係してきます。その理由は、騎手の方々の動きです。

今は騎手の数が減ってきているため、昔と比べて余計にそういう影響を感じるんですが、よく言われるのはエリザベス女王杯の日です。

京都でエリザベス女王杯が行われる日は、同日に東京、そして三場の福島が開催されます。トップジョッキーたちが京都に集まり、福島には福島でおなじみのメンバーが揃うので、東京でジョッキーを確保するのが大変になる、という状況が繰り返されているんです。

極端な言い方をすると、18頭フルゲートのレースで乗り替わりとなってしまうと本当に危うい、というくらいの感じだったりします。

また、三場は1週目と4週目が強くなると、我々の間でよく言われています。

なぜかと言いますと、たとえば小倉なら1週目に権利を取った馬たちが4週目を目指して滞在して調整されるからです。その結果として、3週目が弱かったり、出走しやすかったりします。

これは小倉だけでなく、三場開催のほとんどでそういう傾向があります。同じ条件で、しかもメンバーもそれほど大きく変わらなかったりしますよね。北海道のように滞在で行われる競馬は余計にそういう傾向が強かったりするかもしれません。

こういうことは、関係者たちはもちろん経験のなかでわかっています。でも、G1級と言われる馬が出走するレースに管理馬をぶつけたり、強いと言われる三場の条件戦に出走したりします。

なぜでしょうか。これは、亡くなった父(故・西塚安夫師)の言葉を借りるならば、みんな“スケベ”なのでしょう。ひょっとしたら、という思いがあるんですよ。

勝ち負けにならないならば、1週目ではなく弱くなる2週目、3週目にすれば良いのに、「ひょっとしたら」と思うからこそそうしないわけです。

新馬戦などもそうです。本当はダート1200mが良いタイプなのに、とにかく新馬を使いたいから、あるいは出走しやすいからと、芝1600mにエントリーしたりします。

そこでまた走ってしまったりすると、今度はなるべく長いところで、ということになるんです。その方が距離増手当もありますし、なるべくそういうところへ、という意識になっていくものなんです。

最初はダート1200mが合うと思っていたのに、芝の長いところが走れるとわかった途端に、そういう意識になっていく。なんとスケベなんでしょうか(笑)。馬主さんも含めて、みんな関係者はスケベだということなんでしょうね。

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