サクラゴスペルから教えてもらったことは、貴重な財産です
2016.3.29
今回は、先日の
高松宮記念に5度目の挑戦をした、
サクラゴスペルの話をさせていただきたいと思います。
結果は17着でした。でも、今年で8歳を迎えた
サクラゴスペルは、僕自身が関わってきたなかで、この2週間は一番飼い葉を食べていたんですよ。
飼い葉を食べるということは、それだけ馬自身の調子が良いということです。実際、跨がっていた二口さんや担当している厩務員さんも、状態が良いという手応えを口にしていました。
ただ、これまでも何度かお話をしましたが、
サクラゴスペルに関しては、これだけ食べていて、どれだけ残しているということを把握することで、輸送するとこのくらい減るということがわかるんです。
今回木曜日の時点で10kg減でした。これが20kg減になるときもあるんです。そういう意味で、香港から1kg増の490kgというのは想定内でした。
香港から久々の出走ということは、むしろこの馬にとってはプラスだと思いますし、力強さがあって馬自身は本当に良くみえていたし、状態は本当に良かったのでしょう。
でも、何となくほんの気持ち、レースには影響はない程度なのでしょうが、重いかなぁという思いは僕自身のなかにありました。
とはいえ、やれるという思いで送り出しましたし、結果については無責任からもしれませんが、毎回お話をするように、僕たちにはどうしようもできない部分が大きいです。とにかく無事に戻ってきてくれましたから、また次の目標に向けて頑張っていきたいと思います。
なぜ今回
サクラゴスペルのお話を改めてさせていただくかと言いますと、ツイッターか何かのコメントで、
「尾関厩舎とともに成長してきたサクラゴスペルを応援しています。このあたりでもうひと花咲かせて」というコメントを読んだからです。
その言葉通りです。
サクラゴスペルという凄い馬と一緒に、僕たちスタッフたちが成長する部分が大きいんです。
この前、上がり運動のときに話をしていたんですが、経験豊富な元騎手の矢原さんや長い経験を持つ二口さんであっても、あのクラスの馬に乗ることができるチャンスというのはそうそうありません。
サクラゴスペルほどこれだけ長い期間一線級で、毎年重賞を勝てるほどの馬に今後出会えるかどうか、わからないんですよ。
G1を勝つ馬に出会うことは大変と言いますが、
サクラゴスペルのような馬に出会うのも同じくらい、いやそれ以上に難しいことかもしれないと思うんです。
今回の敗因はいろいろあるのでしょうが、とにかく無事に戻ってきてくれたことがまず何よりなんですよね。
G1はできることをやれば、あとは運を天に任せるというところが大きいというのも
サクラゴスペルに教えてもらいました。
2着になった
スプリンターズSも、その結果でしょう。馬自身の頑張りとノリさんのファインプレー、そしてたくさんのラッキーがあった結果であって、僕たちが決して凄いわけではないんです。
これは松岡さんが言っていたんですが、G1というのはメンバーが、馬場が、展開が、とか言っている時点で、もう半分負けなんだ。とにかくゲートが開いた瞬間から、その馬にとって一番の競馬をしてあげられるかどうかだと。
僕自身も、その通りだと思うんです。ただ、それは普段のレースもそうだと思っているんですよ。それを教えてくれたのが
サクラゴスペルなんですよね。
確かにG1を勝っていないから、という方もいらっしゃるかもしれませんが、
サクラゴスペルは勝るとも劣らないくらい凄いんです。
騎手の経験がある矢原さんは、いままでにたくさんの馬たちに跨がってきていますが、本当になかなかいない馬だと仰います。
藤沢先生のところをはじめ、走る馬たちがたくさんいる厩舎ならばG1馬にも出会えるでしょうが、毎年重賞を勝って、5年間も活躍し続けるほどの馬に出会えるのは、決して多くはないことだと思います。
これから先どこまで現役を続けるのかわかりませんが、
サクラゴスペルとともに、頑張っていきたいと思います。馬自身まだ若いですし、ぜひ尾関厩舎とともに応援していただければと思います。
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