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ポリトラックコースで追い切る馬が減少…なぜ?
2016.8.31
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夏競馬もいよいよ僅かとなりました。この時期はトレセンも馬たちが少なく、春や秋シーズンとは明らかに違う雰囲気です。

今回は、“最近ポリトラックで追い切りをしている馬が少ないように思うんですが、なぜなのですか?”(PNリラさん)という質問が届きましたので、これにお答えさせていただきたいと思います。

冒頭でもお話をしたように、トレセンにいる馬が少ないということもあるとは思いますが、ご質問の通り、実際乗っていても、確かに一時期よりもポリトラックで追い切りをしている馬が少ないように感じます。

そもそもポリトラックコースというのは、“天候に左右されない馬場”ということが、セールスポイントのひとつとされています。

実際に雨が降ったときには、ダートや芝をはじめ、他の馬場は性格や特徴を変えます。一方で、ポリトラックコースはほぼ変化を感じません。また、メンテナンス面などでも優れているとされ、海外や民間でも導入されていますよね。

JRAでも美浦にできた当初は、ここで追い切りを行った馬がG1を勝ったりしたことで、その効果に注目が集まりました。

それがいまでは減っている。なぜでしょうか。

僕が思うには、ここだけでは負荷が足りないと皆さん感じている。逆に言うと、他のコースの方が必要な負荷がかかる。だから、坂路やウッドチップ、あるいは他のコースで追い切りを行う厩舎が多いんだと思うんです。

ポリトラックは、天候だけでなく、状況にも左右されづらいという特徴があります。

どういうことか言いますと、馬場の状態が変化しづらいということは、それだけ走りやすいということになります。

それに対して他の馬場は、天候や状況によってより力が必要とされる状況になり得るということです。

疲労の目安のひとつと言われる乳酸値も、ポリトラックと他のコースでは数値が違ってくるとされています。

現場としては必要だと感じる負荷を求めた結果として、坂路やウッドチップコースを選択することになってしまうのでしょう。

他にも、脚元への負担ということについても、衝撃自体は少ないとされていますが、その一方でグリップ効果がとても大きく、遊びがない分だけ関節などへの負担が大きいという声もあったりします。

うちの厩舎もあまり使用することがないので、実感がそこまであるわけではありませんが、乗っていても走りやすさというのは感じます。

もちろん、馬場が悪くなり過ぎてしまったときなどは、その影響を考えずに調教を行うことができますし、減ったとはいえ、様々な馬たちがそれぞれの目的でいまもポリトラックコースで調教されています。でも確かに、できた当初のような人気ぶりではありません。

それぞれの馬たちが、それぞれの状況に合わせて、調教が進められていくのが大切であるように、それぞれのコースに特徴があって、それに合わせて調教が行われていくべきだと思います。

ですから、コースの選択は多ければ多い方が良いはずです。ポリトラックコースも、その目的に合わせて使われるようになってきた、ということなのではないでしょうか。

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