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競走馬の夏バテは、人間と違って猛暑の最中に来るんです
2016.9.7
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夏競馬も終わり、昼間こそまだ30度を超えますが、朝晩はだいぶ凌ぎやすくなってきました。

人間はこの時期になると、夏の疲れで体調を崩す、いわゆる夏バテの話題を多く聞きます。

人間の場合は今の時期になってから夏の疲れが出やすくなりますが、馬の場合は涼しくなってからというよりは、暑い最中の方が影響を感じます。

やはり暑い日は、飼い葉を食べるスピードが落ちたり、残したりする馬もいます。これは人間と同じですね。

また、乗っていて息使いが荒くなってしまったり、人間で言うところの軽い熱中症のような症状をみせる馬もいて、やはり直接的な暑さの影響の方がハッキリとわかるかもしれません。

一方で涼しくなってから夏の疲労が出る場合ですが、人間の場合は何となくだるいとか、いまひとつ調子が悪いとか、“何となく”ということが多いのではないでしょうか。

馬もそんな感じで、何となく動きが物足りなくなってきたとか、何となく覇気がないというような感覚なんじゃないかと思うんです。

確かに、真夏からトレセンに在厩して、トレーニングを積んでレースを走り続けてきた馬は、疲労が蓄積しているだろうと想像します。

夏に活躍した馬が秋に結果が出なくなるというケースがありますが、そういう影響は十分考えられるでしょう。

そういう場合でも、そのときに明らかに動きが悪いということではなく、調教の動きは変わらない。でも、“何となく”成績が伴ってこなくなったりするんですよ。

僕自身の経験ですが、例えばレース後1週間で回復する馬が、この時期だとそれ以上時間を要するというような、明確にわかることは意外と少ないかもしれません。

そもそも、涼しくなればそれだけ馬は楽になりますし、良くなっていきます。

それ以外にも、昔みたいに夏の間、2ヶ月、3ヶ月の間トレセンで調教を積みながら、レースを続けて走る馬も減りましたし、そういうローテーションが少なくなっていることも影響していると思います。

うちにもそういう馬がいますが、いまのところは全く問題はありません。まあ馬にもよりますし、健康状態でももちろん違ってきますが。

涼しくなることで体調を崩したりする我々人間とは、体力も違うんでしょう。

面白いもので、暑いときは元気の良さをアピールする馬が少ないんですが、少し涼しくなっただけで、元気の良さをみせる馬が増えてくるんですよ。

やはり馬も暑いから、余計な体力を使いたくないんだろうなぁと思います(笑)。

ただ、今年に関してはそこまで暑さに参っている馬が多いとは思いませんでした。乗っていても、暑さの影響を感じる日も多くなかったように思います。

馬たちがバテてバテて仕方がなく、かわいそうだなぁと思う年もありましたので、それと比べると少なかったんじゃないかと思います。

上がり運動は日が当たらない地下馬道で行うなど、いろいろな工夫をしていることもあるのかもしれません。それでも、本当に暑い日ならばいまの時間ならば8時過ぎに後半上がってくるときに、もう呼吸をしていて暑くて息苦しさを感じます。そう考えると、今年はそこまでではなかったように思います。

そうは言っても、暑い夏の間、調教をやりながら、未勝利戦を戦って、中山のスーパー未勝利へ向かう馬のなかには、程度の差はあれ、バテをみせる馬も出てくるかもしれませんよね。

でも、涼しくなっていくことは、人間の場合体調を崩すこともありますが、馬にとってはプラスのことの方が多いように思うというのが、実感です。

過ごしやすい秋に向けて、馬たちが元気になっていくはずです。秋競馬にもどうぞご期待下さい。

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