【対談・田中博騎手①】今回はフランス帰りの田中博騎手をお迎えしました!
2016.10.19
田中博康騎手…以下
[田]西塚信人調教助手…以下
[西][西]今回のゲストは田中博康騎手をお迎えいたしました。よろしくお願いいたします。
[田]よろしくお願いします。
[西]今月頭までフランスに行っていたわけで、いろいろ積もる話もあるんですが、博康はトレセン関係者の中で、トップクラスのこのコーナーの読者なんですよね。博康自身も自信はあるでしょう?
[田]あります。
[西]あとは丸田(恭介騎手)も結構読んでくれているんですよ。この2人は、本当によく読んでいただいているんです。
[田]毎週の楽しみのひとつです。
[西]本当にありがとうございます。
[田]良い記事ですね、とメールを送らせていただいたこともあります。
[西]このコーナーが始まってはや10年が過ぎます。いつも完璧を目指しているんですけど、ブッチャけもう少し何とか、と思うときもあるんですよ。博康は今回で3回目(09年、13年に対談)の出演なんですが、凄く新鮮なんです。
[田]えっ、そうですか?
[西]俺自身、興味津々ですよ。今夏の北海道シリーズが終わって、みんなが帰ってきたら、白いヘルメットを被った博康がいるのに驚きました。
[田]白いヘルメットは前から被っていたんですけどね(苦笑)。
[西]俺のなかでは、黄色のまま(デビューしたての騎手を表す色)だからね。
[田]それは若過ぎですよ。
[西]そして思うことは、博康いつまで美浦にいるの?ということですよ。
[田]なるほど(笑)。
[西]でも、わかるでしょ。今は萩原厩舎で乗っているけど、いつまで?みたいな感覚なんですよ。美浦に籍を置いたままで、栗東や海外へ行っていたんですよね。
[田]そうです。
[西]美浦にいなかった時間はどのくらいだったの?
[田]2年と10ヶ月ですかね。
[西]約3年ですよ。ご存知じゃない方もいらっしゃると思いますので、その2年10ヶ月で何をしていたかについてもお聞きしましょう。栗東に出張していて、その間に海外へ行っている感じだったわけですよね。
[田]そうですね。栗東にいる間に4回行きました。
[西]海外にはどのくらい行っていたの?
[田]最初に9ヶ月滞在したのは5年前でした。ですから、この2年10ヵ月では合計で5ヶ月くらいだと思います。
[西]ごめんね。なんだか博康はいつもどこかに行っていて、でもどこかで会っているような感覚だったりするわけですよ。ですから、ファンの方々と同じだよね。今回については『田中博康騎手は9月23日~10月4日まで、研修のため海外渡航届を提出』という報道で知るわけですよ。
[田]そういう感じですよね。
[西]基本的には、何かの馬の遠征とセットになっている感じですよね。
[田]そうですね。
[西]エイシンヒカリのときも行っていたの?
[田]あのときは、たまたま僕自身が春シーズンにヨーロッパに行きたいと思って、実際に行っていたときに、
エイシンヒカリが来るということになったんです。ですから、
エイシンヒカリがフランスに着いた時点でも、調教に乗るということは決まっていなくて、その後にお話をいただいたんです。
[西]調整は小林智厩舎(フランスで開業する日本人調教師)で行われたんですよね。
[田]そうです。ただ、あのときは2ヶ月間の予定で行っていて、僕自身小林先生のところではない厩舎で乗っていたので、3頭乗ってから
エイシンヒカリに乗りに行くという感じでした。
[西]エイシンヒカリに乗っていたんですね。
[田]追い切りとか、乗せていただきました。
[西]実際、どうなの? やばかったりするの?
[田]どういうヤバさですか?
[西]引っ掛かったりという意味ですよ(笑)。
[田]あ、そういうことですか(笑)。僕も栗東で見ていましたし、レースも見ていましたので、そういうイメージが強かったです。調教では西谷さんが乗っていて、西谷さんとは昆厩舎で一緒になったりしていたんですけど、ヤバイという話を聞いていました。
[西]ヤバイって、どんな感じなの? 立つのか、うるさいのか、いろいろあるよね。
[田]引っ掛かるということですかね。
[西]口が利かない感じなのかな?
[田]行き出したら止まらないようなところはあるかもしれません。ただ、年齢を重ねてきて、良い意味で随分と若さが抜けてきていました。それでも、フランスの環境ですからね。よく馬が大人しくなるとか言われますが、日本のようにキッチリとした環境ではありません。そういうなかで大丈夫かな、という思いはありましたよ。
[西]ラチとかもないらしいし、馬場も日本のように整備されているわけではないと言いますよね。
[田]それ以外にも、急に馬が飛び出してくることは日常茶飯事で、鹿も飛び出してきたりしますし、いろいろ場所に出入り口があって、何が起るかわからない。予測不能な環境なんです。
[西]馬が走っていて、横から馬が飛び出してくれば、横っ跳びをしてしまったりするんだろうけど、そういうところでの事故とかってどうなの。多かったりするの?
[田]それが、見たことないんですよ。
[西]あっ、そうなんだ。落ちないんだぁ。
[田]馬も慣れていて、それほど気にしていない感じなんです。馬の違いとか言うよりは、環境の違いで“慣れ”でしょうね。
[西]“慣れ”というのはあるんだろうね。ちょっとミーハーになっちゃうけどさ、エイシンヒカリって良い馬だった?
[田]速いところに行ってからが抜群に良いんです。
[西]博康の騎手人生において、攻め馬もいれて、良い馬ってどんな馬がいるのかな。
クィーンスプマンテや
シルクメビウスもいるけど、それ以外のところで。
[田]そういうことで言えば、角居先生のところでも乗せていただきましたので、
エピファネイアや
リオンディーズは走る馬だと思いました。
[西]リオンディーズも引っ掛かるよね。
[田]僕が乗せていただいたのは、新馬勝って、朝日杯前くらいの時だったんですけど、そんな感じはなかったんですよね。あとは
ヒルノダムールですね。
[西]ヒルノダムールはフランスに一緒に行っていたよね?
[田]現地でずっと乗せていただいていました。
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