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人馬ともに、さらなる暑さ対策が必要だと思うんです
2017.8.9
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今週は台風が来ていることもあってか、蒸し暑くなっていますね。この暑さで、やはり夏は人間だけでなく、馬にとっても影響が大きいんだと感じます。

この時期は朝早くから調教を行っていて、その時に気温が30度を超えることはまずありません。でも、立ち止まったときに馬の背中から感じる心臓の音は、冬場のそれとは明らかに違うんですよ。

速いところをやれば、冬場でも心臓の音が大きくなります。また、ゲートの中で駐立しているときにも、緊張感からくる心臓のドキドキ感というか、鼓動を感じます。でも夏場はそれらとは違う音がするんですよ。それだけ影響があるんでしょうね。

厩舎でも扇風機やミストなど、暑さ対策がとられています。でも、馬房には屋根があって日陰になっている分空気が籠もっている感じで、先週の日曜などは湿気による独特の蒸し暑さを感じました。

これは美浦だけではなくて、今開催が行われている新潟や福島などの競馬場も同じような感覚があります。

その一方、先週は30度を超えない涼しい日がありましたよね。当たり前と言えば当たり前なんですけど、馬たちも涼しい方が元気になるんです。

最高気温の比較でも35度と28度ではもちろん違いますし、最高気温が28度ということは夜は22~23度程度になっているはずで、馬たちも楽に感じていたのでしょう。

ただ、またここから暑さが続くそうなので、また馬たちにも厳しい日が続くことになりそうですね。

そういえば、暑いこの時期はパドックでも元気が良かったり、あるいはチャカついている馬が少ないという声があります。確かに、そういう部分はあるかもしれません。

夏負けする馬が増えるこの時期ですから、実際馬に触れていても、大人しいな、と感じることが多いです。休み明けの火曜日の朝の馬の様子を見ても、冬場の方が明らかに元気が良いですからね。これは恐らく、トレセンの誰もが感じていると思います。

ですから、暑い日のパドックで元気が良いように見える馬は、入れ込んでしまっている場合もあるでしょうが、状態が良くて気合いが入っていると見ることもできるかもしれませんね。

この暑さの中、厩務員や調教助手の中にも、救急車まではいかないまでも、競馬が終わった後に頭痛や嘔吐などの症状を訴えるケースが多くなっています。お客さんたちも、外で観戦していて不調を訴えられる方も多くなっているそうです。

猛暑日(※)という言葉ができたのは最近ですが、確かに僕が子供の頃より、気候が変化しているようです。そう考えると、競馬も何かしら対策をとらないといけない時期に来ているように思うんです。

※…日中最高気温が35度以上の日のこと。気象庁が2007年より制定した。

今年は小倉と新潟のパドックでミストを出していますが、それ以外にも、たとえば見た目以上に負担がある、パドックの周回時間を短くするなどはどうでしょうか。そうすることで人馬ともにダメージが減ると思いますし、馬にとっても秋以降の競馬全体への良い影響があると思います。

夏の福島、新潟での1走と、秋の東京、中山での1走は、夏場の方の疲労が倍くらい大きいと言われています。もちろん馬によりますが、有力馬は夏を休養に充てる馬が多いように、夏も秋も絶好調、ということにはなりづらいのが現実でしょう。夏に走るダメージを抑えて秋も走ることができれば、競馬全体の盛り上がりにも繋がると思うんですよ。

暑いこの時期、競馬場に来られて観戦していただく方も、ぜひ暑さ対策は万全にして楽しんでいただければ、と思います。

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