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新しいサービスをきっかけに知ってほしい“ありのままの姿”
2017.8.16
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先日行われたセレクトセールで高額馬を落札し、その馬たちを中心に募集する形で立ち上げられた、新しい一口クラブの“DMMバヌーシー”が話題になっていますね。

いまのところ、我が尾関厩舎で預託されるという話は聞いていません。ですから、あくまで僕自身はニュースとして、皆さんと同じような感覚で捉えています。

それにしても、そのサービスについては僕自身も関係者の目線で、面白いなぁ、と感じているんですよ。

このクラブは1頭につき1万口の募集となることをはじめ、いろいろと今までにあまりない手法が採られています。でも僕自身が注目しているのは、専用アプリがあって、各馬について週に何度も動画が更新されるなど、情報が頻繁に届けられるということ。これが画期的だと思うんです。

これまで、ファンの皆さんがトレセンの中にいる馬たちの姿を目にする頻度は、あまり多くありませんでした。また、馬について話をする場合、8割から9割は調教師から、という感じだと思います。

自分自身、バヌーシーの社長さんのTwitterのアカウントをフォローさせていただいているんですけど、牧場スタッフの方が、社長さんのTwitterアカウントに直接「もういい感じなので、入厩させていいですよ」とメールをしていたりするそうです。

そういった感じで、情報の中には生産牧場の方や、育成牧場の担当の方々が出てきたり、あるいは厩務員さんをはじめ、馬に携わっている人間が出てくることもあるようです。

それで思ったことがあります。たとえばこの連載も、西塚厩舎のときには何でも言うことが許されていました。今も、僕自身が責任を取れることについてはブッチャけさせていただいています。

しかし、以前もお話をしたように、今の僕は従業員という立場で、すべての責任を取ることができない立場です。ですから尾関厩舎全体に関わることについては同じようにはいかず、やはり言っていいことと、言えないことが存在します。でも、それは仕方がないというか、当然のことだと思います。

だからこそ、今後馬が生まれたときから、入厩、そしてレースまで、いままで以上に情報が伝わっていくことになれば、それは面白いことなんじゃないかと思うんですよね。僕自身も、馬についてより詳しく、本当のことが伝わることは良いと思っています。

と同時に、誤解を生じなければいいな、とも思います。

どういうことかというと、たとえばゲート試験について。育成牧場では全く問題ないと言っていたのに、トレセンに入って試験を受けたら全く駄目だったということ、またその逆も日常茶飯事なんです。

また、厩舎では何でもなかったのに、レース後放牧先で歩様が悪くなってしまうことも珍しくありません。

どのようなケースでも、どちらが悪いということではなくて、それが馬だということなんです。どんな馬であっても生き物ですから怪我もしますし、いろいろなことが起こる可能性があります。

育成牧場ではゲートに入っていたのに、入らないのは厩舎に問題があるとか、レース後厩舎でもなんでもなかったのに、育成牧場でおかしくなってしまったから牧場に問題があった、と思われてしまうのは、残念なことだと思います。

もちろん、人間側にミスがあるケースもあります。そういうときは別ですけど、人知を超えた部分も馬にはあるんですよ。ブッチャけてしまいますが、実際に携わっている人間の判断がすべて正しいわけではないですからね。

例えば、育成牧場のスタッフや厩舎の調教助手がダート向きだと言っていても、実際走ってみると芝の方が良い成績を残した、ということは本当によくある話です。

実際、馬はレースを走ってみないとわかりませんし、間違うことなく判断するのは本当に難しいんです。

そういう状況で、最終的な判断を責任を持って行うのは、馬主さんから預託を受けている調教師です。その調教師の方々も、いろいろな方々の意見と自分の目で観察しながら、経験則に照らし合わせたりしながら判断しています。

すべて正しい判断を下すということはなかなか難しいのが現実でしょうけど、それでも結果を出していかなければならないわけです。

そういう難しさ、ありのままの姿が知られることとなれば、本当に良いことです。そして、そんな中で結果を出すために尽力する牧場関係者、厩舎スタッフたちの姿も、このようなサービスを通じて皆さんに理解していただければいいな、と思っています。

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