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“馬の取り違え”は、自分にも起こりうることだと思うんです
2017.10.18
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先週土曜、京都12レースに出走予定だった馬が、“事故のため”に出走取消となりました。今回はこの件について思うところがあったので、お話ししたいと思います。

JRAの発表によると、2レースに出走した馬の治療依頼を厩舎から受け、獣医が厩舎において指定された馬に治療を行ったところ、後になって治療したのが12レースに出走予定の馬だったことが判明したから、ということのようです。

治療というのは抗生剤を打つことだったそうで、これはレースの2日前を過ぎると打つことができません。それをレース前の馬に打ってしまったために、出走できなくなったということでした。

ここまでの話を聞くと、担当者や獣医は何をしていたんだということになってしまいますよね。

確かに、単純なミスと言えばそうです。でも、今回はそこではなく、その大元となる原因についての話をしたいと思います。決して今回だけではなくて、自分にも起こり得ることだと思うんですよ。

原因のひとつとして考えられるのは、厩舎の人数です。以前は関東、関西ともに1厩舎20馬房に対し、人員は13人を雇うという決まりでしたが、数年前に関西では12人体制になりました。そして最近は、これが美浦でも始まっているんです。

実際13人から12人になって、いまのように関東では東京と新潟、あるいは福島での開催となると、担当ではない人間が馬を連れて競馬に行くようなケースも当然出てきています。

昔ながらの厩舎ですと、たとえどんなに在厩馬たちの調教が忙しくても、担当者を競馬に同行させていましたし、いまでもそういうところもあります。極端な例になると、担当者がいない馬は角馬場や運動だけで良い、という状況さえあります。

でも、今はほとんどそういう話は聞きません。ただそうなると、調教助手や残った厩務員で分担しながら調教や臨場を行うことになるわけですよ。実際僕自身、先週は身内に不幸があった厩務員がいまして、代わりに新潟に競馬に行っていたんです。

幸い取り間違えることなく、無事に競馬をして、しかも勝つことができて帰ってきました。でも、出走馬のレース時間が近かったりすると、分刻みで本当に忙しいんですよね。

これは推測だということをお分かりいただいた上で聞いていただきたいのですが、今回の間違いの件で言えば、2レースで引いた人がそのまま12レースも引くのだったら、自分で獣医師を呼んで何の問題も起きることもなかったんじゃないか、と思うんです。

それが2レースの後、近いレースの馬を引くなどの仕事があって、他の人に「獣医を呼んでおいたから頼む」ということになってしまったんじゃないか、と思うんですよ。

もしそうならば、これは起こり得る話です。毛色などが明らかに違うならば大丈夫ですけど、似ている馬であれば間違ってしまう可能性はあると思うんです。

ミスはミスですし、間違いなく、あってはならないことです。

ただ、タイトなスケジュール、そして人数が減ってしまっている状況だからこそ、そういうミスが起こる確率が高くなってしまう、ということなんです。

そのように間違いが起こりやすい状況だからこそ、一層気をつけなければならないと、改めて思います。その上で、負担を軽減したり、タイムスケジュールなども考えていなかなければならないように思います。

さて、最後になりましたが、今年の調教師試験、またしてもサクラチル結果となってしまいました。

これもひとえに私、西塚信人の不徳の致すところです。読者の皆さんに応援していただいているのに、期待に応えることができず、本当に情けない限りです。

背水の陣との思いを強くして、もう1度フンドシを締め直して、頑張ってみたいと思っていますので、何卒よろしくお願いいたします。

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