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泥んこ馬場で行われた競馬、その影響と価値は
2017.10.25
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先週、菊花賞が極悪馬場で行われたことが話題になりましたね。その時、僕は東京に臨場していたのですが、東京の馬場コンディションもいつ以来の悪さか、と考えてしまうほど悪かったんですよ。

幸い勝つことができたので、ゼッケンを持って帰ろうとしたんです。でも、泥だらけというだけでなく、水分も吸ってしまっていて、ゼッケンがゼッケンではないみたいな感じになってしまいました。

勝負服の汚れも本当に酷かったですし、なかなかないくらい泥んこ状態になってしまったんですよ。

厩務員さんとも話をしたんですけど、競馬が開催される土日の両方、しかもあれほど激しく降り続いたケースというのは、あまりないように思うんです。そもそも、パドックで馬を引くときに、鞍に合羽を着用したことが本当に久しぶりでしたからね。

でも、そういう状況であっても行われるのが競馬です。

今回は台風の影響が大きかったわけですけど、交通機関が不通になってしまうとか、あるいは降雪や突風などレースに危険が及ぶと判断されない限り、基本的には降雨程度でしたら競馬は行われます。

以前にも話をしたと思いますが、海外と違って今の日本のルールでは馬場状態を理由に出走取り消しをすることはできないわけです。ですから、そういった部分も含めて競馬だ、ということなんですよね。

菊花賞出走馬を含め、こういう馬場で走ったことによるダメージを心配する声があるようです。でも、馬に携わっていて、疲れやすい馬、そうでない馬の違いはありますが、速いタイムが出る状態でも、逆に今回のような泥んこの馬場状態であっても、実感できるほどの違いはないと思います。

競馬で無理をしなかった場合のダメージの少なさは間違いなく感じますが、全力で走り抜いたならば、そこまで違いを感じないんですよ。

馬場が悪い状況で競馬が行われると、「馬場が悪くなっていたから、単純に評価できない」みたいな論調をよく目にします。今回もそういう声があるようです。

でも、僕は決してそうは思いません。道悪が苦手な馬もいるでしょうし、逆に得意な馬もいるでしょうけど、それも含めて勝負事であって、それこそ運も実力のうちだと思うんですよね。

確かに、馬場の得意不得意というのはあるのかもしれませんし、結果に影響はあるのかもしれません。でも、どの馬にとっても条件は同じですし、そのなかで行われたレースで勝ったとしても、立派な結果だと僕自身は思っています。

何が言いたいかというと、僕たちはそういう馬場コンディションを気にしながら馬の調整をするのではなく、力を発揮できるように全力を尽くすべきだと思っているんです。

話が少し逸れますけど、松岡さんが後輩に「G1を勝つにはどう乗ったら良いですか?」というようなことを聞かれたときに「ドンと構えて乗れるかどうかだ」と話をしたそうです。

要はそういうことです。馬場コンディション云々ではなく、まずは馬がしっかりと力を出せる状態にあるかどうか、騎手の方はその馬の力を十分に引き出すことができるかどうかが、何よりも大事なはずなんですよ。

こういう言い方をすると、甘いとのご批判を受けるかもしれませんけど、一番大事なことは週末の天気ではなくて、馬の状態だと思うんですよ。

もちろん僕たち関係者も、馬場を気にするコメントをすることがあります。ただ、だからといってどうにもできませんからね。

それで思い出したんですけど、先日行われた凱旋門賞を観ていて、日本では考えられないくらいタフな印象を受ける馬場で、あまりに日本の馬場と違い過ぎると感じました。

でも、そのなかで勝たなければ、凱旋門賞制覇は成し遂げられないわけですよね。

海外の多くの競馬場では日本ほど整備されていないそうですし、天然の地形のままにレースを行っている国も珍しくないそうです。そういう環境で勝つことを目指すのであれば、なおさら馬場コンディションについて、ありのままを受け入れなければならないと思いませんか。

ですから、今回のように田んぼのような馬場で行われた競馬であっても、勝負は勝負。その価値が低くなるものではないと、僕は思っています。

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