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【対談・横山義行騎手①】今年最後のゲストは休養中の横山義行騎手です!
2017.12.6
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横山義行騎手…以下[横]
西塚信人調教助手…以下[西]

[西]今回は、このコーナーでもちょくちょく名前が挙がっていた、もうお馴染みの横山義行騎手にお越しいただいております。ただ、僕自身はご無沙汰ではあるんですけどね。よろしくお願いいたします。

[横]よろしくお願いいたします。



[西]いきなりですけど、読者の方々からも心配するメッセージをいくつもいただいておりますので、まずはやはりあのアクシデントについてお話をお聞きしたいと思うんです。あの事故から何年が過ぎましたか?

[横]2015年の年明けすぐ(※1月11日中山4R)ですから、もうすぐ3年です。

[西]僕自身、あの日のことはいまでも鮮明に覚えています。僕は障害レースはライヴではなく後から見ることが多いんですけど、あのレースはモニターを通して見ていました。上位人気の馬に乗っていたんですよね。

[横]前走2着で、あのレースに出走していたんです。でも、レースはほとんど覚えていません。もちろん、後から見て状況については理解していますけど、記憶がないんです。

[西]返し馬の時とかに、何か異変はなかったんですか?

[横]なかったはずです。

[西]逆に、返し馬も記憶になかったりするんですか?

[横]返し馬の感覚が僅かに記憶に残っているかなぁ、というのが正直なところなんですけど、前走2着で勝ち負けだと思っていたのは覚えています。ただ、レースでは3、4番手に付けているんですけど、映像を見て“あ、こういうレースをしていたんだ”と理解したくらいです。水濠を飛んで2、3完歩してから落馬してしまっているんですよね。あのような経験は初めてでした。

[西]馬に何があったんですかね?

[横]筋断裂ということでした。

[西]馬が持ち堪えたんですかね。それとも着地のときにそうなってしまったということかなぁ。

[横]着地のときであれば、普通はそこで転倒しているはずです。ここまでたくさん乗ってきていますけど、あのときのような経験はありませんでした。

[西]あのときの手応えとか、覚えていたりはするんですか?

[横]全く覚えていません。

[西]変な言い方ですけど、義行さんが落馬をして、何かしらの怪我をするということに慣れた、みたいな感覚があったりするんですよ。

[横]そうだよね。落馬したら怪我ですからね(笑)。

[西]でも、それがどんどん時間が経つごとに、症状が重いという話が伝わってきて、“義行さんの意識がない”ということを知ったんです。

[横]意識がなかったですからね。

[西]確か、10日から2週間くらいはそのままの状態だったらしい、という情報でした。実際はどれくらいで意識が戻られたんですか?

[横]1、2日程度でした。

[西]こちらには、意識が戻らなくて危ないという話で伝わってきていました。

[横]でも、意識が戻ってからの記憶もあまりなかったりするんですよ。聞くと、痛い、痛いと騒いでいたらしいんですけど、全く記憶はありません。

[西]頭を打ったということなんですか?

[横]頭も打ってはいるんだろうけど、首を負傷してしまいました。

[西]あのような激しい落ち方をしても、頭に傷を負わずに済んだということは、ヘルメットがあったからですかね。

[横]ヘルメットもあるだろうし、落ち方もあるのかなぁ。でも、頭を負傷せずに良かったですよ。首と脊髄を損傷してしまいましたけど、この程度で済んで良かったと思います。落ち方を見ると、凄い落ち方をしていましたから。だから、死ななかったから良かったんじゃない?

[西]えっ?

[横]そう思わないとね。あのスピードですからね。そのままのスピードで転倒してしまうのが一番危険です。

[西]あのときは下が芝でしたけど、あれがダートだったらまた少し違ったんですかね。

[横]違ったでしょう。

[西]三浦(皇成騎手)が札幌で落馬したときはダートでしたけど、あれが芝だったらと思うとゾッとします。

[横]芝とダートの違いはあると思います。芝はやはり硬いですから危ないです。芝は硬い。

[西]芝は硬いって、軽く言われますけど(苦笑)。

[横]ダートの方がまだマシですよ(笑)。

[西]調教で落ちても、ウッドチップだと違いますよ。芝で落ちることはそれほどありませんけど、チップとダートでは違いますし、厩舎周りの運動場はかなり硬いですからね。

[横]そういう差はありますよね。

[西]いまのところ変な落ち方をしていないということもあるんだろうけど、チップは柔らかいと思います。

[横]チップは柔らかいですよ。競馬もチップにしてしまえば良いのかも(笑)。

[西]ははは。でも、運動場はスピードこそ出ていないですけど、芝より遥かに硬いですよ。

[横]確かに運動場は硬いですよ。ただ、スピードが一番の原因ですよ。レースのスピードというのはやはり凶器というか、より大きな怪我を負ってしまう要因となります。他の人たちも落馬をしますが、怪我がないのが信じられないというか、何で怪我をせずに済むんだろうか、と思います。

[西]障害レースだと、また怪我を負ってしまう可能性が高くなりますよね。義行さん自身はここまでどのくらい怪我をしましたか?

[横]折れた骨は18本か19本ですかね。デビューして25年を迎えるんですけど、どれだけ休んだか。そう考えると、それほど仕事をしていないんですよね(笑)。

[西]義行さんは嫌だったかもしれませんけど、本当に長いお付き合いをさせていただいています。

[横]付き合いたくなかったですけどね。

[二人](笑)

[西]西塚厩舎から尾関厩舎になって、ここまでお付き合いさせていただいていますけど、やはり横山義行は天才だという関係者は多いですよ。

[横]障害は人数も少ないですし。体重など理由はいろいろありますけど、平地で結果を残せずに障害に乗るということがほとんどですから、レベルとしては平場よりは……というイメージですからね。

[西]いやいや。ちょっと西塚信人から見た横山義行を語らせていただきます。障害だけでなく、平地でも義行さんは位置取りが常に絶妙なんですよ。

[横]障害でも、平地でも、位置取りは意識しています。

[西]障害はそこから脚のある馬に乗っているけど、平地ではそこから馬に脚がなくて伸びないというだけのことですよ。見ていて「なんで?」と疑問に思うことがありませんから。尾関厩舎でも平地に乗っていただきましたけど、障害レースだけではなくて、平地でも上手いと思います。そういうところを意外と皆さん見ていないのかなぁ、と思うわけですよ。

[横]やはり好位で流れに乗っていきたいですよね。特に障害はそうだったりします。それができる馬に乗せていただいてきましたし、力のある馬たちは好位で流れに乗って、最後まで脚が残っているものですからね。

[西]本当に、好位で流れに乗っているイメージが強いんですよ。

[横]平地では最後に飛越がありませんから転倒する可能性はほぼないですけど、障害ではテンに行かせると、最後にバテてしまって飛越の際に転倒してしまう可能性が高くなります。ですから、やはり力がある馬じゃないと積極的なレースはなかなかできないものです。

[西]なるほど。でも、中には、「もっと前で競馬をするように」という指示が出ていることもありますよね。

[横]いや、厳しいですよ。乗っている方から言わせてもらうと、力があると思えばそういうレースをしようとします。でも、そうでない馬は最後まで力を温存しておかないと、完走できなくなってしまいますから。

[西]最後に飛越があるからですね。

(※次回へ続く)

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