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弥生賞の件でファンの方々の反応を見て、思ったことがあります
2018.3.7
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先週の弥生賞に未出走馬が出走した件について、僕自身もファンの方がどう感じたかについて興味があったので、ツイッターやネットなどの反応を見ていました。そこで、思ったことがあります。

まずは最初に、そもそもの話として未出走馬が重賞レースに出走できるのか、ということですが、これは今回のことでもお分かりだと思いますが、可能です。今回のようなクラシックのトライアルに限れば出走が許されています。

しかも、重賞はタイムオーバーがありません。ゲートを出て、たとえどれだけ離されたシンガリ負けになろうとも、ゴールさえできれば、出走した馬として扱われることになります。

僕自身、今回弥生賞に出走することになった理由や経緯については、全く聞いていません。そういう前提で話を聞いていただきたいと思います。

僕が想像するに、3つの理由が考えられます。勝ち負けになるという手応えを感じて出走させるケース、オーナーが使えるならば使ってほしいというリクエストがあったケース、そして、未勝利戦に出走させてもタイムオーバーになる可能性があると感じていたケースです。

最後のケースについては、タイムオーバーになれば出走奨励金が半額に減額されますから、それがない重賞を使うことは考えられます。

このあたりは、ファンの方々には分かりづらいかもしれませんね。

僕も西塚厩舎時代、1円でも多く馬主さんに対して還元するべく行動を、という意識でやっていました。地方交流競走はタイムオーバーがないので、そのような理由で使ったこともあります。

どんな馬であっても、馬主さんに対して、少なくとも1回はタイムオーバーにならないように出走させる。そういう意識は、最低限の礼儀として持っていたりするものなんです。

ですからもし僕自身が同じ立場だったら、同じ行動を取っていた可能性はあると思います。実際現場で働いていると、ルール上問題がなくて得することならばOKという意識があります。

ですから、ファンの方々の反応には正直驚かされました。

そこで思い出したのが、この間、話をしたローレルクラブのパーティーでのことでした。皆さんが馬に対して、そして競馬に対して真っ直ぐに向き合って、真剣に考えているということです。極端な言い方をすれば、ルール上OKならば何をしてもいい、勝てばいいという感覚ではないということです。

現場にいると、ついつい乗り替わりにしても、出走させるレースの選択肢についても、現場の常識であったり損得だけを考えてしまいがちだったりします。

この間は会員の方々でしたけど、今回はファンの方々の言葉にハッとさせられたんですよ。

損得とか、ルールといった基準ではなく、馬がいて、それに携わる人々がいて、そうして行われる競馬を、ファンの方々は支持してくださっているんだと思うんです。

その一方で、お金を出して馬を所有されている馬主の方々がいらっしゃいます。馬主の方々がいるから競馬が成り立っているのは間違いない事実ですし、その馬主の方々に給付金が支払われるルールを最大限に活用することも、決して悪いことではないはずなんです。

ただ、そのやり方は気をつけなければならないのではないかと、今回強く思いました。

馬主の方々は私財で馬を所有し、そして走らせることで、競馬の開催を支えています。それは誰にでもできることではないからこそ、厩舎関係者やファンからも敬意を払われるべきだと思います。

だからこそ、馬主の方々やJRAには、ファンの方々の思いをぜひ知ってもらいたいと思うんです。

生意気に聞こえるかもしれませんけど、僕自身、今回のことを含めて、そういう会員さんやファンの方々の思いを知ることで、競馬というエンターテイメントが本当に素晴らしいと思いましたし、好きになりました。

ルール、損得、そしてホースマンとしての理念、この3点のバランスをどうやって取っていくかというのは、競馬に携わる人間としてのテーマでもあるように思います。

そんな競馬が少しでも良い方向に向かうように、微力ながら頑張っていきたいと改めて思います。今回の件について、みなさんもご意見があれば聞かせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

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