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【対談・小久保一徳氏③】今後は生産者と会員との関係を密にすることが、より重要になる
2018.5.23
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ローレルクラブ・小久保一徳氏…以下[小]
西塚信人調教助手…以下[西]

[西]そういえば、先日参加させていただいたパーティーで、募集馬を提供されている個人牧場の社長さんたちが、会員さんに名刺を配っておられましたよね?

[小]あの試みは前回のパーティーが初めてだったんです。我々が、馬たちの写真を名刺サイズにして、それを配っていただきました。

[西]本来、馬というのは、馬主さんに対して売るものだったんでしょうけど、牧場の方々が、会員さんに真剣に馬の話をしている姿を見て、こういう姿も競馬を盛り上げているというか、必要なことなんじゃないかと思ったんです。そうやって、時間を共有することで生まれる人と人との繋がりは、いずれ牧場と馬主さんとの関係と同じようになっていくようにも思います。

[小]ウチは、生産牧場の方々から馬をご提供いただくことで、会員の方々からの出資を募集していますので、そこの部分をアピールさせていただくことがとても大事だと考えております。そして、会員の方々には求める馬にご出資していただけたら幸いです。



[西]失礼な言い方をさせていただきますけど、例えば母がG1馬で、父がディープインパクトという募集馬がズラリと並んでいるわけではないわけです。そんな中で、頑張って育てた馬たちが提供されて、募集されている。そういう馬に、会員の方々も思いを持って出資されているわけですよ。あのように話をすることで、お互いが理解をしていくと、「このような考えを持った生産者の方が懸命に育てた馬ならば、たとえ活躍できなかったとしても納得できる」と思う会員の方もいらっしゃると思いますし、生産者の方々も「こういう会員さんたちがいてくれるからこそ、自信のある馬を懸命に育てよう」と思うことができるんじゃないかと思うわけですよ。

[小]そういう関係というのは、我々のクラブにとって何よりの財産なんですよね。

[西]甘いと批判される方もいらっしゃるかもしれませんけど、我々厩舎スタッフと騎手との関係にもそういう部分があったりします。例えば、先日も若手のある騎手が攻め馬に乗り続けていたんですけど、いざレースになったらトップジョッキーが乗りました。でも、何回か負けて、結局は攻め馬に乗り続けていた騎手が勝ったんです。本音を言わせていただきますけど、同じ1勝でも、嬉しさが違いました。

[小]気持ちはわかります。

[西]もちろん1勝するのは大変なことですし、だからこそより勝つ確率が高い騎手に乗ってもらうというのは理解できます。でも、リーディングジョッキーでさえ勝率は3割を超えていないわけですよ。さらにブッチャけさせていただきますけど、毎日一緒に頑張っている仲間で負けたならば、仕方がないと思えるんです。もちろん勝ちたいですし、勝つために毎日頑張っているんですけど、これは偽らざる気持ちというか、人間ですからそういう感情になるんですよ。そういう部分が競馬にないと、面白くないと思うんですよね。

[小]昔はそういう部分というか、そういう話がたくさんありましたよね。でも、いまの時代は少なくなりました。昔は若手が何戦も乗っていて、トップジョッキーに乗り替わりというようなドラマも多かったんですけど、いまはあまり聞かなくなりましたよね。

[西]そう言えば、皐月賞エポカドーロが勝ちました。あれはヒダカブリーダーズユニオンさんの所有馬ですけど、ローレルさんと同じように、生産者の方々からの提供馬がメインで募集されるスタイルのクラブが勝ったということで、良かったんじゃないんですか?

[小]本当におめでとうございます。同じように生産者の方々から提供を受けているクラブ法人として、我々としても良かったですよ。

[西]長い間、クラブとお付き合いをしてきて、ようやく活躍馬に巡り会ったという方もいらっしゃったかもしれないわけですよ。そうイメージすると、競馬の醍醐味を味わっていただけたのかなぁと思うわけです。失礼な言い方ですけど、出資されている会員の方々でも、最初から『この馬は絶対にG1を勝てる』と思っていた方々は決して多くはないはずですよ。

[小]ウチもローレルゲレイロがG1を勝ってくれましたけど、最初から『絶対にG1を勝てる』と思って出資してくださった会員の方々は、多くはなかったと思います。

[西]こういう言い方は不適切なのかもしれませんけど、POGでさえ“G1を勝った兄を超える逸材”、“間違いなくG1級の乗り味”など、いろいろな見出しが躍っていても、実際はなかなかその通りにならないことの方が多いじゃないですか。

[小]馬は本当に難しい。全兄弟で、全く同じ環境であっても同じになることはほぼゼロですからね。

[西]だからこそ、競馬って面白いんだと思うんですよね。馬券だって、そうじゃないですか。だから万馬券も生まれると思うんです。話をクラブに戻しますと、いろいろなクラブがあって、会員、そしてファンの方々が楽しんでくれることが何よりということなんですよ。そういう中で、ローレルさんに魅力を感じて、応援している会員さんたちもたくさんいるということです。ちなみに「パーティーをもっとやってほしい」という方々がいらっしゃったことをお伝えしておきます(笑)。

[小]あ、1年置きに関東と関西で開かせてもらっているので、1年おきに参加して下さる会員さんもいらっしゃるんですよ。

[西]会員の方に楽しいと思ってもらえれば良いですよね。

[小]本当にそうなんです。会員さんに喜んでいただけることが一番なんですよ。

[西]これはパーティーに参加させていただいたときにもこのコーナーで話したことなんですけど、これからの競馬を考えたときに、生産者の方と会員の方の関係をより密にするスタイルは、より重要になっていくはずだと思いました。

[小]そうなっていって欲しいですし、そうなっていくように我々もいろいろと頑張っていかなければならないと思っています。

[西]ローレルゲレイロの名前が出ましたけど、やはり活躍馬が出ると会員の方は増えますか?

[小]おかげさまで、うちは増えました。

[西]活躍馬を見せて、そのクラブ法人だけでなく、そもそもクラブ法人の馬に出資することで競馬に参加できるということを知る方々もいらっしゃるみたいですからね。



[小]そういうお話は聞きますね。なかなか馬券を購入されていない方々はもちろんですけど、馬券をよく購入されているファンの方々でも、クラブ法人について知らない方々がいるという話も聞いています。

[西]そういう意味では、まだまだ可能性があるように思うんですよね。

(※次回へ続く)

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