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【対談・小久保一徳氏④(終)】会員さんが喜ぶ姿を見ることが、何より嬉しい
2018.5.30
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ローレルクラブ・小久保一徳氏…以下[小]
西塚信人調教助手…以下[西]

[西]話は変わりますけど、小久保さんはどうしてローレルクラブに入社されたんですか?

[小]えっ、それ聞きますか?(苦笑)

[西]いや、読者のなかにも、競馬サークルに就職したいけど、どうして良いかわからないという方がいらっしゃるんですよ。

[小]元々、近所に馬主をされていた方がいたんです。そのおじさんに競馬というのはいかに面白いかということを教えられまして、どんどんのめり込んでいきました。

[西]競馬に興味を持った頃の活躍馬は、どんな馬だったんですか?

[小]そうだなぁ、覚えているのはダイナガリバーの勝ったダービー(※86年)ですかね。

[西]懐かしい響きですね。ご家庭は競馬に何か関係があったんですか?

[小]ほぼなかったんです。地元が埼玉県の熊谷なので、父親に連れられて高崎競馬とか、宇都宮競馬などにはよく行っていましたけど、競馬サークルとは全く関係のない環境でした。

[西]そこから競馬に向かうわけですね。

[小]そのおじさんに『良い世界だから、何か仕事をやってみた方がいい』という話をされたんです。その方の親戚はミスターシービーを担当されていた佐藤厩務員さんで、松山康久厩舎にも所有馬を預託していたそうですよ。

[西]そんなおじさんが近所にいたんですね(笑)。そう言われれば、競馬の世界に興味が涌きますよね。

[小]知れば知るほど面白かったですし、競馬雑誌とかを見ているうちに、あるクラブ法人の従業員募集を見つけて、応募したのが最初です。そこに入社しました。その後、事情があって辞めて、再び競馬雑誌にカネツ商事の募集が掲載されていたのを見て、応募したんです。

[西]そして今があるんですね。でも、そんな前からクラブ法人があったんですか?

[小]カネツ商事がいまのクラブ法人の形で運営したのが、その草分け的な存在だと聞いています。

[西]古いですね(笑)。

[小]30年以上前ですからね(笑)。

[西]当時のカネツ商事の試験に合格したわけですね。

[小]面接に行ったら、経験者ということで、明日から来てくださいということになって、はや30年近くですね。

[西]カネツ商事というのは元々投資会社で、そこに入社してきた方々の中から、興味がある人が競走馬部門で働いていると思っていました。

[小]最初から競馬の仕事をするために募集されたんですよ。僕が入社する前は、今みたいにたくさんの会員さんを集める形ではなくて、オーナーズ的に何人かの馬主さんたちと共有する形だったようです。

[西]カネツ競走馬という馬主名の時代ですよね。

[小]それが、クラブ法人というものが認知されてきて、募集口数を多くして一般向けにしていこうということになって、スタッフを増やすために募集を行って、入ったのが私ということなんです。

[西]カネツ競走馬からローレルレーシングに移行されたタイミングだったんですね。

[小]そういうことです。

[西]そこから“海老、白玉散らし(※ローレルレーシングの勝負服)”ひと筋ということですか(笑)。

[小]振り返れば、勝負服とも長い付き合いですね(笑)。

[西]クラブ法人の社員さんとして、楽しいと思うのってどんな時ですか?

[小]やはりどんな条件でも勝ったときです。それが一番ですよね。会員の方々が喜んでいる姿をみると、本当に泣けてくるんですよ。

[西]その言葉に偽りがないというか、小久保さんが本当にそう思っているということは僕自身よくわかります。

[小]本当にそれしかありません。繰り返しになりますけど、毎週、毎週、負けることの方が多いというか、ほとんどは負けるわけです。そのなかで、会員さんにはもちろん、厩舎の方々も頑張っていることもわかっていて、どちらに対しても頭を下げることしかできないんですよ。だからこそ、勝ったときは少しだけ会員の方々も厩舎の方々も報われるわけで、こちらとしても本当に嬉しいです。もちろん勝てなくても、好走してくれると、それはそれで嬉しいんですけどね。

[西]いや、本当ですよ。僕たちも同じ気持ちです。

[小]手前味噌の話になってしまいますけど、先日スティンライクビーという馬に松岡騎手に騎乗してもらって、準オープンで15番人気ながら3着に好走してくれたんです。そういう時も本当に嬉しいんですよ(※4月22日東京10R鎌倉S)。

[西]元はウチにいて、そこから地方に行って戻ってきて田村厩舎に入って、今は竹内厩舎ですけど、いつも応援しているんですよ。小久保さんには何回も言っていますけど、本当に良い馬なんですよね。

[小]そう仰っていただいていましたよね。そうやって、会員さんがいて、厩舎の方々や騎手の方が頑張ってくださったからこそ、このような好走があるんだと思います。だからこそ、嬉しいんですよ。

[西]スティンライクビーについては、あくまで僕自身の思いですけど、新潟千直で2着(2015年8月22日)に来たところがポイントですよ。もしあそこで掲示板を外していれば、ダート1200mに向かったはずで、そうすればまた違った展開になっていたはずなんですよ。その後、勝ち鞍を挙げたのはすべてダートですから。

[小]ミルコ(デムーロ騎手)が続けて乗ると言っていましたから、それはもう1回となりますよね。しかも馬番18番の大外に入ったのに、全くダメでした(※15着)。

[西]そこに勝負の難しさがあるんでしょうね。正直、スティンライクビーは楽に未勝利を勝つと思っていました。それが勝てないんですから。僕自身では情けないという思いしかなかったですよ。

[小]でも、それも含めて競馬なんですよ。そういう悔しさがあるから、逆に1勝の喜びが大きいんだと思います。

[西]またしてもブッチャけさせていただきますけど、1勝は1勝で、喜びは同じというのは違うと思います。やはり、その馬との関わり方によって、喜びも悔しさも違うはずですし、みんなそう思っていると思います。人間でも手のかかる子ほどかわいいと言われますけど、そうだと思いますし、そういう感情があって良いと僕自身では思っています。実際、ゲートで苦労した馬が活躍すると、嬉しさが大きいものなんですよ。そういう関係、もっと言えば人と人の関係も含めて、大事にしたいと強く思うんです。

[小]よくこの世界は“縁”と言われますけど、時代が変わってもそういう部分は少なからずあると思います。それがストリートキャップであり、スティンライクビーになっているんでしょう。

[西]そういう部分が競馬の魅力だし、醍醐味だったりするんじゃないかと思います。小久保さんが会員さんたちの喜ぶ顔を見て、嬉しいと思えるのもそういう部分があるからこそでしょう。言葉は悪いですけど、会員さんたちの期待を裏切ることが圧倒的に多いわけですよ。それでも会員さんたちは出資してくれるわけで、そのなかで勝ったときに嬉しさがマックスになるという、それこそが小久保さんたちの、いやこの世界が持つ魅力だと思うんです。

[小]本当に毎回申し訳ないと思いますし、何とか勝ってもらいたいと思う会員の方もいらっしゃいますよ。

[西]そういう思いというのは、僕は大事だと思いますし、そういう思いがあるからこそ、出資し続ける会員さんがいるんだと思うんです。

[小]何とか結果が出てくれれば、と思うんですけど、こればかりは思い通りにいきません。だからこそ、申し訳ないと思うんです。

[西]あっ、こんな時間になってしまいました。最後になりますけど、この前のパーティーに(横山)ノリさんが来られていましたよね。2連勝したダンケシェーンの主戦ですから、会員さんも喜んだんじゃないですか?

[小]そういうお声をいただいております。毎回多くの騎手の方々にご出席していただきたいんですけど、みなさんお忙しいですからね。でも今回はダンケシェーンについて、直接会員さんに話をしたいと言って、来てくださったんです。会員さんが喜んでくださったのが何よりです。

[西]会員さんにすれば、ノリさんと直接馬の話ができて、本当に嬉しかったはずですよ。ダンケシェーンも応援していますから。

[小]ありがとうございます。

[西]ぜひ、また来てください。そのときはローレルクラブの募集馬について、1頭1頭お話をしていただくように準備しておきます。

[二人](笑)

[西]今日はお忙しい中、本当にありがとうございました。

[小]ありがとうございました。



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