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今こそ、我々関係者も“真の国際化”を果たすべき
2018.7.4
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今年の春シーズンは日本でも印象的なレースが多かったですが、一方で海外からはディープインパクト産駒が英2000ギニー仏ダービーを勝ったというニュースが届きましたね。こういうニュースを聞くと、日本競馬と海外競馬との関係がより強く感じられるというか、国際色豊かになったなあ、と思います。

そんな中で僕が思うのは、大袈裟な話になってしまうかもしれませんけど、我々厩舎関係者も真の国際化、海外に対する意識改革が求められているように感じるんです。

具体的に言うと、“海外”とひとくくりにするのではなく、もっと各国それぞれの競馬を理解していかなければならないのではないかと。

先ほどディープインパクト産駒がフランスとイギリスのクラシックを勝った、という話をしました。この二国は同じヨーロッパ、しかも近い国同士ではありますが、競馬の成り立ちや特徴が違っています。

しかし関係者でも、それぞれの国の違いについて聞かれて、しっかりと答えられる人間は僕を含めてあまり多くないと感じます。こういう点については、ファンの皆さんの方がよくご存じなのではないか、とさえ思うほどです。

例えば競馬場。イギリスは、天然の地形をそのまま使って競馬場が作られているところが多く、馬場もそのままで縦横無尽にうねっていたりします。一方、フランスは日本のように人工的に馬場がつくられ、整備されているところが多いですが、それでも日本で強かった馬が、フランスでも結果を残せるとは限らないというのは、皆さんもご存じですよね。

だからこそ、今のように日本馬がこぞって凱旋門賞を目指すのはどうなんだろうかと。もしかしたら、もったいないことをしているのではないか、と思うんです。

確かに、凱旋門賞は賞金も高くなりましたし、ローテーション的にもシーズンの締めくくりの時期で、ヨーロッパを中心に芝中長距離路線の強い馬が多く揃います。そこで勝つということは、間違いなく凄いことです。

でも、この時期のアメリカの馬はブリーダーズカップを目指す馬が多いですし、オーストラリアの馬はコックスプレートメルボルンCに多く出走します。日本でも凱旋門賞ではなく、天皇賞ジャパンC、そして有馬記念に適性がある馬がそこに向かう、それでいいと思うんですよね。

現実に、凱旋門賞エルコンドルパサーを負かしたモンジューが、ジャパンCスペシャルウィークに敗れた例があります。そのスペシャルウィークは、前年のジャパンCエルコンドルパサーに敗れています。そんな感じで、これまでの日本の馬でも、もしかしたら凱旋門賞ではなくブリーダーズカップ、もしくは天皇賞ジャパンカップに出ていたら、勝てていた馬がいるかもしれませんよね。

しかし僕自身も、“この馬ならブリーダーズカップに勝てそう”ということを推測することは難しいのが現実です。それができるようになるためには、日本と海外の違い、そして海外でもそれぞれの国についてもっと理解を深めることが必要で、その上で馬の適性を見極めて、そしてようやく結果が出るのではないかと。

先日、香港のトップジョッキーであるモレイラ騎手が日本移籍を目指すという報道がありましたが、人間と馬の両面で日本と海外との関わりはもっと強まることになるでしょう。

日本の騎手の方は短期免許や海外から移籍してくる騎手の影響を受けていますが、我々厩舎関係者も今こそ“本当の意味での国際化”をしなければ取り残されてしまう、そういう危機感さえあるんですよね。

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