第1回の対談相手は、武士沢友治騎手です!
2009.03.12
先週の木曜日に、最後の下克上日記が掲載され、その後に「終わってしまうのですね」というメールを結構いただきました。
おそらく、最後に「さようなら」と書いたからなのでしょう。しかし、残念ながら今回から『対談』というスタイルでリニューアルさせていただくこととなりました(笑)。
ということで、これからもよろしくお願いいたします。
第1回目の対談のゲストは、ブッシーこと武士沢友治騎手。実は、ゆっくりと話をすると言いますか、ブッチャけ、ブッシーと飲むのは久しぶりだったんですよね。それでは、どうぞ。
[西塚信人調教助手(以下、西)]お疲れーライス。
[武士沢友治騎手(以下、武)]お疲れーライス、ライス。
[西]武士沢さんとのお疲れーライス、久しぶりっすね。
[武]そうですね。いやぁ、先手取られた気分。
[西]まあ、そう言わずに。さっそくですが、今回は対談ということでして。
[武]ガンダムの話?
[西]その話はいいって。前に一度、対談のお願いをしたように、夏や冬にスペシャルで対談をやらせていただいてきたんですけど、「武士沢さんを出してくれ」という要望が結構あったんですよ。
[武]ホントに?
[西]マジ、マジ。
[武]マジンガー。
[西]マジンガー(笑)。久々に、お疲れーライスとマジンガーという武士沢節を聞くなぁ。そういうわけで、今回、ついに登場していただくことになったわけですよ。
[武]というか、企画が実現するまで、ずいぶん長かったよね?
[西]その通り。もうかなり前から言ってきてましたからね。
[武]なんて言うのか、ダメなジョッキーは後回しということかな?
[西]いや、温存させていただいたんですよ。一応、日記ではエースは田辺なんですが、対談におけるエースは武士沢さんですから。
[武・西](爆笑)
[武]天才田辺ですから(笑)。
[西]天才田辺。というか、これまで日記をやらせていただいてきて、そのテーマは下克上だったんです。西塚厩舎の下克上を目指す姿をリアルにお伝えしてきたんですが、厩舎が解散してしまったということで、今週から対談スタイルにリニューアルされることになったんです。
[武]それで、どんなフレーズというか、題名にするの?
[西]それを今日、まず武士沢さんと決めたいと思っているわけですよ。というか、武士沢さんに命名してもらいたい。
[武]来た、こりゃ来た。哀戦士。
[西]だから、それ、ガンダムネタですから(笑)。しかも、知らない人には、哀戦士の「哀」ではなく、ラヴの「愛」を書かれちゃいますから。
[武]そりゃ、マズイですね。それまたシルクチャンネルに書かれちゃうから(笑)。あっ、これもまたマズイですかね。
[西]いや、全然OKでしょう。意外と武士沢さんはシルクチャンネルを見ているということですよね。
[武]いやいや、見てないですから。ほらぁ、誤解されてしまうから(笑)。
[西]僕がチクリの書き込みをしているってね。
[武]あんな怖いところ見られないでしょう(笑)。
[西]それにしても、武士沢さんとは話をするネタがたくさんあり過ぎるでしょう。1シリーズじゃとても無理なので、何回もやりましょう。
[武]酒飲み過ぎちゃうからな(笑)。
[西]何から攻めていいのか迷いますが、僕の中には武士沢さんの最初の衝撃というのがあるんですよね。
[武]何ですか?
[西]札幌で騎乗してもらった…。
[武]オーシンブルドッグ?
[西]ブルドッグじゃなくて、ゼルコバファースト(笑)。
[武]ブッチ切り体勢から差されてしまった。
[西]そう、そう。ブッチ切りで、絶対に負けない位置から差し切られちゃったやつですよ。
[武]あれっ、止まっちゃった、みたいなね。
[武・西](爆笑)
[西]でも、あれでパンクしちゃっていたんですよね。
[武]あれはよく覚えている。右と左でキャンターが違っていたんだけど、3コーナーから『これはブッチ切って、凄い馬誕生』と内心で期待していたんだよね。
[西]あの時、僕はまだトレセンに入る前だったんですけど、『なんで武士沢は西塚厩舎に乗ってんだろう?』と思ったわけですよ。何でだろうって。
[武]それから厩務員さんであるハルちゃんが何年も勝てずにきてしまったわけですね。
[西]そう。実は、そのハルちゃんが後にシルクヒーローをやるというストーリーに繋がっていくわけですよ。
[武]ストーリーが決まってたの?
[西]決まってた、決まってた。でも、初めて仕事をしたのは、上から読んでもイガノガイ、下から読んでもイガノガイなんですよね。
[武]あの馬はドラマがあった。
[西]確かにね。土門先生が亡くなった最後のレースとなったのがイガノガイで、関東で出走して武士沢さんが乗って勝って、ハッピーエンドを迎えて。その後、西塚厩舎に転厩という形でお預かりすることになったわけですよ。
[武]あの後、良い成績を残すことができませんでしたけれど。
[西]でも、夏にお話をいただいた時に、『ぜひ、攻め馬も競馬も武士沢君にお願いしたい』と言われたんですよね。あそこからですよ。
[武]話が逸れるけれど、これ、ヤバイ話とかはカットでしょう?
[西]もちろん、カットなしで。
[武]いやぁ、ヤバイでしょう。危ない、危ない。酔っぱらっていたら、どこまで突っ込んじゃうか分からないから(笑)。
[西]それを狙ってますから。
[武]それ、大事件だから。
[西]あの時に電話番号を交換してね。いまでも鮮明に覚えている。確か、札幌の最後まで遠征していて、秋口になってようやく美浦で武士沢さんを発見して、チップの入り口で声をかけたんですよね。
[武]よくそこまで覚えているね。
[西]あのシーンだけは鮮明に残っているんですよね。他のことはあんまり覚えていないんですけれど。声かけさせてもらったら、凄く良い人っぽさが満点でした。
[武]「ぽさ」じゃなくて、良い人でしょう(笑)。
[西]先輩の助手からも『ブッシーは良い奴だぞ』って言われていましたからね。
[武]でも、『この世界は良い奴じゃぁ、務まらねぇぞ』とよく言われた。
[西]でも、立派に務まってるじゃないですか。
[武]恐い世界だと思ってやっているから。
[西]逆に、僕の印象ってありますか?
[武]ある。あれっ、ふっくらしちゃっているんじゃないのってことだね。
[西]ああ、ふっくら感があるなってことですね。というか、デブということでしょう(笑)。
[武]いや、あれ、あれれ、前よりも、という感じで徐々に大きくなっていくことを確認していて、初対面としてはあくまでふっくらしているなぁということだけでしたね(笑)。
[西]話が戻っちゃいますが、当時のウチでは、攻め馬や追い切りをあまり知らない騎手に頼むということは稀だったんですよ。そして、最後に武士沢さんがイガノガイをクビになっちゃうわけですけれど、今度は頼んでおきながらクビを伝えなければならなかった。あれは慣れてなかったなぁ。
[武]でも、そういうところはあまり深く考えちゃいけないし、だからと言って軽く考えちゃいけないんですよ。というか、当たり前の世界だから。
[西]クビになるということがですよね。
[武]そう。ある意味で当然という部分がある。だからこそ、1頭1頭どれだけ重く乗れるか。自分で納得じゃないけれど、一生懸命乗っている中で、乗り替わりをさせられる時には、何か自分に至らないところがあるんだと思うわけですよ。上のショッキーの人と言えばトップの人たちですから、乗り替わりとなるのはある意味で仕方がない。そう思っちゃダメだと分かっているし、もちろん負けずに食らいついていくぞ、いつかは、と思っているんだけれど、その時点ではそれが現実ということだから。
[西]でも、やっぱり申し訳ないと思うわけですよ。攻め馬まで頼んでおいて、それでチェンジしてしまうのは、いくら馬主さんの依頼とはいえ、つらいですよね。
[武]確かに、昔は乗り替わりということに対して重い感覚だったと思いますよ。特に攻め馬もしていた時などは、調教師の先生方も気を遣ったみたい。でも、いまの時代は「1頭の馬で何人乗っているの」という感じですから。
[西]もうバンバンですからね。ただ、癖がある馬というか、それぞれの馬の性質なんか分からないだろうなと思うんですよ。それでも勝つ馬は勝つんでしょうけれど。
[武]確かに、ひと癖もふた癖もある馬はそうでしょう。長年、と言ってもたった10年ですけれど、やってきたなかで、そうは思うんですよね。
[西]ブッチャけさせていただくと、逆に僕自身が考えて、乗り替わりを判断したのは……。
初回ということであまり長くなってしまっては、と思っていながら、ついつい長くなってしまいました。どうもすみません。とりあえず、第1回目はここで中断させていただきます。
武士沢さんの人柄が伝わるようにと一流のギャグまで載せさせていただきました。来週以降、シルクヒーロー、トウショウナイト、そして新婚生活とブッチャけ対談が続きます。
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