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ブッチャけモード全開! 武士沢騎手との対談・中編です!
2009.03.19

先週の武士沢騎手との対談(前編)について、読者の方々からたくさんのメールをいただきました。

対談のエースとして温存したのは間違いじゃなかったと思いながら、やはり本当にみなさんの暖かい愛を感じ、ただただ感謝するばかりです。

みなさんからいただいたメールの中に、何人かの方から(菊池)憲太について「大丈夫ですか」、「どうしていますか」といった内容のものをいただいていました。実は3騎手対談が掲載されて以降、同じようなメールを結構いただいていたんですよね。

その憲太は、所属という形でこそないものの、尾関厩舎の調教を手伝いながら頑張っています!

障害馬の調教にも跨っており、ひょっとすると競馬というチャンスもいただけることになるかもしれません。

決して平坦な道ではないはずですが、憲太にも何とか頑張ってもらいたいです。もちろん、僕自身も頑張りますよ。

ということで、ブッシーとの対談2回目をどうぞ。


[西塚信人調教助手(以下、西)]ブッチャけさせていただくと、逆に僕自身が考えて、乗り替わりを判断したのは、武士沢さんだったんですよ。シルクヒーローが阪神で出走したあの時。生まれて初めての経験でした。色々な話をいっぱいしましたが、あの時だって賛否両論ありましたからね。

[武士沢友治騎手(以下、武)]話したね。でも、あの時にも言ったように、同じように関西に使いに行くシチュエーションに置き換えて、あるいは思い出してみた時、本当に行きたいと思ったら「行く」と言うし、行くと思う。あの時は、1000万円下が混んでいて、出走できるかどうか分からない状況だったし、ブッチャけ、こちらの馬たちを犠牲することになるわけで、それこそ博打になっちゃうわけですよ。

[西]そうですよね。シルクヒーローが除外になって、1、2頭くらいしか乗れず、下手したら赤字で帰ってくることも十分あり得ましたからね。

[武]少なからず、そこは乗り役も考えますよ。

[西]でも最初は、ジョッキーの人たちがどう考えるのかとか、どう付き合っていくべきなのか、ということが分かりませんでしたから。そういう意味でも、武士沢さんにはいろいろ教えてもらいました。

[武]そこはズバリ、サバサバしたジョッキーと付き合うのが一番。

[武・西](爆笑)


[西]そうですか。

[武]そうです。固執し過ぎてもダメだし、かと言って何でも構いませんでもダメなんだけどね。

[西]確かに固執し過ぎる人もいます。

[武]いるんだろうけど、そうなると付き合うのが難しくなる。そうでしょう。

[西]確かに。

[武]この世界でそこまで信念を貫くというか、拘りを持つということになると、いまの時代には重過ぎる。

[西]ブッチャけ、そういう状況の中で、武士沢さんはお手馬的な存在と言いますか、継続させてもらっている馬たちが結構いますよね。アルコセニョーラにしても、いまや主戦ですから。


[武]本当に感謝ですよ。新潟記念の会心のレースにしても、続けて乗せていただいていたからこそですし、ベンチャーナインにしても乗り替わりになったけど、その後また乗せていただけるということですからね。そして、トウショウナイトもそうでした。でも、僕自身の中でも、たまに分からなくなる感覚がある。

[西]何がですか?

[武]自分の中で、それぞれの馬に、毎回、工夫をしているんですよ。外からは顕著な変化としては見えないかもしれないですけれど。1回目に乗ってこうではダメなんだという感覚があって、次はこうしようと思ってそうするんだけれど、またダメだった時にまた違った感覚を覚えることになるわけですよ。それが重なっていった時に、そうなんだと思うし、もし他の人が乗ってみたらどういう動きをするのかなと思うことが、もうブッチャければ、ある。

[西]それって乗り替わりということですよね。

[武]いや、重たいし、すげぇ重たい。勝たれてしまったら、自分が否定されてしまう感じになるわけですよ。どんな風に乗るのか、ドキドキしながら見てた。

[西]自分より完璧に上手く乗られたらどうしようかってね。

[武]というか、それまでに自分がしてきたことが全部「無」でしょう。

[西]そうですよね。

[武]そうやって主張してきた部分もありながら、そういう部分がまったくなくなるみたいな感覚になるわけですよ。いっぱい考えさせられたし、いっぱい付き合ったと言ったらおかしいけど、勉強させてもらったということで言えば、トウショウナイトはすごく重かった。

[西]トウショウナイト。いきなりいっちゃって、いいんでしょうか。

[武]あれっ、シルクヒーローですか?

[西]それについても後から話をしてもらいますが、聞いちゃっていいのですか。

[武]そう言いながら、どちらにしても聞くんだから。

[西]逆に、トウショウナイトについては、飲んだ勢いではできないから、今度、素面の時にということで2回目でも良いですよ。

[武]それでいく?

[西]いや、俺もトウショウナイトが不慮の事故に見舞われた時のことは、いろいろな意味において思い出深いですから。

[武]メールが大変なことになっちゃったんでしょう?

[西]はい。ウチの親父が死んだ時に次いで多かったですから、2位ということになります。それこそ2チャンネルに『西塚の息子ブログで吠えている』と書かれたんだから。

[武]G1に向けて、最終追い切りだったということもあるんだろうけど、トウショウナイトだけが大きく扱われた印象は受けたよね。

[西]レース中など、違うシチュエーションだった時は、変な言い方だけれど、あそこまで大きくは扱わないですからね。ただ、G1へ向けての最終追い切りというタイミングでしたし、しかも上向いてきていて穴人気的な存在として注目度もアップしてましたから。

[武]下手な話、年齢的にここがラストチャンスかなという思いはあった。スタッフの人たちと一緒に仕上げに参加させてもらっていて、完調というか、これならば悔いなく勝負に行けるというところまで仕上げていってたんですよね。そうしたらああいうことになってしまって、状態が良い時こそ逆に恐いんだと痛感させられた。

[西]そうだったんですね。

[武]これはポリシーじゃないけれど、馬に跨ったならば、歩様なり、リズムなりを感じるように意識するというか、できる限り感覚を研ぎ澄ます、と思い続けているんですよ。デビューした時から、たとえ分からなくてもやろうと思って、いままで怠ったことはない。あの時も。

[西]そういう感覚とかは全然なかったんでしょう?

[武]歩様がおかしいわけでもなかった。まったくなかった。

[西]普通にこんなディープな話を聞いちゃっていいですかね。

[武]ディープインパクトだよね。でも、生き物だね。分からない。そう痛感させられました。

[西]そうだったんですね。でもブッチャけた話、あの報道に対しての憤りというのは、俺自身はありました。あの時にも書いたんだけれど、みんなもの凄く仲間ぶるわけですよ。マスコミの人たちがね。もちろん僕自身、仲良くしている人たちもいるんですけれど、あの報道に対しては憤りを覚えた。そういう思いってありましたか?

[武]あった。でも、そこまで批判する元気がなかったというのが正直な気持ち。あぁ、やりやがったな、とは思ったからね。でも、そこで吠える元気が出てこない。

[西]でしょうね。

[武]それでまた聞きに来るわけ。あの状況で、俺に何を聞くって言うのよ。ブッチャけ、元々というか、乗り役の多くは報道に敏感なところはあるよね。ナーヴァスだったりするし、それこそ不信感を抱いていたりするわけですよ。俺もそういうところはある。ジョッキーとして話をするのも大切な役割だと認識はしていますよ。でも、あの状況で話はしたくなかったし、あの後も話したくはなかった。もちろん、競馬を盛り上げてもらっていると思っているし、応援もしてくれているし、助けてももらっているんだけれど、それでもあの取り上げられ方はないと思った。

[西]こういう話を僕が言っていいのかとは思うけれど、僕の感覚で言うと、事故の後、馬運車で引き上げてきた武士沢友治を捕まえて何を聞きたいんだと思うわけですよ。そこなんですよ、そこにはセンスも感じないし、怒りを覚える。報道する義務があるのは分かる。それなら、『事故に見舞われた』でいいと思うんですよ。百歩譲って、それでもひと言をほしいのであれば、後にするべきでしょう。数秒前にアクシデントに見舞われてしまったばかりなわけだから。

[武]上がってきて、スタンドに向かう途中で聞かれても、『何?』っていう感じだった。

[西]それが毎日のように顔を合わせて、職種は違え、同じ職場で働いている人たちなわけですよ。

[武]正直、放っておいてくれと思った。

[西]もし僕がその立場でも、そう思うって。上がってきた直後に聞かれたって、何も言葉が出ないって。

[武]ショックを受けているのは、俺だけではなく、先生、厩務員さん、厩舎スタッフ、そしてもちろんオーナーなんですよ。でも、あのような出来事に見舞われるとは夢にも思っていないし、衝撃は大きかった。もちろん、故障とか競馬、あるいは調教で経験はあるんだけど、マジで辞めようかなぁと思った。簡単に言ってはいけないのは百も承知。でも、絶望を覚えずにはいられなかったのは本音ですよ。前が見えなくなったから。

[西]あの直後に、偶然、飲む機会があったじゃないですか。でも、あの時は落ち込んでいるというか、話を聞いていたら、正直、この人辞めちゃうんじゃないかと思った。

[武]もちろん、トウショウナイトだけで、他の馬にはそう感じないわけでは決してないですよ。でも、トウショウナイトはデビューする前からずっと乗せてもらってきていたわけで、先ほどの話じゃないですけれど、いまの時代、そんな経験はなかなかさせていただけませんからね。

[西]そうですよ。なかなかできないですよ。だいたいちょっと走ったらすぐにクビですからね。

[武]ほんと。俺、いつクビになってもおかしくないと思っていたから。また、投票システムとか一気に変わった時期でもあったから、連勝してオープンまで上がって行った時だったか、『ああ、俺ここで乗り替わりになっちゃうんだろうな』と思った。

[西]そうなんだ。

[武]そういう思いはずっとあった。『いつ乗り替わりと言われちゃうんだろう』という不安が増大したんですよね。だから、もう一回一回が勝負というか、もう明日はない状態だった。いやぁ、ほんと手放したくねぇって思ったよね。

[西]そう言えば、あの直後あたりに一度、藤田さんに乗り替わりになったじゃないですか。

[武]結局、キコウを骨折することになってしまったんだよね。

[西]あの時の乗り替わりは武士沢さん自身では、スンナリと受け入れられたんですか?

[武]というか……


中編はここまでとさせていただきますが、いかがでしょうか。

ちなみに、僕は日本酒モードに突入していて、さらにブッチャけモード全開に、併せ馬をするように武士沢さんも饒舌になってまいりました。

次回以降をお楽しみに。

あっ、最後に、失礼かとは思いますが、今回登場していただいた武士沢さんファンの方々、特に女性の方々のメールの多さに、驚くとともに、ちょっと羨ましくも感じてしまいます。

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