格好良過ぎる一成との対談・最終回です!
2009.05.28
今日(28日)、浦和でエフテーララーヤが出走しました(マルチウィンド特別)。体重も増えていて状態も良かったんですけれど、残念ながら2着に負けてしまいました。
いやぁ、勝てないです。エフテーララーヤはいつもいいところまでは来るんですけど勝てなくて、今回もこれならという出来だったんですけど…。でも、これにめげずに頑張ります。
さて、先週、ここで呼びかけさせてもらった村田(一誠)さんから、実名でメールが届きました(笑)。「よろしくね!いつにする?どこにする?ギャランティは?来週はオークスの勝ち祝いがある予定だから忙しいかもしれないけど、まかせるわー」というもので、念のためご本人に確認したところ、間違いありませんでした。
ということで、次回の対談のゲストは村田さんにお願いすることになりましたので、皆さん、質問等をメールでたくさん送ってください。待ってます。
それでは、鈴木助手との対談の最終回をどうぞ。
[西塚信人調教助手(以下、西)](秋華賞の頃は)何とも言えないピリピリ感があったよね。
[鈴木一成調教助手(以下、鈴)]ブッチャけ、俺的にも煮詰まっていた。
[西]執念じゃないけど、何とかするぞ!という思いが伝わってきたんだよ。でも、その思いが実は大事というか、ドラマを生んだりするんだよな。俺は、田辺がエフテーストライクで勝った時(伊吹山特別)がそうだったと思うけどさ。これでダメだったら、どうにでもしてくれというか、責任を取れっていうなら取ってやるという覚悟ってホント大切だと痛感するんだよね。競馬だけではないのかもしれないけど、そういう思いの大切さを感じるんだよ。
[鈴]俺もそうだと思う。
[西]お前がブラックエンブレムなら、俺は一生忘れないのはエフテーストライクが勝浦特別を勝った時。直接攻め馬には乗らなかったけど、深野(茂雄)さんを競馬場に呼んでさ、何としても勝たなければならないというか、極端な言い方をすれば、その思いしかなかった。
[鈴]気持ちが乗り移るというか、そういう状況はあるよね。
[西]普段からビッチリと、先生から細かく指示が出る形で運営されている厩舎なのに、栗東に滞在して2頭の調整をしていたわけじゃない。しかもG1だったわけで、相当なプレッシャーだったと思うよ。ブッチャけ、これで負けたら、辞めるぞって、覚悟していただろ?
[鈴]正直、いまだから言えるけど、あった。
[西]やっぱりね。そして、勝っても辞めてやるという覚悟もしていたんだから、どちらにしても辞めるって言ったんだけどな(笑)。
[鈴]そうね。って、違うから(笑)
[西・鈴](大爆笑)
[鈴]いやぁ、でも、栗東へ行く前から、『お前の頑張りに期待しているぞ』という言葉があって、本当にプレッシャーはあった。
[西]あのとき、ブラックエンブレムが函館に入った時に函館に行って、そして美浦に帰ってきたと思ったら、今度は栗東だったからね。いやぁ、リナちゃんが生まれたばかりで、本当に大変だったと思うよ。
[鈴]まあ、それは関係ないけどね。
[西]でも、正直なところ、「あれっ? 一成のところは子供が生まれたばかりということを気が付いていなかったのかなぁ」って思ったよ。
[鈴]確かに子どもと一緒にいたいと思ったよ。でも、(小島先生から)そう思ってもらえるのは光栄なことだし、さっきも言ったけど、ここで言ってはいけないと思ったんだよ。実際にそういう覚悟を持って頑張ったから、あのような素晴らしい結果につながったという部分は、少なからずあったと思うしね。もっと言えば、先生はあえて、執念というか、そういう思いを持つような状況を作り出したのかもしれなかったわけだよ。
[西]そこまで考えていたら、すごいな。今度、機会があったら小島先生に聞いてみるよ。いやぁ、絶対にここに呼びたいんだよね。
[鈴]来てくれると思うよ、小島先生は。
[西]いやぁ、個人的にはいちばん話をしたい人だね。
[鈴]まあ、何度も言うけど、本当に2ヵ月じゃ足らないかもしれないぞ(笑)。
[西・鈴](大爆笑)
[西]今度、お願いしてみよう。でも、厩舎が変わって、いまじゃ俺の方が仕事が終わるのが遅くなっちゃったけど、この前、お前がリナちゃんの手を引いて夕方に散歩しているのを見た時に、これはこれでひとつの幸せの形だと思ったんだよ。
[鈴]確かに、自分の時間は増えた。
[西]それはそれで良いことだと思うし、それは誰にも否定できないことだから。
[鈴]本当に小島先生にお世話になったことは財産だし、感謝しているよ。正直、ブラックエンブレムが現役のうちはとも思ったんだけどね。
[西]転厩の話に戻っちゃうけど、奥さんに相談はしたの?
[鈴]した。ただ、あなたのやりたいようにしなさいってだけだった。
[西]でも、一成がブラックエンブレムの追い切りの相手とかをしてテレビに映っているのを見て、あそこで俺が「大学は地元にして馬乗りを覚えろ」って言ったからこそ、いまがあるんだと思ったね。
[鈴]なんだよ、そんなことを思ってたのかよ(笑)。
[鈴]ただ、水野馬事センターで馬乗りを教えてもらったからこそ、いま角馬場で長アブミでハッキングを乗れるわけですよ。
[西]だから、俺のお陰だろって(笑)。
[鈴]いい加減にしろって(苦笑)。
[西]ハッキングと言えば、結構、長アブミで乗れないという人いるよね。俺も人のことを言えるレベルじゃないけど、やはり牧場のときにビッチリ教え込まれたから、長アブミは抵抗なく乗れるんだよね。
[鈴]そう、そう。牧場にいた先輩たちに『長アブミは大事だぞ』って散々言われていたんだよ。あの頃は、どういう意味なのかわからなかったけどね。
[西]また、短い方が上手いと勘違いできちゃう。でも、実はホントに大事なんだよね。
[鈴]それに短い方が乗りやすかったりするでしょ。でも、調教助手の僕たちは、口向きをつくったり、ハミ受けを教え込むこともしなければならないわけで、そのとき長アブミで馬を御さなければならない。だから、長アブミが大事になるわけですよ。そうして教え込むことができて初めて、実際の競馬で騎手の人たちがあの短いアブミで乗れるわけだからね。
[西]お前、本当に良いこと言うなぁ。でも全部、小島先生が言っているんだろ。『いいか、カズ』とか言ってさ。
[鈴](爆笑) いや、違うって。もちろん、パーフェクトにハミ受けとか口向きができていると言い切れない部分もあるけど、我々がつくらなければならないという意識は持っているつもり。
[西]俺はそこまでつくった感はないけどな。
[鈴]だから俺だって、どこまでできているかわからないって。ただ、自信を持って騎手の人に渡したいじゃない。開業当初から、小島先生に言われていたのが、『勝ったにしろ、負けたにしろ、乗りやすかったという言葉こそ助手への誉め言葉だぞ』ということなんだよ。常にそういう意識は持ってきたつもりだし、調教助手である以上こだわりたい。攻め馬で乗りづらい馬が、競馬で乗りやすくなるわけがないんだから。
[西]そうだよな。より厳しい状況になるんだからな。確かに口向きとかは大事だよね。でも一成、格好良過ぎるだろ(笑)。
[鈴]そんなことねぇよ(笑)。ただ、そういう意識をこれからも持って頑張っていくよ。
[西]明日も早いし、今回の対談もそろそろまとめたいんだけど、ズバリ、調教師を目指すの?
[鈴]受験するかしないかは別にして、正直、やってみたいとは思う。ノブは?
[西]うんん、やってみたいという思いはあるけど、まだ考えられないというのが正直な気持ちだね。万が一にもお互いが厩舎を持ったら、また隣になるようにしようぜ。
[鈴]いいねぇ。『ノブ、まだ仕事してんのかよぉ』って言ってやっからな。
[西](爆笑) あっ、もう22時かよ。明日2時だから、あと4時間しか寝れないじゃねえか。また機会があったら出てくれ。じゃあ、帰るぞ。
[鈴]おう。

ということで、いかがだったでしょうか。まあ、腐れ縁という関係で、一緒に酒を飲んでは競馬の話や馬鹿話をしてはいるものの、ふたりでこのような形で酒を飲むのは初めてだったんですよね。
繰り返しとなってしまいますけれど、皆さんには我々関係者たちは、普段、このような話をしながら酒を飲んでいるということを知っていただきたく、鈴木一成調教助手に登場してもらったのでした。
いずれ、それこそ小島先生と一緒に、また出てもらってもいいかなと思います。
さて、今週、尾関厩舎からはチャンスにいちばん近いと言われるノボジュピター(牡3)が出走します。今度こそ勝ってくれると信じていますので、皆さんもぜひ応援をよろしくお願いいたします。
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