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今週からは、『凄い男』・西田騎手との対談がスタートです!
2009.10.15

先週は競馬がなく、土、日ともに攻め馬に励む週末だったのですが、今週は変則のため翌日の月曜日が仕事で、翌火曜日が全休日だったのです。

なぜかと言うと、厩務員組合のレクリエーションということで、希望する人たちは長崎旅行か、あるいはゴルフ大会が行われたためでした。

僕はどちらにも参加していないのですが、実は秋華賞をはじめ当該週に出走を予定している馬たちは、火曜日に調教を行うことができたのです。

僕自身はお休みをいただいたのですが、その状況の中で、何も月曜日に全員が揃って休む必要はないと思ったんですよね。

例えば、日曜日に走った馬は月曜日に引き運動を行い、火曜日に休むとか、あるい出走馬がいないために日曜日に休むとか、それぞれの厩舎で選べるようなシステムもありなんじゃないかと思ったのですよ。もちろん、あくまで馬に合わせてということになるのですが…。

さて、今週からは、読者のみなさんからリクエストをいただいていた西田雄一郎騎手との対談をお送りいたします。それではさっそくどうぞ。

[西塚信人調教助手(以下、信)]今日はお忙しいところ対談にご登場いただき、ありがとうございます。よろしくお願いいたします。

[西田雄一郎騎手(以下、雄)]こちらこそ、よろしくお願いします。


[信]西田さんとの初めての出会いというのは、(自厩舎の)クレメントベアードで仕事をさせていただいた時ではなく、サクラエイコウオーで七夕賞を勝った時(96年)なんですよ。

[雄]競馬場に行っていたんだ?

[信]そうなんですよ。

[雄]大塚(栄三郎)さんが乗って3着になったグロリーシャルマンは西塚先生のところだったからね。そう言えば、西塚厩舎の攻め馬服って、グロリーシャルマンの勝負服と同じデザインじゃなかった?

[信]そうです。でも、僕が入ってから変えたんですよ。調教厩務員さんの中には、あれを気に入っていると最後まで着用していた人もいましたが、基本的には僕が変えちゃいました。というか、前から思っていたんですけど、メチャクチャ競馬詳しいですよね。

[雄]競馬好きだから。

[信]よく知っていますよね。

[雄]オタクですよ。

[信]間違いなくマニアックなところまで知っていますからね。

[雄]そちらから入ったというか、高校生の時に競馬オタクな友人がいて、そいつに教え込まれたんだよ。血統とか好きになって、教科書に勝負服とか落書きしていたからね。

[信]入る前からですか(笑)。

[雄]黄色に黒縦縞とか、青と銀の歯形模様とか、様々な勝負服を、数学の教科書とかにビッシリ描いちゃってたよ。

[信]そうだったんだあ。

[雄]夢中になり始めたのが、ちょうどトウカイテイオーがダービーを勝った頃で、馬の名前を初めて意識したのがシンボリルドルフだった。だから、デビューした時にシンボリさんの勝負服を着た時や、デビューした当時によく中村均先生のところに乗せてもらっていたのでトウカイの内村正則オーナーの勝負服に袖を通した時は、超ミーハーにならずにいられなかったよ。できることなら記念撮影したいくらいだったから(笑)。


[信]そういう気持ちって、ありますよね(笑)。でも、高校に2年間行かれてからこの世界に入ったというのには、何か理由があったのですか?

[雄]1年生の時に騎手になりたいと思ったんだけど、その時には試験が終わっちゃっていたんだよね。

[信]あっ、そういう理由だったんですね。野球をやっていたということですが、乗馬はやっていらっしゃらなかったんですか?

[雄]最後の頃、本当に触り程度という感じだった。いまで言えば、駆け足程度のレベルまでしかやったことがなかったね。

[信]そうですか。それにしても競馬の詳しさということで言えば、なかなかいないレベルですよね。

[雄]当たり前のことだけど、レースリプレーは、毎週全場、最悪でも関東と第3場は絶対に見るようにしている。

[信]そうでしょうね。話していれば、分かりますよ。みなさん見ていらっしゃるんでしょうけど、西田さんはなかなかいないレベルですから(笑)。

[雄]でも、見過ぎて失敗しちゃうこともあるからね(笑)。

[信]あっ、そうですか。

[雄]この前も、速いけれど止まってしまう馬がいたんだよね。いつも直線に向くとパタッと止まっていたから、今回もそうだろうと思っていたら、まんまと逃げ切られてしまったことがあった。もし知らなければ、楽に行っていったから、確実に自ら動いて負かしに行っていたはずで、そういう意味では知らない方が良いこともあるんだよね。

[信]新潟や福島といったローカル開催の芝1200mとかダート1700mの500万下は、常連の戦いとなることが多いですよね。

[雄]そう、そう。また同じメンバーか、みたいな感じだったりするよね(笑)。

[信]地方競馬張りに、似たメンバーでの戦いとなるので、否応なしに覚えてしまいますよね(笑)。僕たちも想定を見て、「あの馬はどうせ終いが甘いから」というような判断をすることがありますし、知ってしまうからこそ隙が生まれるという部分はあるんでしょうね。

[雄]もちろん競馬は生き物だから、逃げ馬が出遅れれば展開が変わるし、ゲートを出てみないと分からないわけで、その一瞬、一瞬で判断しなければならない。ただ、知っていることで、無意識に先入観を持ってしまっていることはあるよ。

[信]話が前後しちゃいますが、クレメントベアードの時には本当にお世話になりました。あれほど歩様が悪かった馬は、僕の経験が少ないからかもしれませんが、間違いなくベスト3に入ります。

[雄]大丈夫、いまでもそういう馬を担当しているから(笑)。

[信]いやぁ、もうブッチャけちゃいますけど、乗っていて本当に怖かったですからね。こういう言い方をしたら失礼ですが、西塚厩舎の中でも歩様の悪い馬ばかり乗っていた僕が「これは無理」と思いましたから。責任も感じましたが、あの時はオーナーサイドと話をして、『もう西田で駄目なら、乗る人間はいない』という結論に達したんですよ。

[雄]そうだったね。でも、歩様が分からないと思われたら困るよ。『アイツは歩様が分からないから乗せておけ』とかね(笑)。

[信]そうわけじゃないですから(笑)。僕自身は、西田さんから『無理』って言われると覚悟していましたよ。

[雄]ビジネスチャンスだと思ったんだよ。それまでに西塚厩舎とも関わり合いがなかったし、オーナーである加藤信之社長とも接点がなかったからね。

[信]個人的には競馬場で話をしたり、南のスタンドで休憩していて、顔見知りとなって、会話を交わすことはしていましたが、一緒に仕事をしたのは、あの馬が初めてでしたね。

[雄]でも、あの馬は怖かった。

[信]あの馬は西田さんが乗った一発目がいちばんヤバかった。あの後、大庭とかも乗りましたけど、全然大丈夫になっていましたからね。一発目はヤバかったといまでも思いますよ。

[雄]結構、ヤバかったよ。

[信]よく乗っていただきました。

[雄]ただ、ヤバかったけれど、壊れないなというレベルだったから。

[信]ソエという原因が分かっていた部分はありましたか?

[雄]それもあった。あとは、馬はそれほどヤワじゃないという思いからだよね。確かに勝負にはならないけど、競馬をしてくるだけなら大丈夫だろうという感触はあった。

[信]ビジネスチャンスという言葉が出ましたが、ビジネスということで言うと、歩様の悪い馬でも乗るところから信頼を得て、そこからチャンスを得ていくということってありませんか? 『西田に悪いから、今度はまた違う馬に乗ってもらおう』というような感覚になるはずだと思うんですよね。

[雄]正直な話、騎手を一度辞める前というのは、騎乗数も結構あり、それなりに勝ち星も挙げることができていた。自分の中では、戻ってきたら、いきなりは厳しくても、時間とともにそれなりに乗せてもらえるようになるだろうと、おごっていた部分があった。実際、5~6年ぶりに戻ってきても、また乗せていただいている方々もいますし、本当にありがたいと思う。ただ、ただでさえ厳しい時代となって、やはり騎乗数自体もなかなか確保できていないし、勝負になる馬というのも当然少なくなってしまったよね。もっと乗れると思っていたのに、乗れていない自分がいる。そうなると、誰かが乗らないといけないという馬でも乗っていかなきゃならない。

[信]そういうことですよね。

[雄]自分自身のセールスポイントということですよ。馬でもスタートが速いとか、長く良い脚を使うとか、何かセールスポイントがあれば、未勝利や500万を勝ち上がることができる。乗り役も同じで、何かセールスポイントがないと駄目だということだと思う。

[信]ブッチャけさせていただくと、クレメントベアードで初めて仕事をさせていただいた時、失礼な言い方をしちゃいますが、『この人、商売を分かっているよ』と思ったんですよね。自分なりにいろいろなジョッキーの方々をはじめ、様々な方々とやり取りをさせていただいていると、それぞれのスタイルというのがあるのが分かるんですよね。個人事業主であり、簡単に言えばひとり社長なのですが、電話をしてこない人もいれば、毎日大仲に来る奴もいるし、お世辞を言ってくる奴もいれば、乗りたくないと言う人もいるわけですよ。その中で、西田さんは洗練されていると感じました。


[雄]高校へ、しかも2年行ってから、この世界に入っているでしょう。馬乗りってセンスという部分もあって、始めたのが若ければ若いほど順応するというか、身に付いていく。自分自身、人よりも遅く馬乗りを始めたということに加えて、競馬学校の成績も良くなかったし、自分自身でもセンスがないと思っている。根底にそういう部分がある中で、じゃあどうしたら良いかというと、頭を使うしかない。それは競馬学校の教官に言われてね。競馬と馬乗りは別だと思っているし、競馬は数も見ているし、乗ってきているから、それなりの思いはある。でも、根本的な馬乗りのセンスはないと思っているから、騎乗数を確保するにはと考えたら、頭を使うしかないということになるよね。

[信]覚えていらっしゃるかどうか分かりませんが、クレメントベアードの時に『一世一代のゲート試験だ』とか言いながら、危ない状況の中でゲート試験を受けましたよね。

[雄]あの時は、正直、危ないと思った。ただ、最後は「転倒した時はした時だ」と思ったし、逆に「転ぶまでやってやろう」という思いでやっていたよね。

[信]そうでした。『西田さん、危なかったらやめてください』って言っても、やめなかったですからね。そして、無事合格して、何とか出走に漕ぎ付けたわけですよ。ところが、そこまでやっていただいたにも関わらず、当初出走を予定していた東京のレースが、頭数がいっぱいで出走できないということで、突然、福島に変更という話が出たのです。あの時、西田さんの番組を見ると、ある程度クレメントベアードのひと鞍も当てにされていて、東京で騎乗されるという状況に見えたんです。しかし、実はその部分は僕がどうすることもできないという現実があって、それを西田さんは分かっていて、その対応の素晴らしさは忘れられません。むしろ恐さを覚えるくらい『凄い』と思いました。普通、あれは怒る場面ですから(苦笑)。

[雄]そういうこともあったね(笑)。

今週はここまでとさせていただきましょう。

話にも出てきたように、西田さんは騎手としてはとても珍しいタイプと思っていて、これまでにもスタンド等で話はしていたのですが、機会があればじっくりと話を聞きたいと思っていたのです。

テンから西田さんもブッチャけモードになっていただけ、最後に向けてさらに加速していきますので、来週以降もどうぞ楽しみにしていただければと思います。

あっ、あと、「ノビーズ」のライヴの日程が決まりましたので、お知らせさせていただきます。11月29日(日)に新宿・ロフトプラスワンで行います。詳細は『サラブレモバイル』のニュース欄に掲載してもらいましたので、確認していただければと思います。

それと、「ノビーズ」のTシャツを販売する件ですが、10月22日(木)からエンターブレインの販売サイト(ebten・エビテン)で行ってもらうことが決定しました。こちらの方も、どうぞよろしくお願いいたします。

ということで、最後はいつも通り、『あなたのワンクリックがこのコーナーの存続を決めるのです。どうかよろしくお願いいたします』。

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