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フィリーズレビュー(G2)
阪神11R 芝1400m 15時35分発走予定
今開催の中山は毎週、雨の影響を受けていて、3週目にして芝の内寄りは傷み気味の傾向。今週も土曜は雨の影響が残って、重めの攻防が続きました。直線は中~外が伸びました。
対して、阪神の芝は中山とは違って、今週もさほど雨の影響を受けず、土曜1R時点で「良馬場」でスタートしました。日曜も好天予報なので、フィリーズレビューは絶好の良馬場で行われるのは間違いないでしょう。
土曜のレースで印象的だったのは9R・ゆきやなぎ賞(芝外回り2400m)を勝った3番人気ショウナンラプンタのコース取り。道中5番手から4コーナーでは最内を突いて最後まで伸びました。少頭数7頭立てで、アバウトに中~外を回しても良さそうですが、内寄りの傷みがほとんどなく、コースロスなく運びたい騎手心理もあったのでしょう。前半5F63秒3の超スローペースだったとはいえ、ショウナンラプンタの上がり3Fは33秒4。かなり切れる脚を使いました。上がりの時計が掛かっている中山とは対照的な直線の伸び方です。
フィリーズレビューの過去10年の枠順別成績(2019年は①着同着)は以下の通り。
桃帽の8枠から優勝したのは2015年クイーンズリング(1番人気、馬番17番)と2017年カラクレナイ(2番人気、馬番16番)。両馬とも上位人気に支持されていたように、外枠を克服しうる力があった馬でした。2021~23年までの過去3年は京都競馬場の改築工事に伴い、フィリーズレビューは5週目に行われていて、イレギュラーな開催でした。
特に昨年は珍しい「ふた桁馬番」のワンツー決着(馬番12番シングザットソング、馬番15番ムーンプローブ)でしたが、今年は通常に戻って開催3週目の施行で、かつ内寄りの芝も悪化していないとあれば、内枠優位になる公算は大きいです。
1200mを使ってきた馬の多いフィリーズレビューは、マイルの本番目標もいる半面、ここに全力投球の「スプリント型」が集まるのも特徴。前傾ラップになる年がほとんどで、実際に「差し馬」の台頭が目立っています。
過去10年の優勝馬の最終4コーナーの位置は以下の通り。
一昨年(2022年)は馬番4番の2番人気サブライムアンセムが4コーナー11番手から優勝。②着の1番人気ナムラクレアは同9番手でした。差しタイプの活躍が顕著。逃げ切りは至難。好位につけて粘りたい持続型は苦戦傾向になっています。
芝1200mで勝った経験がある馬が6頭。そして、前走でハナを主張した馬が阪神JFで逃げたシカゴスティングに加え、オアシスドール、ポエットリーの3頭。芝1200mで好位付けできるだけのスピードがあるエトヴプレ、カルチャーデイの動向も気になるところ。激しい先行争いはないにしても「内&前優位」の今の馬場状態から、前&好位で運びたい馬が多いでしょう。
1番人気となりそうなコラソンビートは逃げ切った6月の東京未勝利戦を除けば、道中は4~6番手のイメージ。枠順も絶好の白帽1番枠。あまりに好走条件は整った感はありますが…。
フィリーズレビュー(G2)
阪神11R 芝1400m 15時35分発走予定
阪神JF③着のコラソンビートに好条件は整ったのを承知のうえで、◎バウンシーステップの決め手に懸けます。馬群を縫える根性も兼備していて、阪神芝内回り1400mは実際に未勝利戦を勝っているように絶好条件なはず。穴は内枠&絶好馬場で巻き返しがある▲ロゼフレアをピックアップしたいと思います。
阪神11R 芝1400m 15時35分発走予定
目次
- 今週の阪神の馬場
- フィリーズレビューの枠傾向
- ラップ傾向
- 今年の展開と出走馬傾向は?
- 予想印入り出走表
- 有力馬・気になる馬の評価(無印含め12頭を解説)
- 万哲の決断馬券(買い目)
【今週の阪神の馬場】
今開催の中山は毎週、雨の影響を受けていて、3週目にして芝の内寄りは傷み気味の傾向。今週も土曜は雨の影響が残って、重めの攻防が続きました。直線は中~外が伸びました。
対して、阪神の芝は中山とは違って、今週もさほど雨の影響を受けず、土曜1R時点で「良馬場」でスタートしました。日曜も好天予報なので、フィリーズレビューは絶好の良馬場で行われるのは間違いないでしょう。
土曜のレースで印象的だったのは9R・ゆきやなぎ賞(芝外回り2400m)を勝った3番人気ショウナンラプンタのコース取り。道中5番手から4コーナーでは最内を突いて最後まで伸びました。少頭数7頭立てで、アバウトに中~外を回しても良さそうですが、内寄りの傷みがほとんどなく、コースロスなく運びたい騎手心理もあったのでしょう。前半5F63秒3の超スローペースだったとはいえ、ショウナンラプンタの上がり3Fは33秒4。かなり切れる脚を使いました。上がりの時計が掛かっている中山とは対照的な直線の伸び方です。
【フィリーズレビューの枠傾向】
フィリーズレビューの過去10年の枠順別成績(2019年は①着同着)は以下の通り。
枠番 | 着別度数 |
1枠 | [3.0.1.15] |
2枠 | [0.1.0.19] |
3枠 | [4.0.1.15] |
4枠 | [0.2.2.16] |
5枠 | [1.2.2.15] |
6枠 | [1.1.0.18] |
7枠 | [0.3.4.21] |
8枠 | [2.0.0.26] |
桃帽の8枠から優勝したのは2015年クイーンズリング(1番人気、馬番17番)と2017年カラクレナイ(2番人気、馬番16番)。両馬とも上位人気に支持されていたように、外枠を克服しうる力があった馬でした。2021~23年までの過去3年は京都競馬場の改築工事に伴い、フィリーズレビューは5週目に行われていて、イレギュラーな開催でした。
特に昨年は珍しい「ふた桁馬番」のワンツー決着(馬番12番シングザットソング、馬番15番ムーンプローブ)でしたが、今年は通常に戻って開催3週目の施行で、かつ内寄りの芝も悪化していないとあれば、内枠優位になる公算は大きいです。
【ラップ傾向】
1200mを使ってきた馬の多いフィリーズレビューは、マイルの本番目標もいる半面、ここに全力投球の「スプリント型」が集まるのも特徴。前傾ラップになる年がほとんどで、実際に「差し馬」の台頭が目立っています。
過去10年の優勝馬の最終4コーナーの位置は以下の通り。
4角位置 | 優勝馬頭数 |
1~2番手 | 0頭 |
---|---|
3番手 | 1頭 |
4番手 | 2頭 |
5番手 | 0頭 |
6番手 | 1頭 |
7番手 | 2頭 |
8番手 | 0頭 |
9番手 | 0頭 |
10番手以下 | 5頭 |
一昨年(2022年)は馬番4番の2番人気サブライムアンセムが4コーナー11番手から優勝。②着の1番人気ナムラクレアは同9番手でした。差しタイプの活躍が顕著。逃げ切りは至難。好位につけて粘りたい持続型は苦戦傾向になっています。
【今年の展開と出走馬傾向は?】
芝1200mで勝った経験がある馬が6頭。そして、前走でハナを主張した馬が阪神JFで逃げたシカゴスティングに加え、オアシスドール、ポエットリーの3頭。芝1200mで好位付けできるだけのスピードがあるエトヴプレ、カルチャーデイの動向も気になるところ。激しい先行争いはないにしても「内&前優位」の今の馬場状態から、前&好位で運びたい馬が多いでしょう。
1番人気となりそうなコラソンビートは逃げ切った6月の東京未勝利戦を除けば、道中は4~6番手のイメージ。枠順も絶好の白帽1番枠。あまりに好走条件は整った感はありますが…。
【予想印入り出走表 】
フィリーズレビュー(G2)
阪神11R 芝1400m 15時35分発走予定
馬番 | 印 | 馬名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 |
1 | ○ | コラソンビート | 牝3 | 55 | 横山武 |
2 | ▲ | ロゼフレア | 牝3 | 55 | 団野 |
3 | ◎ | バウンシーステップ | 牝3 | 55 | 菱田 |
4 | エトヴプレ | 牝3 | 55 | 藤岡佑 | |
5 | △ | カルチャーデイ | 牝3 | 55 | 酒井 |
6 | △ | シカゴスティング | 牝3 | 55 | 鮫島駿 |
7 | セシリエプラージュ | 牝3 | 55 | M.デムーロ | |
8 | オアシスドール | 牝3 | 55 | 松若 | |
9 | △ | レディマリオン | 牝3 | 55 | ムルザバエフ |
10 | ☆ | ドナベティ | 牝3 | 55 | 坂井 |
11 | マーシーラン | 牝3 | 55 | 和田竜 | |
12 | ジューンブレア | 牝3 | 55 | 武豊 | |
13 | ポエットリー | 牝3 | 55 | 永島 | |
14 | △ | キャンシーエンゼル | 牝3 | 55 | 松山 |
15 | オメガウインク | 牝3 | 55 | 岩田望 |
【有力馬・気になる馬の評価】
◎③バウンシーステップ
夏の新潟未勝利戦(②着、芝1400m)でシカゴスティングと接戦した時点でそれなりの下地はありました。良馬場の芝1400mに限れば、②①①着でいずれも上がり3Fは最速。前走・つわぶき賞(①着)は、メンバーレベルはそこまで高くはなかった印象ですが、1分20秒9の好時計で走破したことを評価したいです。例年のフィリーズレビューは「1分20秒台後半」で乗り切れば勝ち負けできます。母バウンシーチューンは2011年フローラS優勝馬ということで母系にも活力があります。絶好の内枠。今回のメンバーなら「中団差し」のイメージ。併せ馬では必ず先着する中間の追い切り内容も良く、差し比べで台頭を期待します。○①コラソンビート
先週のチューリップ賞を阪神JF⑦着のスウィープフィートが優勝したことからも、阪神JF組のレベルが高かったのは間違いないでしょう。その阪神JFで、本馬も1F長い印象のあるマイルながら「1分32秒8」の好時計で乗り切った点は高く評価できます。今回は他馬からの目標になる点が大きなポイントになりそう。今の馬場状態なら有利な「最内1番枠」が必ずしもプラスに働くかは微妙なところ。どう捌くか? インに押し詰まった時だけが不安です。▲②ロゼフレア
穴でピックアップしたい1頭。今回と同舞台だった昨年12月の万両賞(①着)は負かしたソンシが東京1勝クラスを楽勝したのに加え、自身の1分20秒7の好時計を評価します。1番人気に推された前走・紅梅S(④着)は、前開催の京都芝のボコボコした「低速馬場」で持ち味が活きなかった印象。京都よりも芝状態の良い阪神に戻って、時計勝負になれば、もっと走れると思っています。☆⑩ドナベティ
血統的にはスプリント型だと見ていますが、ファンタジーS(②着)は中団で折り合ってイン差し。前走・阪神JF(⑧着)は大外枠に加え、他馬に寄られる不利もあり後方からのレースになりましたが、最後は粘り強く伸びていました。血統的には距離短縮は大歓迎でしょう。前掲ラップの前崩れなら、差す競馬を行ってきたのが実を結ぶ可能性もあります。押さえたい1頭です。△⑤カルチャーデイ
阪神JF(⑯着)は道中力んだ様子もありましたが、結果的には距離が長かったと見ています。阪神の直線の坂は正直微妙だと思いますが、1400mで折り合って運べるようなら、ファンタジーSで「1分20秒4」を計時した実績からも好走は十分でしょう。理想を言えば、当日馬体が増えてくるようならプラスか。自身との闘いでしょう。△⑥シカゴスティング
逃げて粘った阪神JF(⑤着)は正直驚きました。小倉芝1200mのフェニックス賞を勝つぐらいなので、本質は1200~1400型でしょう。前にも行けて、差せる自在型。果たして、今回はどういう戦略を取るのか。爆発的な切れはなさそうに思える半面、持続力はあるので内回り向き。逃げて案外ピッチが上がらないケースでは要警戒。△⑨レディマリオン
小倉芝1800mの未勝利戦を勝ったばかりで、阪神内回り芝1400mとマッチするとは正直思いませんが、今週の追い切りは坂路で4F51秒9~1F11秒9の好時計。さらに一段動きは上がっていて、成長を感じます。今回のメンバー構成だと、道中は「中団付近」の差しになると思いますが、底力で浮上のシーンは一考。△⑭キャンシーエンゼル
前走・春菜賞(③着)でオメガウインクに完敗なので、常識的には狙えないでしょう。ただ、当時は休み明けで東京への長距離輸送。ゲートでつまずいて、本来はもっと前で運ぶイメージだったようです。速い流れで③着に粘った小倉2歳Sの内容は悪くなく、地元阪神に戻って叩き2戦目。馬体維持なら、狙う価値はありそうです。④エトヴプレ
ここまで1200mに特化して使ってきて、基本的には好位粘りタイプ。血統的にはマイル前後でもOKなのでしょうが、フィリーズレビューには合わない脚質では。もう少し切れる脚がないと厳しいと思います。⑪マーシーラン
エルフィンS(⑥着)は新馬を勝った直後としてはまずまずですが、逆に新馬戦は河原田騎手騎乗で51キロの恩恵も大きかったと思います。現状、重賞でやれるだけの力は?⑫ジューンブレア
中山芝1200mの新馬戦を最内1番枠から好位差しで勝ったイメージが良すぎる印象。できればもう少し内寄りの枠が欲しかったところでは。馬体からは素質を感じるのですが…。⑮オメガウインク
厳しい大外枠です。春菜賞(①着)は2番手から好内容で勝ちましたが、馬番15番から好位確保となると試練では? 初めての関西輸送で、当日気配も鍵になってくるでしょう。【万哲の決断馬券】
阪神JF③着のコラソンビートに好条件は整ったのを承知のうえで、◎バウンシーステップの決め手に懸けます。馬群を縫える根性も兼備していて、阪神芝内回り1400mは実際に未勝利戦を勝っているように絶好条件なはず。穴は内枠&絶好馬場で巻き返しがある▲ロゼフレアをピックアップしたいと思います。
券種・買い方 | 組み合わせ・点数 |
---|---|
馬単 |
3,000円
|
馬単 |
1,000円
|
馬単 |
各800円(計4,000円)
|
馬単 |
各1,000円(計2,000円)
|
合計 | 10,000円 |
ご注意
レースに関する情報は、主催者発表のものをご確認ください。また、勝馬投票券の購入はお客様のご判断の元で行ってください。
記事の配信(発売)後は、出走取消・除外・騎手変更などがあっても、原稿の差し替え等は基本的に行っておりません。あらかじめご了承ください。
記事の配信(発売)後は、出走取消・除外・騎手変更などがあっても、原稿の差し替え等は基本的に行っておりません。あらかじめご了承ください。
小田哲也 プロフィール
スポーツニッポン新聞社記者。コラム「万哲の乱」担当。2015年には宝塚記念で3連単52万馬券を当てるなど、万馬券メーカーであることから「万哲」という愛称で競馬ファンに親しまれている。2004年天皇賞・春のイングランディーレ(10番人気)、2009年天皇賞・春のマイネルキッツ(12番人気)、同年菊花賞のスリーロールス(8番人気)など長距離G1の本命馬激走多数。グリーンチャンネル「中央競馬全レース中継」パドック解説を担当中。
【予想スタイル】
まず重視するのは好走した時の最大パフォーマンス。極論すれば、条件に合わない距離、競馬場、馬場状態、あるいは展開等での凡走は無視してOK。着順タイプは常に善戦型より、三振か本塁打か?の「1着型」を好んで狙う傾向あり。京都、阪神と馬券相性が良く、中山はダート1200メートルがとにかく好き。
【予想スタイル】
まず重視するのは好走した時の最大パフォーマンス。極論すれば、条件に合わない距離、競馬場、馬場状態、あるいは展開等での凡走は無視してOK。着順タイプは常に善戦型より、三振か本塁打か?の「1着型」を好んで狙う傾向あり。京都、阪神と馬券相性が良く、中山はダート1200メートルがとにかく好き。