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七夕賞(G3)
福島11R 芝2000m 15時45分発走予定
七夕賞は、以前は「大荒れ」のイメージがありましたが、優勝馬に限っていえば、人気馬が結構頑張っています。過去10年の人気別成績は以下の通り。
1番人気は物足りない成績ですが、2、3番人気が各3勝。6番人気以下の優勝馬は2頭。ひとまず、優勝馬は上位人気から出るとみるのが妥当かもしれません。
過去10年で優勝馬が出ているのは以上のハンデのみ。54kgの頑張りは目立ちますが、今年はハンデ54kgの該当馬は不在。それを除くと、優勝馬は56~57.5kgに限定されており、58kg以上を背負うと厳しいです。今年3頭が該当している55kgは、過去10年で見ると[0.4.2.19]で、良くても②着まで。データだけを尊重するならば、狙うハンデは限られています。強いのは57kgです。
前走レースでは鳴尾記念、エプソムC組が各2勝。他は安田記念、AJCC、京都記念、中山金杯、新潟大賞典、米子Sが各1勝とバラバラ。特別強いといえるステップレースはありません。
前走距離は2000mからのスライド組が[4.6.5.53]で、着外も多いながら主力。1800、1600、2200mが各2勝。2400m以上からのステップは、舞台が小回り・福島芝2000mだけにちょっと割り引き。やはり安心感があるのは前走2000m組です。
舞台は小回りの福島芝2000m。逃げも含めて「最終4コーナーで4番手以内」を走れる機動型が優位です。過去10年の優勝馬10頭中、8頭は「最終4コーナーで4番手以内」にいました。純粋な逃げ切り勝ちは2014年のメイショウナルトだけですが、2021年トーラスジェミニは2番手追走からの抜け出し、昨年優勝のセイウンハーデスも好位追走で3コーナーでは2番手にいました。
過去10年で「良」以外だったのは2019、20、21年。2019年(稍重)は後方から追い上げたミッキースワロー、2020年(重)は後方から動いたクレッシェンドラヴが届きました。馬場が悪化して「2分台」になるような低速勝負だと「後方追い上げ」も利きますが、1分58秒台の時計が出る「高速勝負」になると、前は簡単には止まりません。
参考までに、土曜の福島8R・3歳以上・1勝クラス(芝2000m)は、1番人気アスクナイスショーが逃げ切って、1分59秒2の好時計勝ちとなりました。このまま雨が降らずにレースを迎えると、七夕賞は「1分58秒台」の高速決着になりそう。先行激化の乱ペースなら差し馬浮上もありえますが、果たしてそこまでの乱ペースになるかどうか?
前走・3勝クラスを逃げ切ったセイウンプラチナは、前半3F36秒8の超スローに落としての逃げでした。今回は大外枠ということもあり、余程ペースが落ちない限りは「逃げ」までは至難かも? そして、フェーングロッテンは近走はそこまで逃げに拘らない脚質。となると、鳴尾記念を前半3F34秒9で入ったバビットの逃げでしょうか?
今回は逃げ候補のタレントはそこまで強力ではなく、Mペースと想定します。内枠から「好位」を狙うボーンディスウェイ、レッドラディエンスが結構いい位置を進み、ペース的には前半5F59秒5の平均ラップ。後半5Fも同59秒台の持続ラップを刻んで、最後は福島特有の「流れ込みゴール」が濃厚。ギアを上げて切れを活かすタイプより、長く脚を使える持久型に魅力を感じます。
馬場的には開幕週の先週の方が差しが利いていた印象。今週土曜は「逃げ」や「先行」タイプが頑張っていました。
七夕賞(G3)
福島11R 芝2000m 15時45分発走予定
先週のラジオNIKKEI賞は、◎シリウスコルトが②着に頑張ってくれて、①着オフトレイルにも印は回っていたのですが、シリウスコルトからの「①着固定」だったため的中ならず。馬連でも29.6倍ついたので、手堅く「馬連」にしていても良かったかも…。
という訳で、七夕賞はオッズが割れ加減でもあるので、馬連でいきます。
福島11R 芝2000m 15時45分発走予定
目次
- 意外に人気馬が強い傾向
- ハンデ別成績
- ステップ別成績
- 道中の位置取り&脚質傾向
- 肝心の今年の展開は?
- 予想印入り出走表
- 有力馬・気になる馬の評価(無印含め15頭を解説)
- 万哲の決断馬券(買い目)
【意外に人気馬が強い傾向】
七夕賞は、以前は「大荒れ」のイメージがありましたが、優勝馬に限っていえば、人気馬が結構頑張っています。過去10年の人気別成績は以下の通り。
人気 | 着別度数 |
1番人気 | [1.1.1.7] |
2番人気 | [3.1.1.5] |
3番人気 | [3.0.0.7] |
4番人気 | [0.1.0.9] |
5番人気 | [1.2.0.7] |
6番人気以下 | [2.5.8.87] |
1番人気は物足りない成績ですが、2、3番人気が各3勝。6番人気以下の優勝馬は2頭。ひとまず、優勝馬は上位人気から出るとみるのが妥当かもしれません。
【ハンデ別成績】
ハンデ | 着別度数 |
57kg | [6.2.0.21] |
54kg | [2.1.2.21] |
56kg | [1.1.0.21] |
57.5kg | [1.0.0.3] |
過去10年で優勝馬が出ているのは以上のハンデのみ。54kgの頑張りは目立ちますが、今年はハンデ54kgの該当馬は不在。それを除くと、優勝馬は56~57.5kgに限定されており、58kg以上を背負うと厳しいです。今年3頭が該当している55kgは、過去10年で見ると[0.4.2.19]で、良くても②着まで。データだけを尊重するならば、狙うハンデは限られています。強いのは57kgです。
【ステップ別成績】
前走レースでは鳴尾記念、エプソムC組が各2勝。他は安田記念、AJCC、京都記念、中山金杯、新潟大賞典、米子Sが各1勝とバラバラ。特別強いといえるステップレースはありません。
前走距離は2000mからのスライド組が[4.6.5.53]で、着外も多いながら主力。1800、1600、2200mが各2勝。2400m以上からのステップは、舞台が小回り・福島芝2000mだけにちょっと割り引き。やはり安心感があるのは前走2000m組です。
【道中の位置取り&脚質傾向】
舞台は小回りの福島芝2000m。逃げも含めて「最終4コーナーで4番手以内」を走れる機動型が優位です。過去10年の優勝馬10頭中、8頭は「最終4コーナーで4番手以内」にいました。純粋な逃げ切り勝ちは2014年のメイショウナルトだけですが、2021年トーラスジェミニは2番手追走からの抜け出し、昨年優勝のセイウンハーデスも好位追走で3コーナーでは2番手にいました。
過去10年で「良」以外だったのは2019、20、21年。2019年(稍重)は後方から追い上げたミッキースワロー、2020年(重)は後方から動いたクレッシェンドラヴが届きました。馬場が悪化して「2分台」になるような低速勝負だと「後方追い上げ」も利きますが、1分58秒台の時計が出る「高速勝負」になると、前は簡単には止まりません。
参考までに、土曜の福島8R・3歳以上・1勝クラス(芝2000m)は、1番人気アスクナイスショーが逃げ切って、1分59秒2の好時計勝ちとなりました。このまま雨が降らずにレースを迎えると、七夕賞は「1分58秒台」の高速決着になりそう。先行激化の乱ペースなら差し馬浮上もありえますが、果たしてそこまでの乱ペースになるかどうか?
【肝心の今年の展開は?】
前走・3勝クラスを逃げ切ったセイウンプラチナは、前半3F36秒8の超スローに落としての逃げでした。今回は大外枠ということもあり、余程ペースが落ちない限りは「逃げ」までは至難かも? そして、フェーングロッテンは近走はそこまで逃げに拘らない脚質。となると、鳴尾記念を前半3F34秒9で入ったバビットの逃げでしょうか?
今回は逃げ候補のタレントはそこまで強力ではなく、Mペースと想定します。内枠から「好位」を狙うボーンディスウェイ、レッドラディエンスが結構いい位置を進み、ペース的には前半5F59秒5の平均ラップ。後半5Fも同59秒台の持続ラップを刻んで、最後は福島特有の「流れ込みゴール」が濃厚。ギアを上げて切れを活かすタイプより、長く脚を使える持久型に魅力を感じます。
馬場的には開幕週の先週の方が差しが利いていた印象。今週土曜は「逃げ」や「先行」タイプが頑張っていました。
【予想印入り出走表 】
七夕賞(G3)
福島11R 芝2000m 15時45分発走予定
馬番 | 印 | 馬名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 |
1 | ノースザワールド | 牡6 | 55 | 柴田善 | |
---|---|---|---|---|---|
2 | レッドランメルト | 牡5 | 56 | 吉田豊 | |
3 | ◎ | ボーンディスウェイ | 牡5 | 56 | 木幡巧 |
4 | △ | レッドラディエンス | 牡5 | 57 | 戸崎 |
5 | ▲ | カレンルシェルブル | 牡6 | 57 | 田辺 |
6 | △ | アラタ | 牡7 | 58 | 横山典 |
7 | △ | ノッキングポイント | 牡4 | 57.5 | 杉原 |
8 | ダンディズム | セ8 | 57 | 三浦 | |
9 | バビット | 牡7 | 57 | 内田 | |
10 | ☆ | リフレーミング | 牡6 | 57 | 丸田 |
11 | ○ | キングズパレス | 牡5 | 57 | 松岡 |
12 | △ | ダンテスヴュー | 牡5 | 55 | 石橋 |
13 | グレンガリー | セ9 | 53 | 丸山 | |
14 | フェーングロッテン | セ5 | 58 | 石川 | |
15 | セイウンプラチナ | 牡5 | 55 | 原 |
【有力馬・気になる馬の評価】
◎③ボーンディスウェイ
もともとが3歳時の弥生賞(③着)でアスクビクターモア、ドウデュースに続いた実績馬。一時は低迷しましたが、昨秋あたりから再び勢いに乗ってきた印象。前走・福島民報杯(②着)は、勝ち馬リフレーミングには最後屈しましたが、運び方としては理想的でした。年初の中山金杯(④着)でも頑張ったことが、今回の舞台には直結しそう。何より、脚質的には逃げ馬の後ろの「好位」を手応え良く追走できそうなのが強み。前の位置が乱ペースになってしまうと辛いかもしれませんが、ハーツクライ産駒らしい晩成型と見ていますし、背負い慣れた56kgなら好勝負でしょう。○⑪キングズパレス
後方追い上げ型で福島が合うか? というと、そこが一番の問題でしょう。ただ、2走前の美浦S(中山芝2000m)が1分58秒7で、中山としては好時計でした。脚質傾向は別として、いまの軽くて時計が出る「軽馬場」にピッタリのキャラでは。条件戦時代から相手なりにしぶとく走るタイプだけに、馬券的には②、③着向きでしょう。▲⑤カレンルシェルブル
福島芝2000mの経験値はリード。昨春の福島民報杯①着、昨秋の福島記念③着は光っています。一方で、福島民報杯は稍重で2分1秒6。昨秋の福島記念は2分1秒1で、時計はやや掛かるのが理想なのも事実か。昨夏の七夕賞(⑨着=2分0秒6)は追い上げが利かずに不発。全体的に速く、前が止まらない展開だときついと思いますが、前走・福島民報杯(⑤着=1分59秒1)は不利がありながら脚は使っていますので、押さえます。☆⑩リフレーミング
福島芝は2戦2勝。一瞬の決め手を活かすタイプで、前走・新潟大賞典(⑤着)でも上がり3F33秒7で伸びは目立っていました。先週並みの「差し馬場」に戻るようなら、目下の充実度を含めて侮れません。△④レッドラディエンス
すっかり「大箱好走」のイメージが定着しましたが、元々は札幌芝1800mで勝ち上がって、2年前には福島芝2000mの猪苗代特別で②着の好走歴もあります。福島向きの時計対応力も十分。問題は、自身の前半3F36秒9の緩やかな流れとなった「大箱」の東京芝2400mを使った直後なだけに、小回り特有の速い流れに替わって手綱をしごくことなく追走できるかでしょう。序盤でどんな形で流れに乗れるか?△⑥アラタ
秋の福島記念で2年連続③着の実績。小回りの立ち回りの上手は言うまでもなく、カギはトップハンデの58kgだけでしょう。昨夏の巴賞は58kgで勝っているのですが、今回は当時よりも相手関係は微妙に強く、キャラ的には「勝ち切るシーン」というよりは②、③着のイメージ。△⑦ノッキングポイント
前走・新潟大賞典(⑧着)は良化途上で、良発表でも傷んだ馬場も響いたと思います。福島とはまったくコース形態は違いますが、昨夏の新潟記念(①着)は「内」でうまく脚を温存して、抜け出す強い内容でした。夏場の耐性もあると思います。問題はコーナー4回の器用さを問われるコースでの好走歴がない点。57.5kgのハンデも微妙なのですが、今年のメンバー構成なら通用していい1頭。△⑫ダンテスヴュー
小回り1800mで楽勝した昨夏小倉の博多Sが強烈。前走・福島民報杯(⑦着)は着順こそ悪かったですが、勝ち馬リフレーミングからは0秒3差でした。小回り適性は高く、穴で押さえたい1頭。①ノースザワールド
4走前の東風S(②着)以外は掲示板外続き。位置を取れるタイプでもなく、後手後手になるので福島には合わないタイプでは。②レッドランメルト
長期休み明けを叩きましたが、反応面も含めて、良くなるにはもう少し使っていく必要を感じます。⑧ダンディズム
昨秋の福島記念(②着=2分0秒9)を含めて道悪や、良発表でも時計が掛かる馬場の時に好走するタイプだと思います。雨でも降らない限りはいまの高速福島は似合わず、雨頼みでしょう。⑨バビット
近走で唯一好走した2月の京都記念(③着)は、スローの2番手から、良馬場発表でも時計が掛かる状況下。以前の快速イメージは息を潜め、いまは小回り高速馬場より、広いゆったりと行ける馬場の方が合っていると思います。メンバー的に単騎逃げが可能かもしれませんが、高速馬場で残るイメージはありません。⑬グレンガリー
障害帰りのメトロポリタンSが見せ場なし。すでに9歳で多くを望むのは?⑭フェーングロッテン
ゆったり先手を奪えたとしても、重ハンデ58kgは大きすぎる課題。そこまで速くならないと見ても、昨年6月の鳴尾記念②着の後は精彩を欠いているのが気になります。⑮セイウンプラチナ
中山芝2500mをスローで逃げ切った直後で、まったく流れの違う福島芝2000mへの対応は? 現実的に大外枠は辛いでしょう。【万哲の決断馬券】
先週のラジオNIKKEI賞は、◎シリウスコルトが②着に頑張ってくれて、①着オフトレイルにも印は回っていたのですが、シリウスコルトからの「①着固定」だったため的中ならず。馬連でも29.6倍ついたので、手堅く「馬連」にしていても良かったかも…。
という訳で、七夕賞はオッズが割れ加減でもあるので、馬連でいきます。
券種・買い方 | 組み合わせ・点数 |
---|---|
馬連 |
各2,000円(計4,000円)
|
馬連 |
各1,000円(計5,000円)
|
馬連 |
1,000円
|
合計 | 10,000円 |
ご注意
レースに関する情報は、主催者発表のものをご確認ください。また、勝馬投票券の購入はお客様のご判断の元で行ってください。
記事の配信(発売)後は、出走取消・除外・騎手変更などがあっても、原稿の差し替え等は基本的に行っておりません。あらかじめご了承ください。
記事の配信(発売)後は、出走取消・除外・騎手変更などがあっても、原稿の差し替え等は基本的に行っておりません。あらかじめご了承ください。
小田哲也 プロフィール
スポーツニッポン新聞社記者。コラム「万哲の乱」担当。2015年には宝塚記念で3連単52万馬券を当てるなど、万馬券メーカーであることから「万哲」という愛称で競馬ファンに親しまれている。2004年天皇賞・春のイングランディーレ(10番人気)、2009年天皇賞・春のマイネルキッツ(12番人気)、同年菊花賞のスリーロールス(8番人気)など長距離G1の本命馬激走多数。グリーンチャンネル「中央競馬全レース中継」パドック解説を担当中。
【予想スタイル】
まず重視するのは好走した時の最大パフォーマンス。極論すれば、条件に合わない距離、競馬場、馬場状態、あるいは展開等での凡走は無視してOK。着順タイプは常に善戦型より、三振か本塁打か?の「1着型」を好んで狙う傾向あり。京都、阪神と馬券相性が良く、中山はダート1200メートルがとにかく好き。
【予想スタイル】
まず重視するのは好走した時の最大パフォーマンス。極論すれば、条件に合わない距離、競馬場、馬場状態、あるいは展開等での凡走は無視してOK。着順タイプは常に善戦型より、三振か本塁打か?の「1着型」を好んで狙う傾向あり。京都、阪神と馬券相性が良く、中山はダート1200メートルがとにかく好き。