
11/30(土)
ステイヤーズS(G2)
中山11R 芝3600m 15時45分発走予定
◎①ダンディズム
○④シュヴァリエローズ
▲⑪マイネルケレリウス
☆⑭ゴールデンスナップ
△②フルール
△③アイアンバローズ
△⑥ミクソロジー
△⑦メイショウブレゲ
展開的には、昨年の優勝馬アイアンバローズぐらいしか逃げ候補は見当たりません。よって、今年も中盤は「中だるみ」しそうです。ピッチが上がるのは昨年同様に残り1200m付近からか? ただ、問題はそのアイアンバローズの状態面で、どうも海外を転戦したダメージは大きかったようです。陣営の談話にも出ていましたが「アルゼンチン共和国杯を使いたかった」のは本音でしょう。
昨春のダイヤモンドSの優勝馬ミクソロジーは、今秋の2戦を見る限りは良化度スローか。
その昨春のダイヤモンドSで1番人気に推されたシルブロン(③着)も、どうも動きに精彩を欠き、本調子にはない印象。
低迷が続くフェーングロッテン、ダートから転戦のクールミラボーやウェルカムニュースなど、評価しにくい馬もいますが、「順調度」を重視して狙いを定めていくと、ある程度は本命候補が絞れてきそうです。
今週は開幕週の中山Aコース1週目。昨年に逃げ切ったアイアンバローズは極端な例としても、最終4コーナーで「6番手以内」ぐらいには位置する機動力がないと勝ち切れないでしょう。
狙いは8歳の◎ダンディズム。昨年の当レースの⑥着馬。その昨年は中だるみの流れでも、一度は後続を離したアイアンバローズが展開利も味方に、そのまま押し切った形。対してダンディズムは、ゲート内の駐立が悪くて、完全にアオる形で出て、すぐにインに進路を取って中団インを追走。道中の緩ペースでもしっかり折り合えたのは光りました。ただ、前とは離されたので、最終4角ではすでに勝つまでは厳しかったです。それでも、直線で内から外に切り替えるロスもありながら、④着ワープスピード(今秋メルボルンC②着)とは0秒4差。
その後も重賞では安定していて、目黒記念(⑥着)は57kgを背負って、当時56kgで今回人気のシュヴァリエローズ(②着)とは0秒3差でした。前走・福島記念(③着)は最終4角3番手と以前からは考えられないほど早く動けて、その前走のような競馬ができれば、中山開幕週にもフィットするでしょう。血統的にも父マンハッタンカフェ、母父シングスピールなど持久力の裏付けもあります。高齢馬が活躍するレース傾向も加味して狙います。
相手は一連の成績に敬意を表して○シュヴァリエローズ。ただ、初の3000m超えで、斤量58kgは大きな課題にはなりそうです。1番人気でしょうが、ここは試金石。
穴っぽいのは▲マイネルケレリウス。母の半兄マイネルキッツは2011年ステイヤーズSの優勝馬。細身の長距離体形。折り合っていけるようなら、最後の決め脚は活きるでしょう。
メイショウブレゲはローテ的には理想のアルゼンチン共和国杯組。中山向きの先行力、道中のマクりがないのは気になりますが、ここまで動けるようになれば、脚質抜きに買うべきか。
1~2番人気になりそうな☆ゴールデンスナップは、開幕週では決して有利とは言えない大外枠。行けずにただ外を回される形だと厳しいでしょう。ただ、阪神大賞典(⑤着)のレベルは高く、十分に重賞でもやれる力を備えてきたのは事実。押さえには必要です。
券種・買い方 | 組み合わせ・点数 |
---|---|
馬連 |
各2000円(計4000円)
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馬連 |
各800円(計4000円)
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馬連 |
各1000円(計2000円)
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合計 | 10000円 |
チャレンジC(G3)
京都11R 芝2000m 15時35分発走予定
◎⑮ラーグルフ
○⑨ラヴェル
▲⑥コガネノソラ
☆⑭ダノンエアズロック
△①ディープモンスター
△②エピファニー
△④マキシ
△⑤アルビージャ
例年は阪神1週目に行われるチャレンジCですが、阪神競馬場リニューアル工事の影響で、今年は連続開催9週目の京都で行われます。かなり特殊な設定です。Cコースは先週に続き2週目。その先週にしても、移動柵を動かしたばかりにしては内寄りを中心に傷んでいて、京都2歳Sを筆頭に「中~外伸び」のレースも目立ちました。急に内の傷みが回復するとは思えず、よほどのSペースにならない限りは「中~外伸び決着」になるのではないでしょうか。
展開的にはバビットがどれだけ行けるかですが、函館記念(③着)やオールカマー(②着)と逃げて成功したアウスヴァールが、単調に2番手に控える競馬とは考えにくいです。他にも、前走で逃げ切ったマイネルモーント、昨春の新潟大賞典(②着)で逃げて粘ったセイウンハーデス(長いブランクはカギですが)など先行タイプは結構いて、内荒れ、前掛かりのペースを考えれば、最後はズバッと「中~外まくり」「外伸び」が穴馬としては妙味があると見ます。
穴で◎ラーグルフを狙います。昨夏の札幌記念(⑧着)以降は順調さを欠いており、低調な成績が続いています。ただ、春の中山開幕週で今回とは「真逆設定」だった2月の中山記念(⑨着)は不発でしたが、1月のAJCC(⑧着)は苦手な道悪で勝ち馬チャックネイトと0秒4差。秋初戦のオールカマー(⑦着)は新潟記念を挫石で回避し、順調さを欠く中でも流れには乗れていて、勝ったレーベンスティールとは0秒5差と見せ場はつくれていました。前走・アルゼンチン共和国杯(⑪着)は、流れに乗れすぎたのが結果的に裏目に。差し決着の前崩れで、自身のハンデ58kgも響いたと思います。ここは秋3戦目。久々に順調に使えるのは何よりでしょう。
過去、ホープフルS③着、中山金杯①着、中山記念②着。寒い時季に調子を上げる馬で、実際にM.デムーロ騎手が騎乗した今週の最終追いは、行きたがる面は見せましたが、楽々先着していて全体時計は上々。最近では一番の動きでした。こうなると「中~外差し舞台」を味方に、久々に重賞ウイナーの力を見せられる条件が整ったのでは?
相手本線は○ラヴェル。今秋初戦のオクトーバーS(⑥着)で馬体重増(+16kg)と成長の跡を見せ、前走・エリザベス女王杯(②着)は折り合い面も良くて頑張りました。春より一段体が大きくなり、心身の成長も大きいのでしょう。アルテミスS(①着)でリバティアイランドを負かした実力馬がここまで成長すれば、内回り2000mでも引き続き崩れないはずです。
穴っぽいのは3歳の▲コガネノソラ。前走・秋華賞(⑨着)は輸送で当日のテンションが高く、位置を取ったことで展開が逆になった印象。開催2週目だった秋華賞とは違い、今回はだいぶ芝がボコボコしてきて、ゴールドシップ産駒譲りの「パワー」を活かすには最適舞台になり、また本来の差しに構えれば、展開も向きそうです。
☆ダノンエアズロックは毎日王冠(⑥着)で◎を打ったのですが、正直ガッカリしました。道中の反応面の甘さは久々が影響したのでしょうか? 型通りに良くなれば、ムーア騎手起用もあって勝負気配は高そうですが、半信半疑の面もあります。人気に見合うかどうか。
ディープモンスターは立ち回りのうまさが活きる最内の馬番1番は本来は良いと思いますが、全体的に内の芝がボコボコしているので、最内馬番1番がアダになる恐れも。
エピファニーはあまりに小倉にフィットしていますが、直線に坂のない京都も合う可能性も。ただ、内が傷んでいるので序盤の戦略はカギになりそう。
マキシは相手強化。半面、今のボコボコした芝は血統的には魅力。
アルビージャは使い込んでいない分、6歳でも馬は若い印象。ルメール騎手起用でどこまで。
問題は長期休養明け組。ルペルカーリア、セイウンハーデス、ボルドグフーシュの各馬は、いずれもここならいきなり走っても不思議ないのですが、いかにも休養が長すぎて。「見送り」とします。
券種・買い方 | 組み合わせ・点数 |
---|---|
馬連 |
各1500円(計3000円)
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馬連 |
1000円
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馬連 |
各800円(計3200円)
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馬単 |
各700円(計2800円)
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合計 | 10000円 |
12/1(日)
チャンピオンズC(G1)
中京11R ダート1800m 15時30分発走予定
◎⑧ウィルソンテソーロ
○⑦セラフィックコール
▲③ハギノアレグリアス
☆②レモンポップ
△④ペプチドナイル
△⑤ペイシャエス
△⑥ドゥラエレーデ
△⑫サンライズジパング
まず連覇が懸かるレモンポップをどう見るかが一番のポイントになるでしょう。2月のサウジCで⑫着に敗れた後は、1400mのさきたま杯(①着)と1600mの南部杯(①着)を勝っており、本質的にはスピードを活かせる1400~1600m辺りがベストなのは間違いないところでしょう。ただし、昨年のチャンピオンズCは大外馬番15番から行き切って、押し切りました。前半3F36秒4~同後半37秒3とそこまで緩いペースではなく、内容自体も強かったです。その一方で、2番人気セラフィックコール(⑩着)は道中最後方とまったくレースに参加できず、3番人気クラウンプライド(⑪着)は韓国遠征の影響が残っていたのか直線でパッタリというレースでもありました。そう考えると、周りの「敵失」による面も否定はできません。
個人的には、今年は昨年以上にメンバーが揃ったと思います。加えて、昨年以上にレモンポップを脅かす「先行同型馬」が多め。今年4戦はすべてハナを主張しているミトノオーはやはり逃げてこそ。コリアCを逃げ切った最内馬番1番のクラウンプライドは、本質は逃げ~好位粘り型。「枠の並び」的に、すぐ横のレモンポップとの兼ね合いは単純ではないかもしれません。他にも、南部杯で積極的にレモンポップに「ガチンコ勝負」を挑んだペプチドナイル、1800mだとマイルよりは1列前になるペイシャエス、さらにはテーオードレフォンなどがいて、速めのペースで道中緩むことはなさそうです。
最終的には底力比べ。といって、コーナー部分がきつくタイトな中京コースでは、3~4角でアバウトに外に回っての差し伸びは厳しいでしょう。理想は内寄りの枠。道中の位置は「中団以内(8番手ぐらい)」まで。この辺りをVポジションとみます。
◎ウィルソンテソーロ。直近2戦に限れば、コリアC(②着)はクラウンプライドに完敗。前走・JBCクラシック(佐賀)は3~4角でインを突いた川田騎手の好プレーに加えて、②着メイショウハリオ以下の現状の力を考慮すると、レースレベルは「過大評価」はしない方がいい感じもします。それでも、今よりもまだ戦力が整っていなかった昨年のチャンピオンズC②着→東京大賞典②着を評価したいです。その昨年はスタートさえ互角なら、ひょっとしたかもという好内容でした。東京大賞典(②着)は自ら逃げ、当時最強のウシュバテソーロを苦しめるシーンも。時季的には冬場がより良いのでしょう。
「枠の並び」も、3歳馬サンライズジパングを除けば、人気馬を内に見ながら行けるので理想的でしょう。展開もある程度流れてくれれば、それほど深追いせず5~8番手付近でジッと運べそう。付くべきところに筋肉が付き、昨年よりパワーアップもしており、発馬さえ決まれば、鞍上・川田騎手との相性も良いので「①着固定」が勝負馬券になります。
全体的に流れて、底力勝負とみれば、前のレモンポップも強いですが、相手は「差し馬台頭」がオッズ的にも妙味です。
昨年2番人気に推された○セラフィックコールなら、良い配当でしょう。その昨年は道中でまさかの最後方。今回も1800mで流れに乗れるかはカギですが、立て直した効果で直近2週が抜群の動き。展開的にも単調な前残りは考えにくく、C.デムーロ騎手がどう乗るでしょうか? ブリンカー着用効果も出て、中団付近が取れれば、自慢のロングスパートを繰り出せる魅力はあります。
前走・シリウスSを勝った7歳馬▲ハギノアレグリアスも、オッズ的には魅惑ゾーンでしょう。昨年の当レースは馬番11番で⑥着。内を捌ける根性を備えていますし、枠順は今年の方が好転しましたので、とにかく中京での相性の良さ(5戦3勝)を買いたいです。
☆レモンポップは、とにかく同型との兼ね合い次第。馬券的には「①着」か「着外」の両極端な結果もあるかもしれません。
ペプチドナイルはマイル型にシフトしつつありますが、1800mでも引いて対処できる器用さはあります。
穴っぽいのは3枠の2頭。ペイシャエスの武蔵野S(④着)は、差し馬が台頭した激流の中でかなり頑張り、正直ビックリしました。コーナー4回の1800mで一歩引いた競馬(4~8番手)もできますし、いまの出来の良さはぜひ買いたいです。
ドゥラエレーデはどうも常識にかかりませんが、みやこS(⑪着)は内枠が災いしたと考えれば、今回は動きやすい馬番6番で改めて。
3歳馬サンライズジパングは、勝ったみやこSのレースレベルが果たしてここに直結するかどうか? 確かに今年の3歳馬は強いですが、ここは古馬陣も揃っています。試金石。
全体的には速い流れとみて、馬券は「差し優勢」と見ました。内で揉まれかねないクラウンプライドを筆頭に、先行タイプの評価を下げた理由はその点にあります。
券種・買い方 | 組み合わせ・点数 |
---|---|
馬単 |
各2000円(計4000円)
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馬単 |
各1000円(計5000円)
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馬単 |
各500円(計1000円)
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合計 | 10000円 |
ご注意
レースに関する情報は、主催者発表のものをご確認ください。また、勝馬投票券の購入はお客様のご判断の元で行ってください。
記事の配信(発売)後は、出走取消・除外・騎手変更などがあっても、原稿の差し替え等は基本的に行っておりません。あらかじめご了承ください。
記事の配信(発売)後は、出走取消・除外・騎手変更などがあっても、原稿の差し替え等は基本的に行っておりません。あらかじめご了承ください。
小田哲也 プロフィール
スポーツニッポン新聞社記者。コラム「万哲の乱」担当。2015年には宝塚記念で3連単52万馬券を当てるなど、万馬券メーカーであることから「万哲」という愛称で競馬ファンに親しまれている。2004年天皇賞・春のイングランディーレ(10番人気)、2009年天皇賞・春のマイネルキッツ(12番人気)、同年菊花賞のスリーロールス(8番人気)など長距離G1の本命馬激走多数。グリーンチャンネル「中央競馬全レース中継」パドック解説を担当中。
【予想スタイル】
まず重視するのは好走した時の最大パフォーマンス。極論すれば、条件に合わない距離、競馬場、馬場状態、あるいは展開等での凡走は無視してOK。着順タイプは常に善戦型より、三振か本塁打か?の「1着型」を好んで狙う傾向あり。京都、阪神と馬券相性が良く、中山はダート1200メートルがとにかく好き。
【予想スタイル】
まず重視するのは好走した時の最大パフォーマンス。極論すれば、条件に合わない距離、競馬場、馬場状態、あるいは展開等での凡走は無視してOK。着順タイプは常に善戦型より、三振か本塁打か?の「1着型」を好んで狙う傾向あり。京都、阪神と馬券相性が良く、中山はダート1200メートルがとにかく好き。