12/7(土)
中日新聞杯(G3)
中京11R 芝2000m ハンデ 15時25分発走予定
◎⑨コスモキュランダ
○③キングズパレス
▲⑭ドクタードリトル
☆⑩ロードデルレイ
△⑧デシエルト
△⑬フライライクバード
△⑮ジェイパームス
△⑰マコトヴェリーキー
開催2週目の中京コース。まだまだ芝状態は絶好と思いきや、JRAホームページによると「3~4コーナーの内柵沿いに傷みがあります」とのこと。今夏の8~9月の連続開催で酷使した影響か、開幕週の先週でも2日目の日曜に入ると、内ラチ沿いを避けて通るシーンもありました。時計的にはほぼ標準(決して高速馬場ではありません)でしたが、今週はタフ寄りにシフトする可能性はあります。
展開的にはどうしても逃げたいベリーヴィーナスが最内の馬番1番。これに、前走逃げて復活したデシエルト。横山典騎手騎乗のマテンロウレオ、ケフェウスSを2番手抜け出しで勝ったフライライクバードなど、先行勢のタレントは豊富。ただし、内をロスなく回って、さほど利がある馬場ではありません。最終的には差し比べの底力勝負。地力重視とみます。
◎コスモキュランダはハイレベルだった今春の皐月賞の②着馬。しかしその後は、出負けしてどうしても「マクる」競馬が多くなっていました。ダービー(⑥着)は道中で動き、最後は脚が上がりました。セントライト記念(②着)は早めに動かざるを得なかった分、最後はアーバンシックに差された形。菊花賞(⑭着)はレースを見ての通り、ロスが多すぎる競馬。今回は横山武騎手と心機一転の左回り2000m。最終追いは道中の制御もスムーズで、素晴らしい追い切りでした。
今回は新たな鞍上とのコンビで、出遅れ→マクりの競馬にはならない可能性もあります。底力を競える今の中京が合わない訳はなく、ここは皐月賞を「1分57秒1」の猛時計で乗り切った能力を買います。ハンデ58kgで多少でもオッズが下がるようなら歓迎です。
相手は○キングズパレス。中京への環境変化はカギですが、左回り自体は今年の新潟で2戦好走(新潟大賞典②着、新潟記念③着)があり好材料でしょう。天皇賞・秋は多少馬体に余裕もあるように映りました。ハンデ57.5kgは許容範囲でしょう。
▲ドクタードリトルはオッズが気になります。前走・福島記念(⑦着)で落ちるのでしょうか? そのレースぶりは4コーナーでゴチャついて、その時点で勝負圏外でした。少頭数とはいえ、同じ中京2000mで抜群に弾けた3走前の関ヶ原Sが圧巻の内容。京都大賞典(⑥着)は格好はつくっていて、今回ぐらいのメンバーなら、巻き返す力は十分あるでしょう。
☆ロードデルレイは、ハンデ57.5kgの克服が一番のカギとみます。コスモキュランダとの本来の実力差を考えると、重い気はします。
デシエルトは同型との兼ね合いだけ。理想は逃げ。好位が「横並び」になる形は避けたいところでしょう。ただ、内が傷み気味の芝はネックになりそう。あくまで押さえ評価。
押さえたいのはドクタードリトルを含めた7枠の3頭。フライライクバードの福島記念(⑩着)も、ドクタードリトルと同様に「展開」が向かなかった印象です。秋のケフェウスS快勝を改めて見直したいところ。
ジェイパームスは、富士S(⑫着)は出負けして直線で詰まる不利。コーナー4回のイメージはありませんが、少なくとも前走の「⑫着」は額面通りには受け取れません。
相手なりに走るマコトヴェリーキーは左回りに実績。恐らく人気もないと思うので押さえる手も。
券種・買い方 | 組み合わせ・点数 |
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馬単 |
各2000円(計4000円)
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馬単 |
各800円(計4000円)
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馬単 |
各1000円(計2000円)
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合計 | 10000円 |
12/8(日)
カペラS(G3)
中山11R ダート1200m 15時20分発走予定
◎⑬スズカコテキタイ
○⑭サンライズアムール
▲⑨クロジシジョー
☆⑪チカッパ
△②インユアパレス
△④ジレトール
△⑥ガビーズシスター
△⑧インビンシブルパパパ
展開をどう読むか? 昨年はテイエムトッキュウが逃げ切り勝ち。向正面が下り坂のダート1200mでは「前半3F33秒5」はSペースに近いラップで、こうなると押し切れても納得でした。
ただ、レース前半3Fが「32秒台」、上がり3Fが「36~37秒台」のバタバタの上がりだと、中団~後方の差し馬が届くのも中山ダート1200mの上級条件の特徴。果たして、今年はどうなるでしょう? パサパサに乾いたダート状態も相まって、個人的には「差し浮上」の設定とみます。
テイエムトッキュウがすんなり行きたいでしょうが、3勝クラスから勝ち上がってきたインビンシブルパパ、本来は行けば速いチェイスザドリームもいます。やはり「Hペース」でしょう。枠的には渋滞になりがちな内枠の馬より、中~外の差し馬が狙い目。
◎スズカコテキタイは暑さに弱いようで、毎年冬場に活躍。それも、中山1200mがベスト条件。昨年のカペラS(⑬着)は夏負けが尾を引いた影響もあり、休み明け初戦で完調手前。まったく力を出せていませんでした。今年も復帰戦のながつきS(⑫着)は暑さの影響も残って動けていませんでしたが、今回は叩き3戦目で状態を上げて、最高潮の状態で挑んできました。昨年とはまったく状態面が違っています。内の速い馬を見ながら、理想は中団付近の追走。前走・室町S(④着)でも見せた、最後の切れを活かせば。
○サンライズアムールは差せた前走で新境地。
▲クロジシジョーは地方交流重賞でも安定して走れるようになって、力を付けました。中山ダート1200mでは年初のジャニュアリーSが好内容。
☆チカッパは佐賀遠征後で、斤量58kgがどう出るか? 能力は十分認めていますが、直近が55kg、56kgだったので、負担重量が最大のカギに。
差せるという意味ではインユアパレス、ジレトール、前走タイムが素晴らしいガビーズシスターは評価できるのですが、中山ダート1200mでは「内がゴチャつくケース」が多々あって、序盤の捌き次第に。
インビンシブルパパは、能力は相当。ただ、3勝クラスの1400mの後の1200m重賞だけに、控えた時にどうなるかは、試金石になります。
券種・買い方 | 組み合わせ・点数 |
---|---|
馬連 |
各2000円(計4000円)
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馬連 |
各800円(計4000円)
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馬連 |
各1000円(計2000円)
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合計 | 10000円 |
阪神JF(G1)
京都11R 芝外1600m 15時40分発走予定
◎⑬コートアリシアン
○⑨ショウナンザナドゥ
▲⑦ミストレス
☆⑩ブラウンラチェット
△②テリオスララ
△④ジャルディニエ
△⑫アルマヴェローチェ
△⑭ランフォーヴァウ
例年なら阪神開催2週目に行われる阪神JFですが、今年は阪神競馬場スタンドリフレッシュ工事の影響で、京都の芝外回り1600m。それも、連続開催10週目(芝はCコース使用3週目)で行われます。金曜のJRAホームページでは「向正面直線から正面直線内側に傷みがあります」ということで、内寄りを中心に傷んだ芝状態。金曜午前9時30分のクッション値は、晴天続きの影響からか11.4(やや硬め)とかなり硬く、芝は荒れ気味でも、時計はそこまで遅くなく、むしろ速めの決着が予想されます。ただ、日曜には一応「にわか雨」の予報も出ていますが…。当日の馬場状態まで読み切るのはなかなか至難で、一応は「良馬場設定」で推理していきます。
通常の阪神JFだと底力重視。ただし、それは開催2週目の「内&前優位」の舞台設定ということで、近年の勝ち馬ではメジャーエンブレム、ソウルスターリング、レシステンシアなど「内先行押し切り」も多いのですが、今の内傷み馬場だと、荒れた内を通って先行して粘るのは相当厳しいとみます。まだ芝状態が比較的マシな4~7分どころを通る差し馬(さすがに大外一気までは?)が優位とみます。
今年の前哨戦の評価は、例年通りにアルテミスSは「レベルA」とします。勝った☆ブラウンラチェットは1800m→1600mの短縮にも機敏に対応して、馬群をスッと突破する味な内容でした。ただ、今回に限れば、京都までの長距離輸送が初めて。追い切りを見る限り、決して細くは見えませんが、減少傾向の馬体重も多少気になる点ではあります。ただ、性格面の強さ、制御性の高さから、どんな競馬でもレースができそうな点では、まず大崩れはないとみます。あとは当日の馬体気配。1番人気は確実だけに、パドックはよくチェックしていただきたいと思います。美浦から京都までの輸送で、さらに馬体が減る可能性はあります。
本命は新潟2歳S②着の◎コートアリシアンです。直線で一度は先頭に立った新潟2歳Sは、ラスト1Fで切れた勝ち馬トータルクラリティを褒めるべきでしょう。その新潟2歳Sのコートアリシアンは出負けして、道中掛かりながらも、上がり3F33秒9はメンバー最速でした。何より、夏以降の「成長」が目を見張ります。追い切りではメンコとリングバミに替えた効果で折り合いがついて、制御の利いた好調教ができていました。それ以上に、夏よりも体がひと回り大きくなったのが今回の強調点です。調教後の馬体重が448kg(前走・新潟2歳S出走時が434kg)。それも稽古を緩めて、加減して、増やしたのではなく、実はもっと大きく成長したのを、自然な形で絞ってきました。真夏の過酷な新潟輸送も無難にこなしているので、減っても440kg以上は確実の情勢。
動きやすい馬番13番。仮に出負けしても、荒れた内を通らされる内枠ではないので、自然体で追い上げが利くと思います。最後の決め手比べになれば、ブラウンラチェットとも互角以上。馬具効果で「折り合い」が付くようなら、ラストの決め脚が京都の硬めの馬場で活きる見立てです。最終的には「中~外差し」で突破。
相手は○ショウナンザナドゥ。アルテミスS(③着)は仕掛けが一歩遅れる形になった分の惜敗。ただ、勝ち馬ブラウンラチェットを0秒1上回る3F33秒2の決め脚は光りました。内回りと今回の外回りの違いはあれ、京都芝1600mは2回経験していて、京都の芝に順応している経験値も買えます。2戦目の「1分33秒5」はかなり速く、時計対応勝負になれば勝機も。
もう1頭、アルテミスS組から。②着だった▲ミストレスも相当な器。アルテミスSはブラウンラチェットに抜かれてからが渋太かったです。今の京都の傷み気味の馬場に合うパワー兼備型。好位で控えても競馬はできそうで、体力勝負に持ち込めば侮れません。
先行型は多いので、先行型は軽視しました。荒れた部分を走ることになる内枠の馬も結構厳しいかもしれません。個人的にはビップデイジー、ダンツエランの評価を下げた理由はそこにあります。ダンツエランは1F延長もカギになります。ただ、内枠の馬でもテリオスララは、スタミナが相当あります。差しに回った時に戸惑わないかはカギですが、1800m好走の持久力が荒れ気味馬場で活きる可能性はあります。追って味のあるジャルディニエは最終的に差しに徹しての浮上期待。
逆に札幌で差しに回って好走したアルマヴェローチェ、レースレベルは疑問もデイリー杯2歳Sの勝ち馬ランフォーヴァウは「枠」的にも動きやすい位置。差す競馬ができるのも強調できます。
問題は米国馬メイデイレディ。確かに戦績は素晴らしいのですが、タピット産駒でダート寄りの血統。今の硬い京都の芝に最終的に対応できるか? 外すぎる枠もプラスとは言いにくく、そこそこ人気になるのなら、あえて「見送り」とします。
券種・買い方 | 組み合わせ・点数 |
---|---|
馬連 |
各2000円(計4000円)
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馬連 |
各1000円(計5000円)
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馬単 |
各1000円
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合計 | 10000円 |
ご注意
レースに関する情報は、主催者発表のものをご確認ください。また、勝馬投票券の購入はお客様のご判断の元で行ってください。
記事の配信(発売)後は、出走取消・除外・騎手変更などがあっても、原稿の差し替え等は基本的に行っておりません。あらかじめご了承ください。
記事の配信(発売)後は、出走取消・除外・騎手変更などがあっても、原稿の差し替え等は基本的に行っておりません。あらかじめご了承ください。
小田哲也 プロフィール
スポーツニッポン新聞社記者。コラム「万哲の乱」担当。2015年には宝塚記念で3連単52万馬券を当てるなど、万馬券メーカーであることから「万哲」という愛称で競馬ファンに親しまれている。2004年天皇賞・春のイングランディーレ(10番人気)、2009年天皇賞・春のマイネルキッツ(12番人気)、同年菊花賞のスリーロールス(8番人気)など長距離G1の本命馬激走多数。グリーンチャンネル「中央競馬全レース中継」パドック解説を担当中。
【予想スタイル】
まず重視するのは好走した時の最大パフォーマンス。極論すれば、条件に合わない距離、競馬場、馬場状態、あるいは展開等での凡走は無視してOK。着順タイプは常に善戦型より、三振か本塁打か?の「1着型」を好んで狙う傾向あり。京都、阪神と馬券相性が良く、中山はダート1200メートルがとにかく好き。
【予想スタイル】
まず重視するのは好走した時の最大パフォーマンス。極論すれば、条件に合わない距離、競馬場、馬場状態、あるいは展開等での凡走は無視してOK。着順タイプは常に善戦型より、三振か本塁打か?の「1着型」を好んで狙う傾向あり。京都、阪神と馬券相性が良く、中山はダート1200メートルがとにかく好き。