
2/23(日)
フェブラリーS(G1)
東京11R ダート1600m 15時40分発走予定
◎⑭ミッキーファイト
○⑫サンライズジパング
▲⑨コスタノヴァ
☆①エンペラーワケア
△②タガノビューティー
△⑧ドゥラエレーデ
△⑪ペプチドナイル
△⑮ガイアフォース
サウジCデーの当週ということで、ダート強豪馬が多数海外遠征しているのに加え、トップジョッキーも多数遠征して、今年のフェブラリーSは「乗り替わり」が多いのがまず焦点。個人的にはエンペラーワケア、コスタノヴァは相当に有力と思っているのですが、いずれもテン乗りになるのは引っ掛かります。もちろん、横山武騎手やキング騎手はとても優秀な騎手なので、力量うんぬんの話ではなく、継続コンビで挑める方がなにかと有利という話です。
過去10年、ステップ的には根岸S組が[4.2.3.42]、チャンピオンズC組が[3.3.2.9]、東海S(今年のプロキオンSに相当)が[3.1.1.15]。昨年のチャンピオンズC①着のレモンポップは既に引退、同②着ウィルソンテソーロはサウジCへの遠征中とあって、主要3ステップでは根岸S組(特に勝ち馬コスタノヴァ)が注目を集めるのでしょうが、広大な東京のダート1600mということで、距離短縮組が決して悪くないのは留意したいです。
白帽の1枠は過去10年で①~③着がないのはご存じの通り。スタート地点の芝部分を長く走れない、内に包まれてキックバックを受けやすいなど理由は多々あります。人気の一角となりそうなエンペラーワケアは、前走・武蔵野Sで前が壁になりながら、こじ開けた根性を持ち合わせているので、極端なマイナスにはならないでしょうが、最内枠がプラスとは言いにくいのは事実。2~7枠までは満遍なく優勝馬が出ていて、桃帽の8枠が優勝馬なし(②着は3回あります)です。
過去10年中の7回は前後半の差が「1秒以上」の前傾ラップになっていますが、たとえ広い東京コースといえども、G1ともなると極端な後方差しは至難。最終4コーナー13番手から①着まで突き抜けた2018年ノンコノユメは例外で、残り9頭の優勝馬は「最終4コーナーで8番手以内」にいました。もっと突き詰めれば、その9頭中7頭は「最終4コーナーで4番手以内」。ある程度の位置は取れて、持続的に脚を使える馬が活躍するレース傾向。差し馬も伸びては来るのですが、②、③着までというケースが多いです。
◎ミッキーファイトはある程度の速い流れに乗って、それでもバテない持続力が最大の長所。個人的には前走・名古屋大賞典(①着)のような超小回りコースは合わないと思っていたのですが、器用に対応して、少々太めの馬体でも勝ち切ったところに価値があります。ただ、それでも決して小回りが合うとは思っていません。むしろ、跳びが大きく、かなりのパワーを持ち合わせているので、新馬戦以来にはなりますが、広い東京コースは「回り」の関係は別にして好舞台でしょう。1800mのレパードSの前半4F48秒5(後半4Fは50秒2)の速いペースを3番手で走れるスピードがあるので、東京1600mで仮に流れたとしても「8番手より後ろ」という恐れは少ないでしょう。速くなりそうな流れを考慮すれば「5~8番手」の外はいい位置。陣営から「外枠歓迎」という言葉も出ていましたし、大箱の東京でのびのび走れば、G1でも十分通用するとみています。もちろん、ジャパンダートクラシック(②着)で勝ち馬フォーエバーヤングに詰め寄った価値も大きいです。
○サンライズジパングの前走・プロキオンSでの、急カーブの中京コースで外を回して②着は、勝ったサンデーファンデー以上に評価したいです。決して器用なタイプではないので、大箱の東京は本来的に合っている馬でしょう。プロキオンS組(昨年までの東海S)の成績は悪くなく、問題は道中の位置だけでしょう。長く脚を使えるので、ハイペースになりやすいレース特徴から、最後に脚を使う強みは活きて来るでしょう。芝重賞のホープフルS③着好走は「芝好走馬が活躍するレース傾向」とリンクして侮れません。
▲コスタノヴァの前走・根岸Sの勝ちタイム1分22秒6(1分22秒台)は、近年の優勝馬の2023年レモンポップ(1分22秒5)、2020年モズアスコット(1分22秒7)と比べても、今年が稍重で時計が出やすかったことを考慮しても、一定の価値があります。問題は、ここまで強敵メンバーとやってきていない点でしょう。根岸S②着のロードフォンス、③着のアルファマムを基準にすると、1番人気フリームファクシの⑥着を含めて、着差がついて当然の顔触れだったとも思えます。サウジCへの遠征馬が多いとはいっても、ここは根岸Sよりは好メンバー。どれだけ通用するかでしょう。
☆エンペラーワケアは、前述の通り1枠1番が最大のカギになりそうです。また、昨年の根岸Sが時計の掛かるダート状態とSペースもあって「1分24秒1」の平凡時計。前走・武蔵野Sの「1分36秒0」も、時計自体は地味だった点は気になります。最内枠をプラスにできるかどうか?
タガノビューティーは根岸Sの落馬中止で、ここは人気がガタ落ち? ただし、近走もコンスタントに脚は使えています。それとダートスタートの東京ダート1400mではいつもスタートが決まらないのに対して、芝スタートの東京1600mだと、そこまで遅れないのも強調材料。戦法的に①着までは厳しいでしょうが、今回は前傾ラップ必至のメンバー構成で、差して②、③着は考えておきたい穴馬券です。
ドゥラエレーデは昨年のフェブラリーS(⑫着)は道中で力んでさっぱりでした。ただ、近走は脚質に幅が出て、インを突いたチャンピオンズC(③着)といい、前走・プロキオンS(③着)といい、好位でしっかり走れていたのは評価。好位持続型が強いフェブラリーSの傾向にマッチするタイプで、3番人気だった昨年と比べて、今年はオッズ妙味がありそうなのも魅力。ぜひ押さえたいです。
ペプチドナイルは昨年のフェブラリーSがあまりに強かった反面、メンバーは昨年よりも今年の方が揃っているというのが個人的見解。ベストパフォーマンスをして、果たして抜け出せるかどうか? 1F長かったチャンピオンズC(⑤着)はレモンポップがつくった数字以上に緊迫した流れの中、よく粘っていました。
ガイアフォースの前走・チャンピオンズCは、コーナーのきつい中京ダート1800mの外枠を引いた時点で厳しかったです。ただ、同じ外枠でも東京ダート1600mは状況が違います。スタート地点の芝部分を長く走れる利点は「外枠」ならありますし、ローテ的にも1回使ってここなら上積みが見込めますし、実際に調教はかなり動いていました。昨年(②着)と互角の走りができるのでは?
展開的には先行馬多数。プロキオンSを逃げ切ったサンデーファンデーは、同型のアンモシエラ、ウィリアムバローズ、ミトノオーあたりの出方も気になり、強気には推せません。
メイショウハリオは調教でズブさが出ている現状で、東京マイルは忙しさ負けしそう。アーテルアストレアは中間の動きがもうひとつ。見送ります。
券種・買い方 | 組み合わせ・点数 |
---|---|
馬単 |
各2000円(計4000円)
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馬単 |
各800円(計4000円)
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馬単 |
1000円
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馬単 |
各500円(計1000円)
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合計 | 10000円 |
小倉大賞典(G3)
小倉11R 芝1800m 15時20分発走予定
◎⑤ホウオウプロサンゲ
○⑨コスモブッドレア
▲⑦エピファニー
☆⑭エアファンディタ
△②ロングラン
△③シルトホルン
△⑩ショウナンアデイブ
△⑫セルバーグ
過去10年の臨戦は、中山金杯組が[3.1.1.25]と若干目立っています。その中山金杯を含めて「前走2000m組が[7.4.5.57]と、とにかく強いのが特徴。ただ、戦略的には逃げあり、追い込みありで、脚質的な有利不利はなく、当該年の展開で大きく変わってきます。
世代的には4歳、5歳が各3勝。6歳、7歳が各2勝。
1番人気が2勝、2番人気が2勝、3番人気が3勝、4番人気が2勝で、過去10年に限れば上位人気から勝ち馬が出ています。2021年の優勝馬テリトーリアル(前走・中山金杯⑥着)の11番人気が、人気薄での激走例です。
今年も小倉大賞典らしい混戦メンバー。それも、前走で掲示板(⑤着以上)に入っていない馬の方が多いので、かなり難解です。人気になるのはどの馬なのか? 正直、読み切れていません。
結論から言うと、◎ホウオウプロサンゲの「逃げ切り」に期待します。明け4歳で、前走2000mからの距離短縮。前走・小倉日経賞(④着)はウインシュクランにハナを譲る格好で、レース前半4F49秒3~同後半4F47秒2の「後傾ラップ」の瞬発力勝負となり、最後はバテたというより、切れ負けした印象でした。その前走で負けたことで、今回は1kg減のハンデ55kgで出られるのはまず有利。同型コスモブッドレアは「2~3番手」が現状は理想。セルバーグは昨年の小倉大賞典は逃げて③着だったのですが、折り合っていれば差せる競馬もできる自在派。芝初挑戦のヤマニンウルスがどれだけ先行意欲を見せるか微妙ですが、少々速めの好ピッチ(理想は前半5F59秒台)で逃げられるのでは? ホウオウプロサンゲは芝2000mでも勝っていますが、初白星を挙げたのは今回と同じ小倉芝1800mで、今回の1F短縮は間違いなく好材料でしょう。逃げてしまえば、2歳時のアイビーS(②着=勝ち馬ダノンエアズロック)や、3歳時の若葉S(②着=勝ち馬ミスタージーティー)のように、相当な粘りがあります。連闘や中1週などレース間隔を詰めて使うのは矢作厩舎の「必勝ローテ」でもあり、人気落ちも見込める今回は絶好の狙い頃では?
○コスモブッドレアはゴールドシップ産駒で洋芝巧者。途中で動いて押し切った前走・初富士S(①着)も着差以上に強かったです。だいぶ芝が傷んできたいまの小倉は合うタイプでしょう。問題は1F短縮の今回の距離。昨夏の札幌1勝クラス(③着=芝1800m)では、ホウオウプロサンゲに完敗しています。序盤でどの位置で流れに乗ってい行けるか? 自然体で2~3番手なら理想でしょう。忙しくて中団だと厳しいかも。昨年1月の京成杯(③着)でダノンデサイル、アーバンシックに続いた元値から、重賞でもやれるはず。本馬も明け4歳で前走2000m組です。
前年の優勝馬▲エピファニーが前走・チャレンジC(⑪着)からどこまで変わって来るか。追い切りはかなり動いていて、上昇を感じます。小倉で行われた昨夏の中京記念(②着)がハンデ58kgだったことを考えれば、今回のハンデ58.5kgは許容範囲では?
☆エアファンディタは8歳という年齢を除けば、中山金杯(⑧着)からの直行で、2走前のチャレンジC(③着)の内容も悪くなく、十分に狙い目はあります。
ロングランは昨年の当レースの②着馬。当時と据え置きのハンデ57kgは、近走重量負けしている印象からもプラスでしょう。ただ、差し一手なので、昨年ぐらいの「先行激化」になると良いのですが、そこまで乱ペースになるとは想定していません。
シルトホルンは前走・小倉日経賞(②着)が上々の試走。ただし、勝ち味には遅いので①着までとなるとどうか? ②、③着で手堅く走れるイメージ。
ショウナンアデイブは中山金杯(⑦着)が悪くなく、据え置きのハンデ55kgは魅力。
セルバーグは昨年の当レースで逃げて③着。据え置きのハンデ57kgもいいので、極端に飛ばさなければ好走も。
問題は芝初挑戦のヤマニンウルスです。ジャスタウェイ産駒なので、当然芝も…と思いますが、パワー寄りの馬体と、前走の交流重賞(名古屋大賞典⑥着)で崩れたのは気になります。ある程度の人気になりそうで、オッズ妙味はありません。あえて「見送り」とします。
券種・買い方 | 組み合わせ・点数 |
---|---|
馬単 |
各2000円(計4000円)
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馬単 |
各800円(計4000円)
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馬単 |
各500円(計2000円)
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合計 | 10000円 |
ご注意
レースに関する情報は、主催者発表のものをご確認ください。また、勝馬投票券の購入はお客様のご判断の元で行ってください。
記事の配信(発売)後は、出走取消・除外・騎手変更などがあっても、原稿の差し替え等は基本的に行っておりません。あらかじめご了承ください。
記事の配信(発売)後は、出走取消・除外・騎手変更などがあっても、原稿の差し替え等は基本的に行っておりません。あらかじめご了承ください。
小田哲也 プロフィール
スポーツニッポン新聞社記者。コラム「万哲の乱」担当。2015年には宝塚記念で3連単52万馬券を当てるなど、万馬券メーカーであることから「万哲」という愛称で競馬ファンに親しまれている。2004年天皇賞・春のイングランディーレ(10番人気)、2009年天皇賞・春のマイネルキッツ(12番人気)、同年菊花賞のスリーロールス(8番人気)など長距離G1の本命馬激走多数。グリーンチャンネル「中央競馬全レース中継」パドック解説を担当中。
【予想スタイル】
まず重視するのは好走した時の最大パフォーマンス。極論すれば、条件に合わない距離、競馬場、馬場状態、あるいは展開等での凡走は無視してOK。着順タイプは常に善戦型より、三振か本塁打か?の「1着型」を好んで狙う傾向あり。京都、阪神と馬券相性が良く、中山はダート1200メートルがとにかく好き。
【予想スタイル】
まず重視するのは好走した時の最大パフォーマンス。極論すれば、条件に合わない距離、競馬場、馬場状態、あるいは展開等での凡走は無視してOK。着順タイプは常に善戦型より、三振か本塁打か?の「1着型」を好んで狙う傾向あり。京都、阪神と馬券相性が良く、中山はダート1200メートルがとにかく好き。