
4/26(土)
青葉賞(G2)
東京11R 芝2400m 15時45分発走予定
◎④ゲルチュタール
○⑨ファイアンクランツ
▲⑧ガルダイア
☆⑩エネルジコ
△②ロードガレリア
△⑤ホウオウアートマン
△⑥ヤマニンブークリエ
△⑦アマキヒ
青葉賞は例年より1週早まりましたが、頭数が少ないのは過去にもよくありました。今年は開幕週で良馬場、ガルダイアが自ら引っ掛かって逃げなければ、Sペースに近い淡々としたMペースになると想定しています。少頭数でも、極端に後ろからでは届かない恐れも。少頭数とはいえ、ある程度の追走力は問われるでしょう。優勝推定タイムは「2分24秒台前半」か。
◎ゲルチュタールは芝2400mの前走・ゆきやなぎ賞(①着)が仕掛けつつ動いて、早め先頭で押し切る好内容。勝ちタイム2分24秒6は、もうひと押しあれば、青葉賞の優勝タイムに匹敵します。いま思うと、京成杯(⑩着)は冬場で馬体も仕上げにくかったのでしょう。重め残りで、道中は仕掛けても反応が鈍く、3コーナー手前では既に圏外。馬場状態が違うとはいえ、葉牡丹賞を「1分58秒8」で走った馬が、同舞台で「2分1秒9」はコンディション面でも不備があったのではと思います。今回は中間もハードに乗れていて、馬体は絞れている様子。前走が動きつつ位置を取って結果を出したことで、今回も変に控えず、腹を括って「好位からのロングスパート」に徹することができるのは優位でしょう。母父ゼンノロブロイの血が色濃く出ていて、ロブロイ自身は2003年青葉賞の優勝馬ですから、コース適性も十分あると思います。気持ちを切らさずに走れれば。差し馬完封の「①着固定」で勝負。
○ファイアンクランツは、流れの中で最後に外を伸びた昨秋の東京スポーツ杯2歳S(④着)といい、かなりハイレベルの相手とやっていて、勝負所の反応が俊敏ではない分、レースが終わった頃に伸びてくる競馬が多い印象。ただ、このタイプは距離が延びて、レースを使うごとに道中の反応が良くなるパターンもしばしば。前走・すみれS(③着)は切れ負けというより、「開幕馬場」を活かして逃げたジーティーアダマンとの、内と外の差が大きかったと思います。ここは好調モレイラ騎手が乗ることもあり上位人気でしょう。さて、道中の位置は? 今までのイメージだと、中団辺りになりそうですが、それで突き抜けるかどうか。これまでやってきた相手は結構強力ですし、ゆりかもめ賞(②着)ですでに東京芝2400mをこなしているのは強調ポイントになります。
▲ガルダイアは、「単騎逃げ」はほぼ確実。毎日杯(②着)は、勝ち馬ファンダムの鬼脚を別格とすれば、京成杯で掛かった点も払拭しており評価できます。問題は距離でしょう。アエロリットの半弟という血統背景ですし、マイルにも対応していた点でも、2400mは長い恐れはあるのですが、「開幕馬場」が合わないはずがない展開利は軽くは扱えません。
☆エネルジコは先週の調教に騎乗したルメール騎手の評価が「案外」だったので、評価を一枚下げました。確かにラスト300mの切れは素晴らしいですが、果たして2400mでそこまで脚が溜まっているかどうか? 1800~2000mの差し比べが理想にも映り、開幕週向きとは言えない「序盤の追走力」も含めて、あくまでも押さえの評価。
△4頭で穴っぽいのはロードガレリア。フィエールマン産駒は初戦からというタイプは少ない半面、父同様に着実に力を付けていく馬がいます。弥生賞(⑭着)が大幅な馬体増でしたが、絞れた前走のアザレア賞(②着)は勝ち馬ダノンシーマがそれなりの実力馬であることを考慮すれば高価値。2400m続戦を活かせば侮れない存在。
ホウオウアートマンはスパッと切れない印象ですが、体力自慢。今回はブリンカー着用で、前向きさや集中力が出れば、違った面が出るかも。陣営が戸崎騎手を確保して、使ってきたのがなんとも不気味。
芝に戻るヤマニンブークリエは、意表の「逃げ」に出た時に不気味。アマキヒはゆりかもめ賞(③着)がファイアンクランツに完敗。2頭間の比較では、それ以上の評価はしにくい。あくまで、②着候補の1頭の評価です。
券種・買い方 | 組み合わせ・点数 |
---|---|
馬単 |
3000円
|
馬単 |
各1000円(計2000円)
|
馬単 |
各500円(計2000円)
|
馬単 |
2000円
|
馬単 |
1000円
|
合計 | 10000円 |
4/27(日)
フローラS(G2)
東京11R 芝2000m 15時45分発走予定
◎⑫ヴァルキリーバース
○⑬ルクスジニア
▲⑱エストゥペンダ
☆②ロートホルン
△⑦ブラックルビー
△⑨ゴーソーファー
△⑩カムニャック
△⑯ロジャリーマイン
青葉賞は1週前倒しになって、ダービーとの間隔が広がりましたが、フローラSは昨年までと同様、春の東京開幕週に施行されます。今年は除外馬も出て、2019年以来、6年ぶりにフルゲートの18頭立てになりました。こうなると、クローズアップされるのは「東京芝2000mは外枠不利」の鉄則。実際、フローラSの過去10年で、2016年にチェッキーノが大外の馬番18番(フルゲート18頭立て)で優勝した例はありますが、そのチェッキーノを含めても、他にふた桁馬番で優勝したのは2021年クールキャット(馬番15番)だけ。東京芝2000mはスタートして間もなく、2コーナーの左カーブを迎えます。縦長のハイペースになった際は別として、3歳春の牝馬同士の重賞とあれば、極端に流れるケースはそうありません。今年のメンバーを見ても、ロートホルン、ルクスジニアあたりが逃げ候補ですが、両馬ともにガリガリ逃げるタイプでもありません。
フローラSにはローテーション的に際立った傾向があります。「前走1勝クラス(特別レース含む)勝ち馬」が活躍しています。過去10年の優勝馬10頭中、半数の5頭は2020年ウインマリリン(前走ミモザ賞①着)など、前走1勝クラス①着馬でした。残る優勝馬の前走内訳は「重賞敗戦組が3頭」、2016年チェッキーノが「前走・アネモネS①着(OP特別)」。昨年優勝のアドマイヤベルは1勝クラス特別②着(フリージア賞)で、このパターンはちょっと例外かもしれません。未勝利戦を勝ったばかり、1勝クラスで負けている馬(③着以下)が勝つのは至難です。
◎ヴァルキリーバースは前走が牡馬相手のフリージア賞で①着。「1勝クラスの特別」を勝ち切っての参戦はまず好ポイント。昨年の優勝馬アドマイヤベルと同じステップ(同馬はフリージア賞②着)で、東京芝2000mを続戦で挑むので評価しやすいです。その前走の②着ダノンシーマが次走アザレア賞で①着、③着フクノブルーレイクが次走スプリングSで②着と好走しており、レースレベルも水準以上でした。
ヴァルキリーバース自身はスタートで後手を踏みましたが、3コーナー手前で2番手に押し上げ、直線の残り400m地点で早々と先頭に出て、後続を完封しました。血統的には、母の姉デニムアンドルビーが2013年の当レース優勝馬。また、父エピファネイア、母父ハーツクライで、額面通りの延長型。マイルの新馬戦で、勝負所でモタついて見えたレースぶりから、桜花賞型ではないと思えますし、冬場を充電したのも評価できます。ここはルメール騎手との再コンビ。中間の上積みも強調できます。問題は外寄りの「馬番12番」と、やはり「スタート」でしょう。9頭立てだった前走と違って、今回は18頭立て。出負けすれば、前走のようにはリカバーが利かない恐れがあり、位置取り負けの危険はあります。時計的には前走の「2分0秒5」から短縮可能でしょう。とにかく、スタート。発馬の欠点が、どれだけオッズに盛り込まれるか? 重賞を使ってきた組と遜色ないと見ている基礎能力を評価します。
○ルクスジニアも外寄りの馬番13番は確かに微妙。ただ、前走・君子蘭賞①着で「1勝クラス勝ち組」の好ステップ。1F延ばして好結果が出た前走内容と、父キズナ、母父ハービンジャーの配合から、2000mはOKでしょう。ここ2戦は逃げて勝っているので、控えた時にどうなるかの疑問符は付きますが、他に逃げそうなのはロートホルンぐらいで、その気なら「逃げ」か「2番手」は叶いそうです。
問題は▲エストゥペンダ。「馬番18番」に決まるまでは、◎まで考えていました。前走・クイーンC(③着)は強すぎた勝ち馬エンブロイダリーを基準にすれば、0秒6差は上々。4戦連続で上がり3F最速。大型馬が出にくいサートゥルナーリア産駒の特性をこの馬も引き継ぎ、決してマイル特化ではない融通性も感じています。ただ、やはり馬番18番は厳しい。アバウトに外を回る展開になってしまうと、距離損は避けられません。芝2000mが初めてになるので、序盤から脚を使って、位置を取りに行くのは勇気も要るでしょう。「大外枠」がどうオッズに作用するか。単勝4~5倍台に落ちるようだと「買い」ですが…。オッズを見たいです。
穴っぽいのは☆ロートホルン。前走・クイーンC(⑦着)は、結果的に勝ち馬エンブロイダリーに早めに交わされた分、厳しい逃げになりました。ただ、もっと沈んでもおかしくない展開で勝ち馬と「1秒1差」は、自身の1分33秒3の時計価値を含めて決して悪くありません。2走前の東京芝1800mで「1分45秒9」の好時計。まだ、脚質が定まっていない分、控えて差す脚があるかなど、微妙な面もあるのですが、内寄りの馬番2番は絶好。芝1800mの持ち時計にあと1F12秒台半ばで乗り切れば、1分58秒台で走破できる裏付けはあります。逃げるか?それともうまく好位で控えるのか? 切れる脚は見せていない現状ですが、時計の魅力はあります。
ブラックルビーが1番人気候補でしょうか。センスの点では同じ田中博厩舎のヴァルキリーバース以上と見ます。調教も動いていて、4コーナー好位から、あっさり抜け出している過去2戦の内容から、開幕週向きの「追走力」も十分。操縦性も高い。陣営からは「菊花賞でも」の声が出ているスタミナは、侮れないものがあります。一抹の不安は、開幕週の時計決着がどうかでしょう。これまでの2勝は時計が出にくい福島、中山内回りでのもの。1分58秒台に突入した時、確かにラストは切れる馬なのですが、経験値不足がカギになりそう。
ゴーソーファーは、「前走・フラワーC③着」はフローラSのステップとしては理想的。最後までしっかり脚を使えるのは長所。半面、そこまで切れる感じはないので、本質的には東京の「軽い脚比べ」になった時や、これまで差す競馬に徹しているので、開幕週で前を捉えきれないケースは多少考えておきます。
穴っぽいのはカムニャック。アルテミスSは⑥着でしたが、勝ち馬と0秒2差。何より新馬戦で芝2000mを勝っているのは強み。マイルで速さ負けしている形ですが、今回は2F延長がカンフル剤に。
ロジャリーマインは「未勝利戦①着直後」なので、ローテ的には厳しいです。ただ、アマキヒにぶつけた新馬戦(②着)といい、レース経験は2戦だけですが、すでに東京芝2000mもこなしていて、強い相手とやってきたことが強調ポイント。中山芝2000mの馬番18番で勝ち切った前走・未勝利戦も時計以上の価値はあります。今回の外枠は中山芝2000mの外枠以上にきついでしょうが、母マリアライトの良血も考慮して、押さえます。
券種・買い方 | 組み合わせ・点数 |
---|---|
馬単 |
各2000円(計4000円)
|
馬単 |
各800円(計4000円)
|
馬単 |
各1000円(計2000円)
|
合計 | 10000円 |
ご注意
レースに関する情報は、主催者発表のものをご確認ください。また、勝馬投票券の購入はお客様のご判断の元で行ってください。
記事の配信(発売)後は、出走取消・除外・騎手変更などがあっても、原稿の差し替え等は基本的に行っておりません。あらかじめご了承ください。
記事の配信(発売)後は、出走取消・除外・騎手変更などがあっても、原稿の差し替え等は基本的に行っておりません。あらかじめご了承ください。
小田哲也 プロフィール
スポーツニッポン新聞社記者。コラム「万哲の乱」担当。2015年には宝塚記念で3連単52万馬券を当てるなど、万馬券メーカーであることから「万哲」という愛称で競馬ファンに親しまれている。2004年天皇賞・春のイングランディーレ(10番人気)、2009年天皇賞・春のマイネルキッツ(12番人気)、同年菊花賞のスリーロールス(8番人気)など長距離G1の本命馬激走多数。グリーンチャンネル「中央競馬全レース中継」パドック解説を担当中。
【予想スタイル】
まず重視するのは好走した時の最大パフォーマンス。極論すれば、条件に合わない距離、競馬場、馬場状態、あるいは展開等での凡走は無視してOK。着順タイプは常に善戦型より、三振か本塁打か?の「1着型」を好んで狙う傾向あり。京都、阪神と馬券相性が良く、中山はダート1200メートルがとにかく好き。
【予想スタイル】
まず重視するのは好走した時の最大パフォーマンス。極論すれば、条件に合わない距離、競馬場、馬場状態、あるいは展開等での凡走は無視してOK。着順タイプは常に善戦型より、三振か本塁打か?の「1着型」を好んで狙う傾向あり。京都、阪神と馬券相性が良く、中山はダート1200メートルがとにかく好き。