
5/10(土)
エプソムC(G3)
東京11R 芝1800m 15時45分発走予定
◎⑰ダノンエアズロック
○⑭デビットバローズ
▲④ドゥラドーレス
☆⑪トップナイフ
△②シュトラウス
△⑦コントラポスト
△⑧クルゼイロドスル
△⑯セイウンハーデス
エプソムCは重賞の日程変更で、昨年までより開催時期が約1ヵ月早まりました。ただ、レースの推理は日程が変わったことよりも、土曜午前中までかなり降るとの予報の雨をどう見るか? そして多すぎる休み明けの馬をどうジャッジするかでしょう。
休み明けという点では能力を高く評価している☆トップナイフが昨夏の函館記念(⑩着)の前に続き、2度目の膝蓋手術があっての休み明け。雨が残る分には絶好でしょうが、さすがに様子を見た方がいいかもしれません。底力で格好をつけるシーンはあるかしれませんが。
シュトラウスは鼻出血明け。2月の白富士S①着以来の実戦となります。当時が完全に折り合ったというより、まだ制御に苦慮しつつも、何とか凌いだ形。個人的には、まだ全幅の信頼は置けません。今回は逃げるのか!? メイショウチタンか、ビーアストニッシドが行くようなら、追いかける恐れもあります。前走・白富士Sと比べると、ここは相手強化もしています。
◎ダノンエアズロックは最終追い切りでサトノカルナバル(NHKマイルC出走)の前を走っていました。サトノカルナバル自体は初めから単走だったのもあったでしょうが、ダノンエアズロックの迫力が凄くて、思わず目が釘付けでした。休み明けをまったく感じさせない抜群の動きでした。父モーリス、母父ファストネットロックで、パワー兼備。というより、モーリス産駒なので、極端な切れ勝負になるよりは雨が残るパワー系の馬場は確実に合うでしょう。それに、東京芝1800mはベスト条件と見ます。2歳時のアイビーS(①着)では、レガレイラを寄せ付けず圧倒しました。昨秋の毎日王冠(⑥着)は直線半ばの手応えはかなり渋かったですが、レースが終わった頃に力強く伸びて、勝ち馬シックスペンスとは0秒3差でした。今回はレーン騎手を配して、勝負態勢。休み明けが多いメンバー構成ですが、調教の進捗度はかなり進んでいます。
○デビットバローズは順調の強み。前走・大阪城Sは1分44秒6の好時計勝ち。今回は道悪があまり残ると心配ですが、今の東京なら、急速に乾くでしょう。東京実績はないですが、昨年の新潟大賞典(④着)や中京で2勝の実績から、左回り自体はOKでしょう。すんなり好位に行ければ好勝負。
▲ドゥラドーレスは、菊花賞④着だから元値は上位ですが、休みがちだった分、前走①着で完全復調できたかは微妙な線。ただ、約3ヵ月程度の休養でレースを使えるのは良いでしょう。
コントラポストの前走・ダービー卿CT(②着)はイン差しを決めたトロヴァトーレには負けましたが、充実を感じさせる内容。もともと、東京は合いますし、1800mは守備範囲。
クルゼイロドスルの前走・中山記念(⑤着)は中山芝1800mでは試練の大外枠を考えれば上々。
セイウンハーデスは道悪が残ると理想でしょうが…。直近2戦の負け方は屈腱炎によるブランクを否定できない印象を持ちます。それでも「不良」か「重」なら押さえますが、半信半疑。
券種・買い方 | 組み合わせ・点数 |
---|---|
馬単 |
各2000円(計4000円)
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馬単 |
各1500円(計3000円)
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馬単 |
各500円(計1500円)
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馬単 |
1000円
|
馬単 |
500円
|
合計 | 10000円 |
5/11(日)
NHKマイルC(G1)
東京11R 芝1600m 15時40分発走予定
◎⑱コートアリシアン
○⑧アドマイヤズーム
▲⑩マジックサンズ
☆⑥イミグラントソング
△⑤ランスオブカオス
△⑫マピュース
△⑮アルテヴェローチェ
△⑯サトノカルナバル
NHKマイルCは毎年のことながら、主要5ステップの分析がカギ。ただ、波乱もよくあります。それぞれの過去10年の結果は以下の通り。
前走 | 着別度数 |
皐月賞 | [3.1.0.9] |
桜花賞 | [2.3.0.13] |
ニュージーランドT | [2.2.2.38] |
アーリントンC | [1.0.5.26] |
ファルコンS | [1.0.2.19] |
効率の良さは皐月賞、桜花賞ですが、いずれもG1のかなり激しい競馬を戦った直後。特に皐月賞はNHKマイルCまでのレース間隔が短く、消耗度は気になる点です。逆にニュージーランドTは本番での「着外」もかなり多く、好走か凡走かは両極端。ただ、まったく無視できないのも事実。今年は朝日杯FSを制したアドマイヤズームが使って②着。そのアドマイヤズームが「弱い」とみれば、ニュージーランドT組はすべて無視なのでしょうが、個人的には今年のニュージーランドT組は強いと思っています。
アーリントンC(今年のチャーチルダウンズCに相当)とファルコンSからのステップは優勝馬が1頭ずつ。ただ、②着はありません。単発傾向です。ファルコンSからは2020年ラウダシオン(9番人気=ファルコンS②着)、アーリントンCからは2022年ダノンスコーピオン(4番人気=アーリントンC①着)が優勝していますが、この組は人気にはなりにくいです。
過去10年のNHKマイルC自体は、1番人気の優勝は2016年メジャーエンブレム(桜花賞④着)だけ。2番人気は4勝と活躍し、6番人気が1勝、9番人気が2勝。人気通りにはいっていません。
まず、1番人気候補の○アドマイヤズームをどう見るか。ニュージーランドT(②着)は本命に推していて、正直なところ負けるとは思っていませんでした。ただ、人気を背負って勝ちにいく競馬をして、関東圏の輸送も初めてで、中山も初めて。当然、本番を見据えたつくりだったでしょう。勝ち馬イミグラントソングは中山マイルも2度経験していて、年明け1戦使っている強みがありました。レース当日の中山の芝は「内傷み、中~外伸び傾向」で、勝ち馬に利があったのも事実でしょう。同日の中山10R・あけぼのS(芝1600m)を勝った古馬3勝クラスのダイシンヤマトの勝ちタイムが1分32秒6。この古馬との比較でも、アドマイヤズームは勝ったイミグラントソングと「同タイム」の1分32秒4は評価できます。
そして今回は、1回使った上積みも大きいでしょう。ただ、個人的に引っ掛かるのは東京コースが初めてという点。モーリス産駒は、これまで東京芝G1には述べ19頭が出走していて[0.0.0.19]とすべて④着以下。馬券対象になったことが一度もありません。東京特有の極端に上がりが速い瞬発力勝負が苦手なのか? アドマイヤズーム自身がマークした最速上がり3Fは、朝日杯FS(京都)で記録した同33秒6。早め好位から押し切るような競馬をして、そのまま押し切れれば理想ですが、中~外から何かが飛んできた場合には、安泰といえるかどうか!? 左回り自体は問題ないでしょうが、東京芝1600mがベスト舞台かは気になるところ。これが、パワーや持続力がモノを言う中山なら「鉄板」なのでしょうが…。
◎コートアリシアンは「穴」での期待。もちろん、決め手が活きる東京コースでこその狙いです。前走・ニュージーランドT(③着)は、クイーンC(④着)から一段パフォーマンスを上げました。残念だったのは、ニュージーランドT当日の中山の芝は、開催が進んで内寄りが悪化していた分、中山芝1600mでは本来有利な「内枠」がアダになったこと。それでも課題の発馬を決め、4コーナーでも内寄りの馬群を捌いて、よく伸びました。走破タイムは自己新の1分32秒6。阪神JF(⑥着)は大きく出遅れ。続くクイーンC(④着)は厳寒期でまだ良くなる余地を残す中の競馬で、結果的に勝ち馬エンブロイダリーも強すぎました。前走は中山だったから好走した訳ではなく、明らかに軽い東京コース向きだと見ます。
今週末は土曜の雨が上がって、日曜は急速に乾くでしょう。そうなると、昨年6月にコートアリシアンが東京の新馬戦(①着)で記録した上がり3F33秒3の決め手が活きそう。しかも、パドックでかなりイレ込んで見えた新馬戦当時と比べて、前走ニュージーランドTは肩の力も抜けて、いい意味でゆったりと歩けて、気性面の成長も感じました。同じサートゥルナーリア産駒のファンダムは、3月の毎日杯(①着)で上がり3F32秒5と極限の切れを使いました。同産駒は第1世代でサンプル数が少ないですが、本馬も軽い東京の芝で、似たように切れる決め手を持っている可能性があります。NHKマイルCは外枠が好走していますが、3歳春の若駒にとってゴチャつく競馬はかなり過酷なので、特に内枠は苦戦しているのもあると思います。大外馬番18番は、ゲートで待たされる心配も軽減され、互角のスタートを切るにはプラスになる可能性もあります。見えない中~外から一気差し。これが激走のシナリオです。
ニュージーランドTを制した☆イミグラントソングも当然侮れませんが、マクフィ産駒の傾向はマイルよりやや短め。前走は中山でハマりましたが、東京芝1600mはマイルよりもっと長い距離をこなせるタフさが問われる分、コース替わりはマイナスに働く恐れも。
ニュージーランドT組に割って入るならば、▲マジックサンズでしょう。前走・皐月賞は致命的な大外の馬番18番。それでも外を回りながらも、最後はよく伸びました。母系にアンブロワーズ(阪神JF②着)もいて、マイル対応の機動力は十分備えているはず。ただ、アドマイヤズームと同様に、こちらも東京は初めて。2000mを続戦した後なので、序盤から流れに乗れるか!? また、上がり3F33秒台前半の決め脚勝負になった時に一抹の不安も。土曜の雨が残れば、大きなプラスでしょう。ただ、G1の速い流れは折り合うには絶好でしょう。押さえたい1頭です。
△マピュースはクイーンC(②着)でコートアリシアンに先着。前走・桜花賞も伸びにくい内から道悪でも伸びてきました。阪神遠征後ですが、直近2週は調教でも動いていました。上積みこそなくとも、好調は維持。父マインドユアビスケッツ、母父シンボリクリスエスという、決して軽いとは言えない血統がどう出るか? 一緒に伸びても、軽さ負けして「②着、③着」のシーンは考えておきます。
例年なら、軽く扱うチャーチルダウンズC(昨年までのアーリントンC)は勝ち馬ランスオブカオスが「1分32秒2」、②着アルテヴェローチェが「1分32秒5」を計時できた点では評価。ランスオブカオスはまず発馬が課題。アルテヴェローチェはアドマイヤズーム同様、モーリス産駒なので「3F33秒台前半」を問われる決め脚勝負になった時がどうかですが、逆に土曜の雨が残るようなら鬼に金棒。当日の馬場状態は要チェック。
サトノカルナバルは新馬、函館2歳Sは相当な脚力を感じましたが、今週の最終追いは前を走るダノンエアズロックがあまりに良く見えて、目立ちませんでした。ただ、共同通信杯の1800mよりはマイル向きでしょう。すぐ横のヴーレヴーの出方もありますが、函館2歳Sでの出脚を見るに、マイルの外枠でもスッと好位に付けられる脚はあるでしょう。
ファルコンS①着のヤンキーバローズは完全にスプリント指向でマイル不安。モンドデラモーレは土曜の雨が残ればいいのですが、乾いて「1分32秒台前半」になった時に高速経験値不足が祟る可能性も。
マピュース以外の桜花賞組はすべて関西馬。輸送による馬体維持は気になり、マピュース以外は印を打っていません。ショウナンザナドゥはフィリーズレビューで見せた切れは凄かったのですが、体を減らした2月クイーンC(⑨着)の輸送不安は気になります。
展開は例年通り、前半3F34秒台のMペースと見ます。時にラウダシオンが勝った2020年のような「前残り」もありますが、最後は中~外伸び切りが多いレース特徴。コートアリシアンは、前走のように「中団」で折り合えれば理想的。雨上がりの東京で内から芝が乾き、内に各馬が殺到してくれれば、大外馬番18番はリズム良く運ぶにはプラス材料に好転する可能性もあります。昨年6月の東京での新馬圧勝時に見せた切れに懸けます。コートアリシアンは8~10番人気想定。馬連でも相当付くとみて、穴買いします。
券種・買い方 | 組み合わせ・点数 |
---|---|
馬連 |
各2000円(計4000円)
|
馬連 |
各800円(計4000円)
|
馬連 |
2000円
|
合計 | 10000円 |
ご注意
レースに関する情報は、主催者発表のものをご確認ください。また、勝馬投票券の購入はお客様のご判断の元で行ってください。
記事の配信(発売)後は、出走取消・除外・騎手変更などがあっても、原稿の差し替え等は基本的に行っておりません。あらかじめご了承ください。
記事の配信(発売)後は、出走取消・除外・騎手変更などがあっても、原稿の差し替え等は基本的に行っておりません。あらかじめご了承ください。
小田哲也 プロフィール
スポーツニッポン新聞社記者。コラム「万哲の乱」担当。2015年には宝塚記念で3連単52万馬券を当てるなど、万馬券メーカーであることから「万哲」という愛称で競馬ファンに親しまれている。2004年天皇賞・春のイングランディーレ(10番人気)、2009年天皇賞・春のマイネルキッツ(12番人気)、同年菊花賞のスリーロールス(8番人気)など長距離G1の本命馬激走多数。グリーンチャンネル「中央競馬全レース中継」パドック解説を担当中。
【予想スタイル】
まず重視するのは好走した時の最大パフォーマンス。極論すれば、条件に合わない距離、競馬場、馬場状態、あるいは展開等での凡走は無視してOK。着順タイプは常に善戦型より、三振か本塁打か?の「1着型」を好んで狙う傾向あり。京都、阪神と馬券相性が良く、中山はダート1200メートルがとにかく好き。
【予想スタイル】
まず重視するのは好走した時の最大パフォーマンス。極論すれば、条件に合わない距離、競馬場、馬場状態、あるいは展開等での凡走は無視してOK。着順タイプは常に善戦型より、三振か本塁打か?の「1着型」を好んで狙う傾向あり。京都、阪神と馬券相性が良く、中山はダート1200メートルがとにかく好き。