
6/8(日)
安田記念(G1)
東京11R 芝1600m 15時40分発走予定
◎⑩ジャンタルマンタル
○⑨シャンパンカラー
▲⑱ブレイディヴェーグ
☆⑬ソウルラッシュ
△①シックスペンス
△⑧エコロヴァルツ
△⑪サクラトゥジュール
△⑭ウォーターリヒト
古馬のマイル部門は世代交代がなかなか進まず、本来ならば昨年の時点で現5歳(当時4歳)が頂点に立ってもおかしくないところ、実際には春の安田記念は香港のロマンチックウォリアー(当時セ6歳)が勝ち、秋のマイルCSはソウルラッシュ(当時牡6歳)が勝ちました。
今年の安田記念は3歳馬の参戦はないので、世代的には4歳、5歳、6歳以上の戦い。本来なら「主力」になってもおかしくない5歳馬が、シャンパンカラー、ブレイディヴェーグの2頭だけ。この2頭に重い印は打っていますが、6歳以上の「高齢馬」よりは、今後のマイル部門を背負っていくべきは「4歳」とみて、最も重い印を置きました。6歳以上の馬たちがここでも頑張るようなら、敬礼するよりありません。
4歳馬の中でも特に◎ジャンタルマンタルでしょう。昨秋は予定した富士Sを熱発で見送り、挑んだ香港マイル(⑬着)は体調面でもトップコンディションとは言えない状況。レースでは他馬とぶつかる不利もありましたが、結果的に7ヵ月ぶりの休養のハンデが響いた形。再び立て直した今回の中間は、川田騎手が騎乗した先週が栗東坂路4F50秒1の自己ベスト。それも、高野厩舎らしく、坂路2本目で計時した点に加え、ビッシリと負荷をかけてきた点に意欲を感じました。四肢の可動域が広くなって、出来はこれまでで一番といえるのでは? 馬体にも迫力が出ています。昨春のNHKマイルC(①着)は、確かに不利があった馬が②着以下に多々いましたが、自身は1分32秒4の好時計でまとめて完勝。それも、18頭立ての馬番16番から、悠々と好位を確保して叩き出しました。好時計が続出している今の東京なら、日曜中に天気が崩れない限りは「1分31秒台前半」が濃厚。安田記念はある程度の位置を確保できる機動力が欲しいですが、ジャンタルマンタルなら、それも可能とみます。今回は絶好の馬番10番。話は古いですが、超高速決着になった昨春の皐月賞(③着)で、優勝寸前までいって「1分57秒2」は今更ながら価値大。時計対応力は現役屈指で、場合によっては「1分30秒台」までOKとみて信頼します。
相手妙味は、あえて5歳馬○シャンパンカラー。明らかにここ2戦が復調ムード。スタートで外にヨレるような形で出て、出負けした前走・ダービー卿CT(⑥着)が結果的に外を回る形で、勝ち馬トロヴァトーレと0秒3差。それもトロヴァトーレよりも1kg重いトップハンデ58.5kgを背負ってのもので、価値は高いです。田中剛調教師が騎乗した今週の最終追いの美浦坂路4F51秒3は、実は同日の坂路の一番時計。火曜に大量に雨が降った、時計の掛かる馬場状態を考慮すると破格。内田騎手が騎乗した1週前は、Wコースでラスト1F10秒9。4歳の昨年は体調が上がりませんでしたが、今回は長期休養でオーバーホールを図ったことで、完全に出来が上がっているようです。全3勝は東京芝1600m。NHKマイルC優勝が「稍重」で1分33秒8という低速決着ですので、時計不足を懸念する面と、凡走続きの近走から人気にはならないでしょうが、一変の可能性は秘めていると思います。59kgの酷量で内寄りを伸びた、2走前の東京新聞杯(⑦着)もファイトは見せていて、穴馬券に是非。
同じく5歳の▲ブレイディヴェーグのドバイは、暑さとタフな芝で能力半減した形。やはり軽い芝の東京コースでこそでしょう。マイルでは結果は出ていませんが、昨秋のマイルCS(④着)でも1分32秒4と一定の時計で走れていますし、東京ならさらにパフォーマンスが上がる余地はあるでしょう。今回は序盤に脚を溜めて、最後に使う競馬でしょう。昨秋の府中牝馬Sが上がり3F32秒8。あまりピッチが上がらないと、大外の馬番18番は明らかにマイナスでしょうが、今週はCコース2週目で、多少内が傷み出したので、馬場傾向的には「外枠でアウト」という訳ではありません。もう少し内枠が取れれば◎まで考えましたが、それでも外せない1頭です。
ソウルラッシュはご存じの通り、多少時計が掛かる芝なら「鉄板級」。ただ、今の東京はゲリラ雨や、想定より早い梅雨入りがない限り、日曜時点では時計の出るパンパンの高速馬場でしょう。1分30秒台後半の決着で、本馬が差して突き抜けるまでのシーンは考えにくく、評価は4番手に下げました。もし、昨秋のマイルCSの「1分32秒0」で勝てる馬場レベルなら優勝争いと思いますが、そこまで遅くはならないでしょう。東京だと「②、③着候補」とみるのが妥当でしょう。もちろん、当日に想定外の雨が降れば、単勝まで。
シックスペンスは坂路追いが中心だった以前と比べると、今は爪の不安が解消してWコース追いできており、調子は一段上がりました。ただ、中山記念(芝1800m)で最内の馬番1番から勝っていますが、中山内回り1800mと東京1600mは「異質」なので、同じ内枠とはいえ有利ともいえません。内が傷み出した今の東京の芝で、内で揉まれる形になるとどうか? 時計的にも中山記念の1分44秒8(マイル換算で1分32秒台前半)ではV直結とはいえず、ここは試金石。大阪杯(⑦着)自体も物足りなさはあり、押さえまでの評価。
エコロヴァルツは朝日杯FS②着。当時の勝ち馬がジャンタルマンタル。その後、菊花賞まで挑んだ馬が、いまマイルでどうかは半信半疑ですが、大阪杯(④着)は落鉄の不利も痛かったと思いますが、内を突いて頑張っていました。ある程度の位置で走れれば、ラストの決め脚や持久力は本来は東京向きでしょう。さほど人気もないのでは? オッズ的には買い頃でしょう。
ウォーターリヒトは近走強くなった印象がありますが、もともと3歳春のシンザン記念③着、きさらぎ賞②着の実績馬。マイルに専念して一段強くなったし、東京中心のローテで結果を出しているのも強み。さらに一段上にいけるかでしょう。昨春のNHKマイルC(⑧着)時点ではジャンタルマンタルとはかなり差を感じました。
高配当狙いでぜひ買いたいのはサクラトゥジュール。前向きすぎる点がアダになることもありますが、うまく前半で制御が利いた時の強さは、2走前の京都金杯でも実証済み。何より、3歳春の時点で、東京芝1600mで「1分31秒7」の高速決着への対応力がありました。ここはレーン騎手との再コンビで、意外に穴人気するかも? 昨年の東京新聞杯(1分32秒1)にもうワンパンチあれば、V圏内へ。
展開的には逃げ候補不在で落ち着いた流れになりそう。その気になれば、すんなり前に行くスピードがあるマッドクール、ウインマーベルあたりも不気味なのですが、内が傷み始めた今の東京の芝で「内&前の利」があるかは微妙。レッドモンレーヴ、ガイアフォースあたりも堅実に走れていますが、ひとつ歳を取って、5歳時だった昨年より上のパフォーマンスができるか?
外枠ではトロヴァトーレ、ジュンブロッサムの評価もカギに。トロヴァトーレの前走・ダービー卿CTは、内寄りをうまく立ち回ったモレイラ騎手の好騎乗が目立ちました。今回は定量戦の58kgとなり、いきなりのG1で通用するイメージはまだありません。調教は先週より着実に一段上がっているのですが、1分31秒台突入となると、枠も含めて厳しいでしょう。
ジュンブロッサムはどうも重量負けするイメージがあります。57kgまでは動いていますが、それを超すと甘くなる印象。前走・マイラーズCの1分31秒8は、当時の京都の時計の出方を考えると、そこまで速くありません。ジュンブロッサムが勝ち負けなら、負かしたロングランも…ということになるでしょうが、G1の壁を感じています。
券種・買い方 | 組み合わせ・点数 |
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馬単 |
各1500円(3000円)
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馬単 |
各1000円(5000円)
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馬単 |
各500円(2000円)
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合計 | 10000円 |
ご注意
レースに関する情報は、主催者発表のものをご確認ください。また、勝馬投票券の購入はお客様のご判断の元で行ってください。
記事の配信(発売)後は、出走取消・除外・騎手変更などがあっても、原稿の差し替え等は基本的に行っておりません。あらかじめご了承ください。
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小田哲也 プロフィール
スポーツニッポン新聞社記者。コラム「万哲の乱」担当。2015年には宝塚記念で3連単52万馬券を当てるなど、万馬券メーカーであることから「万哲」という愛称で競馬ファンに親しまれている。2004年天皇賞・春のイングランディーレ(10番人気)、2009年天皇賞・春のマイネルキッツ(12番人気)、同年菊花賞のスリーロールス(8番人気)など長距離G1の本命馬激走多数。グリーンチャンネル「中央競馬全レース中継」パドック解説を担当中。
【予想スタイル】
まず重視するのは好走した時の最大パフォーマンス。極論すれば、条件に合わない距離、競馬場、馬場状態、あるいは展開等での凡走は無視してOK。着順タイプは常に善戦型より、三振か本塁打か?の「1着型」を好んで狙う傾向あり。京都、阪神と馬券相性が良く、中山はダート1200メートルがとにかく好き。
【予想スタイル】
まず重視するのは好走した時の最大パフォーマンス。極論すれば、条件に合わない距離、競馬場、馬場状態、あるいは展開等での凡走は無視してOK。着順タイプは常に善戦型より、三振か本塁打か?の「1着型」を好んで狙う傾向あり。京都、阪神と馬券相性が良く、中山はダート1200メートルがとにかく好き。