
8/17(日)
札幌記念(G2)
札幌11R 芝2000m 15時45分発走予定
◎⑩ヴェローチェエラ
○⑤ホウオウビスケッツ
▲⑦ハヤテノフクノスケ
☆⑧ステレンボッシュ
△①リビアングラス
△④コスモキュランダ
△⑨トップナイフ
△⑫アルナシーム
札幌開催5週目にあった昨年と比べて、1週早まった札幌記念。レース自体の位置づけは同じ定量戦なのでそう変化はありませんが、今年の重賞日程の変更に伴って「サマー2000シリーズ」をめぐる環境は変わりました。
特に2週間後に控えている新潟記念が、これまでのハンデ戦から別定戦になることもあってか、クイーンズウォーク、ブレイディヴェーグ、エネルジコ、七夕賞を勝ったコスモフリーゲンや、前年の新潟記念優勝馬シンリョクカなど、かなりの好メンバーがそちらに参戦予定です。その影響も多少あるのか、こちら札幌記念は桜花賞馬ステレンボッシュのビッグネームはありますが、例年とは違って混戦模様の感は否めません。
ローテーション的には同じ洋芝である函館記念の施行時期が3週早まったことで、札幌記念までのレース間隔に余裕が出ました。実際、今年は函館記念組が6頭出てきて、参戦しやすい日程になったのは間違いありません。その函館記念組に対して、前走G1出走組の力関係は? それが、一番のカギでしょう。
結論を先に言うと、函館記念を勝った◎ヴェローチェエラの重賞連勝に懸けます。函館記念の当コラムの予想は○(対抗)止まりで中途半端だったのが情けないですが、結果的に好配当をプレゼントしてくれました。当時は休み明け。決して仕上がった印象ではなかったのですが、リフレッシュ効果もあったのでしょう。確かに今夏の函館競馬場は好時計が続出していましたが、1分57秒6で37年ぶりのレースレコードには驚きました。従来のレコードを持っていた1988年優勝サッカーボーイ(1分57秒8)当時の函館の芝は野芝オンリー。②着のダービー馬メリーナイスを5馬身ちぎってのレコードで、しかも次走マイルCSも楽勝したぐらいの最高潮の頃でしたから、野芝時代よりも時計が掛かるはずの洋芝で、それを破る馬が出るとは思っていませんでした。逃げたアウスヴァールが前半5Fを58秒1で飛ばす流れを、3コーナー手前から動いて、早め先頭で押し切る競馬。レース後半2Fを11秒7~11秒6でまとめて、最後まで止まった印象もなく、②着ハヤテノフクノスケに「1馬身半差」は完勝といえる内容でした。
2022年から産駒がデビューしたリアルスティールの子供たちはサンプル数がまだ少ないですが、札幌芝は40戦7勝、②着3回、③着3回。連対率25.0%、複勝率32.5%と札幌の芝適性は相当高いようです。ちなみに函館芝は50戦6勝、②着0回、③着5回。②着がないので連対率や複勝率は落としていますが、勝率12.0%の上々の数字。「洋芝適性」の高い種牡馬といって良さそうです。フォーエバーヤングなど砂巧者もいる父ですが、父自身のベストパフォーマンスは2016年ドバイターフや2017年毎日王冠(ともに芝1800m)。ヴェローチェエラは2200m以上に多く使われてきましたが、2000m前後がベスト舞台かもしれません。展開的には、今回も函館記念同様、それなりに先行タイプがいます。気になる天気予報も、どうやら週末は大崩れはなさそうで、函館で示した「時計対応力」が活きるはずです。それに、芝コースは引き続きAコース使用で、極端に「前&内有利」になることもなさそうで、早めの進出が再びハマるのでは? 追い切りの動きも函館記念当時よりも一段上がっていました。傑出馬不在の今年のメンバー構成なら、勢いで突破するとみます。
相手は昨年の函館記念優勝馬○ホウオウビスケッツ。同じ奥村武厩舎にノースブリッジ(札幌記念優勝)がいたこともあり、昨夏は札幌記念はスルーして毎日王冠に行って②着。その後も、ハンデ59.5kgで大外枠が響いた中山金杯(⑨着)以外は安定した走り。というより、さらに強くなりました。洋芝適性は言うまでもなく、6月上旬より美浦から函館、札幌と乗り込んでいるので、出来も申し分ないでしょう。唯一、気になるのは展開面。アウスヴァール、トップナイフに加え、ケイアイセナ、ボーンディスウェイ、それに前付け好走型のリビアングラスがいて、先行勢にはシビアな流れになった時に、ホウオウビスケッツの位置が「無風」とはいえない恐れも。その点だけが多少心配です。先行粘り込みは馬券的には押さえます。
▲ハヤテノフクノスケは、函館記念ではヴェローチェエラに完敗の形ですが、自身の1分57秒9も立派。また、昨夏の札幌では洋芝適性とバテない持久力を示しました。今回は極端にペースが落ちて、ラスト2~3Fに特化した上がり勝負になると厳しいと思いますが、小回り札幌2000mにこれだけ先行タイプが集まれば、それなりに流れるでしょう。多少でも時計が掛かれば、極端な時計勝負だった函館記念よりも、持ち味はより活かせるとみます。
☆ステレンボッシュは評価に悩みました。昨春の桜花賞(①着)は本命に推して、そこから途中で行く形になった香港ヴァーズまでは力は示しましたが、今年に入ってからの2戦が案外。ヴィクトリアマイル(⑧着)は着順ほど負けていませんが、どうしても「後手」に回りがちな脚質を含めて考えると、過去に札幌で新馬勝ちはあるものの、重賞で小回りが合うかは…。ただ、今回は展開的には前がある程度飛ばしそうな気配もあり、追い上げが利く可能性はあります。この相手で定量56kgなら格好はつけるでしょう。大負けはないとみての☆評価です。
以下、△を打った4頭は穴っぽい馬を入れました。
リビアングラスの宝塚記念は、好位は取れましたが、逃げ切ったメイショウタバルが強すぎたため、脚を使わされてしまった形。それでも大きくは崩れていません。京都記念(②着)、日経賞(④着)でも差なく走れていますし、キズナ産駒の洋芝適性は○。今回は絶好の最内馬番1番。好位確保からの粘り込みは一考。
コスモキュランダは乗り込んではいるのですが、今週の動きはもうひとつ伸びを欠いて見えました。本質的には叩き良化型かもしれませんし、発馬の不安も残ります。それでも年初のAJCC(③着)はダノンデサイルを相手に粘走。パワーも兼備し、洋芝がフィットする可能性もあります。カギはスタートでしょう。ある程度の位置で流れに乗れれば。
トップナイフは2年前の札幌記念の②着馬。脚元の不安がつきまとうだけに、常に結果が出せるタイプではありませんが、休み明けから2度実戦を使って、今週の追い切りは切れのある動きが見られました。横山典騎手騎乗で無理に前付けせず、脚を温存していく「裏技」でも力は出せるだけに、激変があっても。
アルナシームは前走・函館記念のハンデ59kgはさすがにキツかったでしょう。今回は定量戦。このあたりの相手なら常に展開ひとつ。
当初は印を回そうと思っていた2頭が揃って8枠。ココナッツブラウンは前走・クイーンS(②着)が内を巧妙に立ち回っての好走。もともと1F延長が微妙なうえ、この枠では戦略は難しくなった印象。大外馬番16番はさすがに厳しいと思われるシュヴァリエローズとともに「無印」とします。
券種・買い方 | 組み合わせ・点数 |
---|---|
馬連 |
各2000円(4000円)
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馬連 |
各800円(4000円)
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馬連 |
各1000円(2000円)
|
合計 | 10000円 |
ご注意
レースに関する情報は、主催者発表のものをご確認ください。また、勝馬投票券の購入はお客様のご判断の元で行ってください。
記事の配信(発売)後は、出走取消・除外・騎手変更などがあっても、原稿の差し替え等は基本的に行っておりません。あらかじめご了承ください。
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小田哲也 プロフィール
スポーツニッポン新聞社記者。コラム「万哲の乱」担当。2015年には宝塚記念で3連単52万馬券を当てるなど、万馬券メーカーであることから「万哲」という愛称で競馬ファンに親しまれている。2004年天皇賞・春のイングランディーレ(10番人気)、2009年天皇賞・春のマイネルキッツ(12番人気)、同年菊花賞のスリーロールス(8番人気)など長距離G1の本命馬激走多数。グリーンチャンネル「中央競馬全レース中継」パドック解説を担当中。
【予想スタイル】
まず重視するのは好走した時の最大パフォーマンス。極論すれば、条件に合わない距離、競馬場、馬場状態、あるいは展開等での凡走は無視してOK。着順タイプは常に善戦型より、三振か本塁打か?の「1着型」を好んで狙う傾向あり。京都、阪神と馬券相性が良く、中山はダート1200メートルがとにかく好き。
【予想スタイル】
まず重視するのは好走した時の最大パフォーマンス。極論すれば、条件に合わない距離、競馬場、馬場状態、あるいは展開等での凡走は無視してOK。着順タイプは常に善戦型より、三振か本塁打か?の「1着型」を好んで狙う傾向あり。京都、阪神と馬券相性が良く、中山はダート1200メートルがとにかく好き。