8/31(日)
新潟記念(G3)
新潟11R 芝外2000m 15時45分発走予定
◎⑥クイーンズウォーク
○⑯ヴェローチェエラ
▲⑫シランケド
☆⑪コスモフリーゲン
△①ブレイディヴェーグ
△⑦ダノンベルーガ
△⑭アスクカムオンモア
△⑮エネルジコ
新潟記念はご存じの通り、昨年までのハンデ戦から今年は別定戦に変わりました。実績馬が出走しやすくなり、人気馬不振のレース傾向は一変となる可能性が高いです。世代や性別を問わず、秋のG1を見据えた実力馬が使いやすい重賞になりました。
過去10年、1番人気の優勝は2018年ブラストワンピース(当時3歳)だけ。その年の有馬記念を優勝する同馬が、新潟記念自体はハンデ54kgの「軽ハンデ」で出られたとあれば、3歳馬だったとはいえ、古馬相手でも優勝したのは当然でしょう。私自身もブラストワンピースを本命に推していました。
今年、同じ3歳馬ではエネルジコが出走予定ですが、昨年までのハンデ戦ならば何kgだったでしょうか? ブラストワンピースは春にG3の毎日杯を勝っていて54kgでした。エネルジコはG2青葉賞を勝ったので55kgが妥当だったかもしれませんが、今年は3歳牡馬の基本別定が54kgで、かつ「過去1年でG2を勝っていて2kg増」なので、自動的に別定56kgとなっています。4歳以上の牡馬の基本別定が57kgなので、本馬にとっての別定は決して楽ではありません。ここは初めての古馬相手。評価を△に下げたのも、古馬との能力比較が判然としない上に、負担重量も楽ではないと思ったからです。
新潟記念は約2ヵ月後の同じ左回り&芝2000mの天皇賞・秋に「直行」するには理想的な前哨戦になりました。レース間隔を空けて、1戦1戦を全力で使って「叩き台」をつくらないのが近年の風潮だけに、今回の人気上位馬も調整途上の感じはありません。実力優先で考えていいのでは?
◎クイーンズウォークは4歳以上の基本別定55kgに、「直近1年のG2勝ち(金鯱賞)は2kg増」が適用されて、自身初の57kgになりました。重量自体は確かにカギにはなりますが、重賞を3勝しているので、昨年までのハンデ戦でも「57kg」は背負わされていたでしょう。自身は前走・ヴィクトリアマイル(②着)から1kg増なので、極端に厳しいとも思えません。マイルでも3歳春にクイーンCを勝っていますが、今春の金鯱賞(①着)を含めて、元々が2000mがベストの距離。そして、重賞3勝はすべて左回りの東京か中京。今週の新潟は土曜に雨もある予報ですが、金鯱賞は「重馬場」だったので、回復が多少遅れても問題ないでしょう。川田騎手が騎乗した1週前追いがCWコースでラスト1F10秒9。叩き台の気配がまったくなく、完全に勝負仕上げ。残暑が残った昨秋のローズS(中京)を勝っているように、暑さへの対応力もあります。ここは底力上位とみて勝負。2000mだと、マイルと違ってある程度の位置を取れる自在性も、Sペースが濃厚な今回のメンバー構成では魅力です。
相手妙味は○ヴェローチェエラ。前走・札幌記念(⑤着)はラストの脚は際立っていましたが、スタート直後に挟まれて位置を下げざるを得なかったのが響いた形。2走前の函館記念が「1分57秒6」のレコードで、前走の札幌記念は当日の雨(稍重)も響いたでしょう。今回は確かに強行軍なのですが、新潟は2歳時の新馬戦②着(当時は内回り2000m)で、マイナスとも思えません。日曜の芝が回復する分にはプラス。直近1年のG3勝ちで、1kg増の58kgは他馬との比較では有利とはいえませんが、札幌記念(4番人気)よりも人気は落ちそうで、オッズ的には絶好の買い頃では?
▲シランケドはヴィクトリアマイル(③着)で②着クイーンズウォークと「ハナ差」。新潟外回り2000mは昨秋の魚沼Sで楽勝していて、ここはクイーンズウォークよりも2kg軽い「別定55kg」なら、かなり人気になるかもしれません。唯一、気掛かりなのは、これといった先行タイプが不在で、直近の「後方差し」だと、いくら新潟外回りは直線が長いとはいえ、差し届かない恐れもあります。初コンビの坂井騎手がどう操るのか? 馬券的には「単」までありの難敵です。
福島から新潟に替わっても、七夕賞を逃げ切った☆コスモフリーゲンはメンバー構成的に侮れません。七夕賞以上に「楽逃げ」が見込める顔触れ。七夕賞自体の勝ち時計は2分0秒5で目立ちませんが、2走前のサンシャインS(中山芝2200m)の2分10秒4は、皐月賞週の時計が出やすかった芝を考慮しても、2000m換算で「1分58秒台」の好時計となり評価できます。今回は2kg増の別定58kgをこなせるかどうか? 極端にペースを落として、決め手勝負にならなければ、重賞連覇の期待は十分。
ブレイディヴェーグの評価は難しい。マイル路線に切り替えて、ある程度結果を出したことが今回どう出るか? 別定56kgは有利なのですが、最内馬番1番も「内の傷みが出てきた芝」を考慮すると、簡単にはいかない恐れも。馬券的には「単勝」まである実力馬ですが、今回に限っては半信半疑。押さえまでの評価。
ダノンベルーガは王道G1で結果が出ていない現状ですが、ここまでメンバーが軽くなっての別定57kgなら、一変してもおかしくありません。涼しい函館である程度仕上げて、早めの新潟入りと配慮されています。前走・有馬記念(⑨着)はSペースの外枠でまったく展開が合いませんでした。もともとが左回り巧者。佐々木騎手を確保して、押さえます。
穴っぽいのはアスクカムオンモア(穴人気になる可能性もありますが…)。前走・府中Sの1分57秒7は、相手関係抜きにして評価できる好時計。昨秋のセントライト記念(⑥着)でもまったく見せ場がなかった訳でもなく、今回は当時より力をつけていますし、左回りで実績を残している点は見逃せません。
逆に、昨年の優勝馬シンリョクカは、メンバー強化の今年の顔触れだと厳しいと見ます。前走・ヴィクトリアマイル(⑥着)の粘り強い走りは評価できますが、当時先着を許したクイーンズウォークとシランケドが揃って出てきては、この2頭以上の評価はしにくいです。
小倉記念②着シェイクユアハート、③着ディープモンスターも、ここは同じG3でもメンバーは段違い。それにこの2頭の武器は小回り2000mでこその一瞬の切れでしょう。能力的には侮れませんが「新潟外回り2000m」では微妙とみて、評価を下げました。
昨夏の小倉記念優勝馬リフレーミングは、中間の動きを見る限り、まだ戻ってきていないと感じます。
| 券種・買い方 | 組み合わせ・点数 |
|---|---|
| 馬単 |
各2000円(4000円)
|
| 馬単 |
各800円(4000円)
|
| 馬単 |
各500円(2000円)
|
| 合計 | 10000円 |
ご注意
レースに関する情報は、主催者発表のものをご確認ください。また、勝馬投票券の購入はお客様のご判断の元で行ってください。
記事の配信(発売)後は、出走取消・除外・騎手変更などがあっても、原稿の差し替え等は基本的に行っておりません。あらかじめご了承ください。
記事の配信(発売)後は、出走取消・除外・騎手変更などがあっても、原稿の差し替え等は基本的に行っておりません。あらかじめご了承ください。
小田哲也 プロフィール
スポーツニッポン新聞社記者。コラム「万哲の乱」担当。2015年には宝塚記念で3連単52万馬券を当てるなど、万馬券メーカーであることから「万哲」という愛称で競馬ファンに親しまれている。2004年天皇賞・春のイングランディーレ(10番人気)、2009年天皇賞・春のマイネルキッツ(12番人気)、同年菊花賞のスリーロールス(8番人気)など長距離G1の本命馬激走多数。グリーンチャンネル「中央競馬全レース中継」パドック解説を担当中。
【予想スタイル】
まず重視するのは好走した時の最大パフォーマンス。極論すれば、条件に合わない距離、競馬場、馬場状態、あるいは展開等での凡走は無視してOK。着順タイプは常に善戦型より、三振か本塁打か?の「1着型」を好んで狙う傾向あり。京都、阪神と馬券相性が良く、中山はダート1200メートルがとにかく好き。
【予想スタイル】
まず重視するのは好走した時の最大パフォーマンス。極論すれば、条件に合わない距離、競馬場、馬場状態、あるいは展開等での凡走は無視してOK。着順タイプは常に善戦型より、三振か本塁打か?の「1着型」を好んで狙う傾向あり。京都、阪神と馬券相性が良く、中山はダート1200メートルがとにかく好き。