10/19(日)
秋華賞(G1)
京都11R 芝2000m 15時40分発走予定
◎①ダノンフェアレディ
○⑪エンブロイダリー
▲⑰カムニャック
☆⑧テレサ
△③ジョスラン
△⑤ブラウンラチェット
△⑨マピュース
△⑬セナスタイル
今年の秋華賞は秋の京都開催3週目(昨年までは2週目)に移る日程変更があり、芝コース運用も昨年までのAコース2週目からAコース3週目になります。その分、内寄りの芝の傷みは昨年までよりは進む可能性はあります。しかも、土曜夜に雨との予報が出ています。しかしながら、その雨の影響がまったく無いとは言えませんが、それでも土曜の開催中に降る可能性は少ないため、レース結果に影響するほどに内の傷みが急激に進むとも思えません。
今年に重視すべきは、馬場傾向より「京都内回り2000m」の適性でしょう。先週までの芝傾向からいけば、3日間開催ラストのスワンSでレコード(1分18秒9=芝1400m、勝ち馬オフトレイル)が出たほどですから、速い時計が出る傾向は続くでしょう。ただ、秋華賞は内回りコース使用なので、ラストの直線は328m(外回り404m)と当然に短いですし、いまさら言うまでもなく、京都のラストの直線は上り坂もなく平坦です。最終4コーナー12番手から突き抜けた2018年アーモンドアイのようなケースはなかなかありません。各馬の仕掛けも早いので、逃げ&2番手が残るケースも少ないですが、それでも「最終4コーナーで3~8番手」を確保できないと、勝つまでは至難と考えます。
今年の展開をどう読むか? ローズSで道中4~5番手で折り合いをつけて②着に入ったテレサは、2走前のような「逃げ」は考えていないはず。今回も折り合い重視では? ケリフレッドアスクが逃げ、レーゼドラマ(出遅れなければの条件付き)、インヴォーグと、それなりに先行タイプはいますが、リズム良く運びたいエリカエクスプレスを含めて、離して逃げるほどの馬は見当たらないので「Mペース」が濃厚か。チェルヴィニアが勝ち、②着ボンドガール、③着ステレンボッシュと「中団~後方組」の差し馬が台頭した昨年は、レース前半の5Fが57秒1~後半同60秒0と極端な前傾ラップでしたが、今年は前半の5Fを58秒台半ば~後半5Fも同じく58秒台半ばで、全体時計は「1分57秒台後半」ぐらいの決着で想定します。断然人気と目されるカムニャックは、外寄りの馬番17番で、位置を取りに行ったとしても中団(9~11番手)でしょう。できるだけ折り合って脚を温存したいエンブロイダリーも似たような位置か。となれば、1~2列前で運べる持続型に魅力を感じます。
◎ダノンフェアレディは馬体重が増えて、昨年6月の京都新馬戦(①着)の頃とは別馬のように成長しています。特にトモ(後肢)に力がついたことで、2月のエルフィンS(⑤着)のようなスタートのポカは軽減された様子。その新馬戦(内回り1600m)は、自ら逃げて1分33秒8。後のフィリーズレビューの勝ち馬ショウナンザナドゥを完封して、③着以下に7馬身差をつけたように、新馬時点で、重賞でやれるだけの力は示していました。前走・紫苑S(③着)は好スタートを決め、3コーナーまでは最高の運び。あまりに位置が良すぎたことで、最終4コーナーでロスのないインへ。それが、残り1F手前でのブレーキに繋がったことが、一瞬の切れで勝負するタイプではないだけに致命傷になったと考えます。それでも、エンジンを再点火して③着に入ってなかったら、秋華賞は出られなかったわけですので、「運」はあるでしょう。早めに動いても簡単にはバテないのは、2走前の小倉での1勝クラスで証明済み。新馬の1600mで「1分33秒8」を出せているので、その気になれば2000mで「1分57秒台」は出せるでしょう。坂井騎手が騎乗した最終追いは抑え切れない手応えで、強烈な伸び。ここは絶好の最内馬番1番。行く馬を行かせて「3~5番手」で走れれば、ここまで成長した今なら、大バテするイメージはありません。京都内回り2000m向きの持続力とパワーがある馬。狙い頃とみます。
さて、「人気の2強」をどう見るか。断然1番人気が予想されるカムニャックは、東京→東京→阪神外回りで3連勝。ラストの切れで勝ち上がっただけに、京都内回りが本質的に合うかは微妙。それでも、最終4角からねじ伏せて伸びるようなら脱帽ですが、差し届かずの②、③着も、「京都内回り」ゆえの惜敗パターンとしてあり得ます。
対して、○エンブロイダリーは? 本馬は桜花賞、オークスとも本命に推しました。ただ、オークス(⑨着)では行きたがったように、前進気勢の強さで2400mは合わなかった印象。それに、オークス前日に雨が降ったことで、道悪自体が駄目というより、よりスタミナ勝負の色合いが濃くなったのが響いた形。さて、内回り2000mはどうでしょう? 父アドマイヤマーズ(その父ダイワメジャー)、母父クロフネを考えると、理想は1600~1800mでしょう。あと1Fをメンタル面の成長でどう補うか? 馬体は幅が出て、良くなっているように見えます。スパッと折り合って3~4番手で運べるようなら、カムニャックを後ろに回して、先に抜け出すシーンも。
☆テレサもエンブロイダリーと同じくアドマイヤマーズ産駒。ただ、こちらは母父がナサニエル(凱旋門賞馬エネイブルの父)ということで、母系は距離が延びた時の融通性もあります。正直なところ、体はもう一回り大きくなれば理想でしょうが、それでもローズSは何とか宥めて、勝ち馬カムニャックに直線で交わされてからの粘り強い脚は目立ちました。パタッとは止まらないので、距離さえもてば「内回り」はプラスに出る可能性が大。
ジョスランは紫苑S(②着)で、③着ダノンフェアレディとともに、勝ち馬ケリフレッドアスクの逃走を演出する立場になってしまいましたが、道中はスムーズに走れていました。体は成長の余地を残していて、まだまだの印象ですが、それでも「血」の力で走っているというのが現状での評価です。ここは早めの栗東入りで、馬体減をカバーできれば。ただ。現状ではG1で突き抜けるまでの迫力は? 馬券的には②、③着候補。
ブラウンラチェットの今春は阪神JFで減った体に配慮しつつ、完全な状態に上がらなかった印象。それでも、オークス(⑦着)では大負けせず、形はつくれていました。紫苑Sは挫石で使えませんでしたが、馬体減などを考慮すれば、逆に「ぶっつけ」がプラスに出る可能性も。
マピュースはクイーンC、桜花賞で控えて脚を使った内容を再評価。斤量52kgも活きた中京記念のような正攻法だと厳しいかもしれませんが、道中どこかで脚が溜まれば。「内回り」に合う自在性は魅力。
セナスタイルは、前走・ローズS(③着)で馬群を縫って伸びました。その点は評価します。ただ、馬体はもう一段成長が欲しかった。これ以上、体が減ると厳しいでしょう。
オークス④着のパラディレーヌは、前走・ローズS(⑧着)は包まれて力を出せなかったのは確かですが、どうしても後手後手になるので「内回り」のイメージがありません。京都なら、2勝している外回り(いずれも1800m)が断然良いでしょう。しかも、今回は大外の馬番18番とツキがない感じ。京都内回りと似た中山内回りのフラワーC(②着)では、確かに最後に差し脚を伸ばしましたが、これは相手関係もあったでしょう。
紫苑Sの②、③着馬に印を回した以上、その勝ち馬ケリフレッドアスクにも何らかの印を打つべきかもしれませんが、紫苑Sは「ノーマーク」の利が大きかったと思います。ラスト3Fを34秒0でまとめた点は評価できますが、全体時の計1分59秒1は低調でもあり、今回は無印としました。
| 券種・買い方 | 組み合わせ・点数 |
|---|---|
| 馬単 |
各2000円(4000円)
|
| 馬単 |
各800円(4000円)
|
| 馬単 |
各1000円(2000円)
|
| 合計 | 10000円 |
ご注意
レースに関する情報は、主催者発表のものをご確認ください。また、勝馬投票券の購入はお客様のご判断の元で行ってください。
記事の配信(発売)後は、出走取消・除外・騎手変更などがあっても、原稿の差し替え等は基本的に行っておりません。あらかじめご了承ください。
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小田哲也 プロフィール
スポーツニッポン新聞社記者。コラム「万哲の乱」担当。2015年には宝塚記念で3連単52万馬券を当てるなど、万馬券メーカーであることから「万哲」という愛称で競馬ファンに親しまれている。2004年天皇賞・春のイングランディーレ(10番人気)、2009年天皇賞・春のマイネルキッツ(12番人気)、同年菊花賞のスリーロールス(8番人気)など長距離G1の本命馬激走多数。グリーンチャンネル「中央競馬全レース中継」パドック解説を担当中。
【予想スタイル】
まず重視するのは好走した時の最大パフォーマンス。極論すれば、条件に合わない距離、競馬場、馬場状態、あるいは展開等での凡走は無視してOK。着順タイプは常に善戦型より、三振か本塁打か?の「1着型」を好んで狙う傾向あり。京都、阪神と馬券相性が良く、中山はダート1200メートルがとにかく好き。
【予想スタイル】
まず重視するのは好走した時の最大パフォーマンス。極論すれば、条件に合わない距離、競馬場、馬場状態、あるいは展開等での凡走は無視してOK。着順タイプは常に善戦型より、三振か本塁打か?の「1着型」を好んで狙う傾向あり。京都、阪神と馬券相性が良く、中山はダート1200メートルがとにかく好き。