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クイーンエリザベス2世Cの考え方

今年のクイーンエリザベス2世Cも出走馬が8頭と少なく、香港馬6頭、日本馬2頭という組み合わせになった。日本馬の2頭は、前走の大阪杯が③着だったアルアインと同⑥着のダンビュライトで、ともに海外のレースが初めてになる。

香港馬6頭のうち、5歳の5頭(タイムワープパキスタンスターゴールドマウントイーグルウェイディノーゾ)は、今年2月の香港ゴールドカップ(シャティン芝2000m)で走っていて、①着タイムワープ、④着パキスタンスター、⑤着ゴールドマウント、⑥着イーグルウェイ、⑦着ディノーゾという成績。ただ、①着タイムワープと④着パキスタンスター0秒21差で、④着パキスタンスターから⑤着ゴールドマウント0秒55差が付いていた。

その差はレーティングにも表れていて、タイムワープが120、パキスタンスターが118で、イーグルウェイゴールドマウントが113、ディノーゾが112となっている。ちなみに、日本馬2頭は、アルアインが118、ダンビュライトが116だ。

香港馬の中で対戦歴がないのが4歳馬のピンハイスターで、同馬は前走で香港ダービー(シャティン芝2000m)を制した。レーティングは115で、つまり今回は、実績上位の5歳の香港馬2頭(タイムワープパキスタンスター)に、日本馬2頭(アルアインダンビュライト)とピンハイスターが激突する、という図式になっている。

昨年はモレイラ騎手が騎乗した日本のネオリアリズムがスローペースを嫌って道中で動き、早め先頭から押し切ったが、同馬は前走で中山記念を勝っていた。過去の優勝馬をチェックすると、ほとんどの馬が前走③着以内で、過去10年で例外馬は1頭だけ(2015年ブレイジングスピード)。その2015年でも②着には前走の中山記念で③着に走っていたステファノスが入っている。

今年は出走馬が8頭と少ないが、前走③着以内の馬は、アルアインピンハイスターイーグルウェイゴールドマウントの4頭で、これは評価しておきたい。

クイーンエリザベス2世Cは、過去にエイシンプレストンが連覇(2002~2003年)しているが、他にも2015年の勝ち馬ブレイジングスピードが翌年に③着に入ったり、2年前の勝ち馬ワーザーが昨年に③着に入るなど、リピーターが多い。シャティンの芝2000mに適性を示している馬は、素直に評価するべきだろう。

2011年以降の近7年の優勝馬は、1年以内にシャティン芝2000mで勝ち鞍があったか(5頭が該当)、日本馬(2頭が該当)となっている。日本馬が勝利した2年でも、1年以内にシャティン芝2000mで勝ち鞍があった馬が③着以内に入っていて、コース実績馬はマークしておいた方が良さそうだ。

今回のメンバー中、1年以内にシャティン芝2000mで勝ち鞍があるのは、タイムワープピンハイスターの2頭だ。

血統的には、2013~2015年に父ダンチヒ系の馬が3連覇していて、2016年も同父系の馬(ミリタリーアタック)が②着となり、昨年は父ストームバード系の馬(パキスタンスター)が②着に入った。父ノーザンダンサー系の中でもスピード型の馬に注目したい。

ただ、今回、父がダンチヒ系の馬はおらず、父ストームバード系の馬はパキスタンスターだけになる。他に、母父がダンチヒ系の馬はイーグルウェイゴールドマウントがいて、タイムワープは母父がストームバード系だ。

以上の3点をクイーンエリザベス2世Cの好走共通項として扱い、該当馬を整理すると次のようになる。

[1]前走が①~③着の馬(過去10年すべてで連対し、9勝)

[2]1年以内にシャティン芝2000mで勝利実績がある馬(2011年以降の7年すべてで③着以内に入り、5勝)

[3]父がダンチヒ系かストームバード系の馬(2013年以降の近5年で連対)

G 馬名 [1] [2] [3]
1 3 パキスタンスター    
2 6 イーグルウェイ  
3 5 ピンハイスター  
4 8 ディノーゾ      
5 4 ダンビュライト    
6 2 アルアイン  
7 1 タイムワープ  
8 7 ゴールドマウント  
※表中Gはゲート番号。

[2]については日本馬に「△」を付け、[3]については母父がダンチヒ系ストームバード系の馬に「△」を付けた。

タイムワープは前走のチェアマンズトロフィーで⑩着に敗れたために[1]で非該当となったが、前走はマイル戦だった。今シーズンは、1400~1600mだと③⑩⑩着で、1800~2000mだと②②①①着。2勝は昨年12月の香港カップと冒頭で記した香港ゴールドカップで、いずれもシャティン芝2000mで逃げ切っている。今回も狙ってきた臨戦と言えそうで、逃げ脚質だけに少頭数という組み合わせも歓迎だろう。

香港ゴールドカップは④着パキスタンスターまでが微差だったが、勝ち時計の1分59秒97はレコードタイムで、タイムワープの粘り腰は見事なものだった。今回はゲート番号7番となったが、ハナを切って楽な形で直線に向けば今回も粘ってきそうで、3~4コーナーで他馬がどれだけ迫ってくるかがポイントになるのではないか。

パキスタンスターも前走がチェアマンズトロフィーで④着だったが、道中で進んで行かない感じで後方追走となり、直線で外から追い込んだもの。昨年のこのレース②着馬で、香港ゴールドカップ④着の実績を見ても力があるのは間違いないだろう。ただ、気難しい面があり、昨シーズン以降は1800m以上だと②②②⑤④着と突き抜けられてはいない。

リピーターが多いレースで、その点では昨年②着という実績は評価して良いのだろうし、今回が今シーズン4戦目で、余力が残っていそうなのも悪くなさそう。それらの点でどこまで差し込めるか。

香港競馬における4月はシーズンの後半で、どれだけ余力が残っているかもポイントと言えそう。日本馬は連覇したエイシンプレストンや昨年のネオリアリズム、2012年のルーラーシップなどが優勝していて、3年前にはステファノスが②着、2013年にはエイシンフラッシュが③着となっているが、これは日本馬はフレッシュな状態の馬が多いことも関係しているのではないか。

アルアインは前走の大阪杯が③着だったが、上がり34秒0を計時して1分58秒4で走破していたから、内容はそこまで悪くない。2012年以降のこのレースで日本馬は[2.1.1.5]だが、前走③着以内の馬が[2.1.1.2]で、前走④着以下の馬が[0.0.0.3]なので、ダンビュライトよりもアルアインを上位に評価すべきだろう。

アルアインは芝1800~2000mが①①③着で、ご存知のように皐月賞を制している。大型馬で母父がボールドルーラー系(Essence of Dubai)のディープインパクト産駒でもあるから、時計のかかりやすいシャティンの馬場も合いそうな印象を受ける。ジョッキーはC.デムーロ騎手で、この鞍上なら逃げるタイムワープを早めに捕らえに動くのではないか。

ダンビュライトは大阪杯が伸びきれず⑥着だったが、2ヶ月ぶりで過去最多体重(8kg増の482kg)だったし、レース上がり34秒1という流れも向かなかったのだろう。今回は中3週で、中8週以内は[2.0.3.2]で馬券圏外はダービー(⑥着)と菊花賞(⑤着)。芝2000mは③③①⑥着で、馬券に絡めなかったのは前走だけだ。

ダンビュライトの父ルーラーシップは2012年のこのレース勝ち馬で、マリアライトやアロンダイトと同じ牝系であることを考えても、時計のかかる香港の馬場は良いだろう。脚質的にはアルアインよりも先に動く可能性もありそうで、タイムワープに併せる形に持ち込めればチャンスが出てきても不思議ないだろう。

ピンハイスターは前走の香港ダービーを後方追走から豪快に追い込んで差し切った馬で、勝ち時計は2分1秒18だった。前走で香港ダービーを勝っていた馬は、2014年のデザインズオンロームや2016年のワーザーなどが勝利していて、昨年は香港ダービー②着のパキスタンスターが②着に入っている。

ピンハイスターは追い込み型で、少頭数でタイムワープが主導権を握る展開だと流れが合わなくなる可能性もあるだろうが、鞍上がモレイラ騎手なので、何か策を練ってくるかもしれない。モレイラ騎手タイムワープパキスタンスターイーグルウェイディノーゾに騎乗したことがあり、相手を知っている利点も認められる。

イーグルウェイゴールドマウントディノーゾの3頭は、香港ゴールドカップの結果を見ても、他馬とは力量差がありそう。イーグルウェイは今シーズンのG1が香港ゴールドカップ⑥着と香港ヴァーズ⑧着で、ゴールドマウントは香港ゴールドカップ⑤着と香港ヴァーズ⑤着、ディノーゾは香港ゴールドカップ⑦着となっている。

なお、近5年のこのレースでは、ゲート番号が1~5番の馬が③着以内に2頭以上入っている。少頭数でも距離ロスなく走れればそれに越したことはないようで、パキスタンスターピンハイスターダンビュライトは良いゲート番号になったと言えるだろう。

レースは逃げるであろうタイムワープを他馬がどれだけ早めに捕まえに行くかが焦点になりそうで、ディープインパクト産駒の決め手を上位に取って「◎」はアルアインにする。「○」がタイムワープで、前走からの上積みと馬場適性がありそうなダンビュライトを「▲」にする。

パキスタンスターは気性面に課題があり、ピンハイスターは追い込み脚質がどうかという印象があるが、レース実績やコース実績がある馬だけに、差しの利く流れになれば出番がやってくるかもしれない。

◎アルアイン
○タイムワープ
▲ダンビュライト
△ピンハイスター
△パキスタンスター

※穴ぐさ的存在の「★」はいません。

※クイーンエリザベス2世Cは馬番とゲート番号が異なります。馬券を買う際は『馬番』での購入となりますので、お間違いのないようにご注意ください。