穴ぐさ傾向と対策
有馬記念もやっぱり1~4枠の馬が勝つ!?
先週(12月14日~15日)の穴ぐさは[7.8.4.104](複勝率15.4%)で、単勝回収率が163%でした。12月の穴ぐさの単勝回収率は146%となっていますが、朝日杯FSで14番人気で③着に食い込んだグランレイを指名しきれず、申し訳ありませんでした。
その朝日杯FSは、16頭立てながら1番人気だったサリオスが2馬身半差で快勝しましたね。サリオスはノーザンファーム生産馬で、これで今年のJRA平地G1でのノーザンファーム生産馬は22戦18勝となりました。恒例の表をご覧いただきましょう。
【2019年のJRA平地G1】
枠順 | ノーザンファーム生産の 1~3番人気 |
ノーザンファーム生産の 4番人気以下 |
ノーザンファーム以外 の生産馬 |
1枠 | [2.1.1.3] | [0.0.0.4] | [1.2.1.23] |
2枠 | [0.0.2.4] | [2.0.1.11] | [1.1.4.14] |
3枠 | [5.1.0.2] | [3.0.1.7] | [0.1.0.22] |
4枠 | [1.1.0.2] | [0.1.0.14] | [2.4.2.16] |
5枠 | [0.0.0.3] | [0.1.1.9] | [0.4.1.24] |
6枠 | [1.1.1.3] | [0.0.1.10] | [0.0.0.27] |
7枠 | [2.0.3.1] | [0.1.0.12] | [0.1.1.33] |
8枠 | [2.0.0.2] | [0.1.1.14] | [0.1.0.34] |
今年のJRA平地G1に関してノーザンファーム生産馬を中心に表すと上記の通りで、22戦のうち13勝をノーザンファーム生産の1~3番人気が挙げていて、5勝がノーザンファーム生産の4番人気以下で2~3枠に入った馬、4勝がノーザンファーム以外の生産馬で1~4枠に入った馬によるものです。勝ち馬は、ノーザンファーム生産の上位人気馬か、内目の枠の馬ということですね。
今年の有馬記念は登録馬が19頭で、そのうち12頭がノーザンファーム生産です。アーモンドアイ、サートゥルナーリア、スワーヴリチャード、フィエールマン、リスグラシュー、ワールドプレミアなどがノーザンファーム生産で、上位人気のかなりの部分を占める可能性も高そうですね。
上表を見ると、ノーザンファーム生産で1~3番人気なら枠を問わない印象があるかと思いますが、今秋の芝G1を振り返ると、そんな気分も吹き飛ぶんですよね。スプリンターズS以降の芝G1(9レース)の勝ち馬を人気・枠順とともに振り返ってみましょう。
【2019年秋以降のJRA芝G1優勝馬】
レース | 優勝馬 | 人気 | 枠順 | 生産 |
スプリンターズS | タワーオブロンドン | 2 | 4枠8番 | ダーレージャパンファーム |
秋華賞 | クロノジェネシス | 4 | 3枠5番 | ノーザンファーム |
菊花賞 | ワールドプレミア | 3 | 3枠5番 | ノーザンファーム |
天皇賞・秋 | アーモンドアイ | 1 | 1枠2番 | ノーザンファーム |
エリザベス女王杯 | ラッキーライラック | 3 | 1枠2番 | ノーザンファーム |
マイルCS | インディチャンプ | 3 | 3枠5番 | ノーザンファーム |
ジャパンC | スワーヴリチャード | 3 | 3枠5番 | ノーザンファーム |
阪神JF | レシステンシア | 4 | 2枠4番 | ノーザンファーム |
朝日杯FS | サリオス | 1 | 3枠6番 | ノーザンファーム |
いつも枠順の話ばっかりだな、と思ってる人がいるかもしれませんが、これだけ極端な結果が出ている以上、触れないわけにいかないんですよね。秋の芝G1(9レース)は勝ち馬がすべて1~4枠の1~4番人気で、1600m以上の8レースは1~3枠から優勝馬が出ています。いまや芝G1は「枠ゲー」の要素が強いんです。
春のG1を含めても、今年の古馬の芝G1という観点で見ると、次のようにもなっています。
【2019年のJRAの古馬混合の芝G1】
枠順 | 14~18頭立て | 12~13頭立て |
1枠 | [2.2.1.11] | [0.1.0.1] |
2枠 | [2.1.3.11] | [0.0.0.2] |
3枠 | [4.1.1.12] | [0.0.0.2] |
4枠 | [1.2.2.13] | [0.0.0.3] |
5枠 | [0.2.0.16] | [0.1.0.3] |
6枠 | [0.0.1.17] | [0.0.1.3] |
7枠 | [0.1.1.19] | [1.0.0.3] |
8枠 | [0.0.0.22] | [1.0.1.2] |
今年は古馬の芝G1が11レースあり、12~13頭立てとなった2レース(天皇賞・春、宝塚記念)は7~8枠から優勝馬が出ていますが、14頭立て以上となった9レース(高松宮記念、大阪杯、ヴィクトリアマイル、安田記念、スプリンターズS、天皇賞・秋、エリザベス女王杯、マイルCS、ジャパンC)は勝ち馬が1~4枠でした。
開催後半になっても、簡単には内側の馬場が悪くならない現在においては、これはもう抗えない傾向なのでしょう。ということで、有馬記念も枠順は重要でしょう。19日(木)に公開枠順抽選会が行われますので、どうぞご注目ください。
今週末は中山・阪神の2場開催で、中山芝は変わらずAコース使用ですが、阪神芝はBコースに変更となります。12月21日~22日に行われる中山、阪神の芝の使用コースと特別競走での穴ぐさ成績は、次の通りです。
12月21日~22日
場所 | 芝 |
中山 | Aコース・4週目 |
阪神 | Bコース・1週目 |
12月21日
場所 | レース名 | 穴ぐさ 成績 |
中山9R | クリスマスローズS | [0.0.1.15] |
中山10R | 中山大障害 | 出走ナシ |
中山11R | グレイトフルS | [1.1.1.13] |
中山12R | キャンドルライト賞 | [1.0.1.1] |
阪神9R | 江坂特別 | [1.1.0.12] |
阪神10R | 摩耶S | [1.4.1.27] |
阪神11R | 阪神C | [2.1.0.35] |
12月22日
場所 | レース名 | 穴ぐさ 成績 |
中山8R | グッドラックHC | [1.3.6.26] |
中山9R | ノエル賞 | [0.1.0.20] |
中山10R | フェアウェルS | [2.2.1.33] |
中山11R | 有馬記念 | [2.2.3.31] |
中山12R | クリスマスC | [2.0.2.27] |
阪神9R | 千両賞 | [1.0.1.9] |
阪神10R | クリスマスキャロル賞 | [2.3.1.20] |
阪神11R | サンタクロースS | [0.0.0.18] |
阪神12R | ギャラクシーS | [1.1.2.24] |
☆注目レース☆
有馬記念(G1、中山芝2500m)
有馬記念での穴ぐさは[2.2.3.31](複勝率18.4%)で、複勝回収率は110%です。
過去10年では7番人気以下で③着以内に入った馬が9頭いて、そのうち3頭は前走がG2かG3で①着で、それ以外の6頭は前走のG1で④着以下でした。ただ、前走がG1で④着以下だった6頭はいずれも過去に芝G1で③着以内に入った実績があったので、そのタイプには注意が必要でしょう。
昨年は稍重馬場で8枠15番だったシュヴァルグランが③着に食い込みましたが、良馬場で激走した8頭は馬番11番以内で、そのうち7頭は馬番3~7番でした。激走した9頭のうち、ノーザンファーム生産馬が4頭、社台ファーム生産馬が4頭で、両牧場以外の激走馬は2015年①着のゴールドアクターだけとなっています。ひと桁馬番の社台グループ生産馬にはマークをしておきましょう。
☆注目レース☆
ギャラクシーS(OP特別、阪神ダート1400m)
ギャラクシーSでの穴ぐさは[1.1.2.24](複勝率14.3%)で、複勝回収率は120%です。
馬券に絡んだ4頭は中2~4週の臨戦で、母父か母母父がノーザンダンサー系の牡馬でした。4頭のうち3頭は馬体重が498~534kgで、同じく4頭のうち3頭は馬番7番より外枠だったので、ノーザンダンサー系を持つパワー型で、真ん中から外枠に入った馬に注目しましょう。
☆注目レース☆
グッドラックHC(2勝クラス、中山芝2500m)
グッドラックHCでの穴ぐさは[1.3.6.26](複勝率27.8%)で、複勝回収率は173%です。近3年は1~4番人気が③着以内を占める堅い決着が続いているので、今年は穴馬の出番を期待したいです。
馬券に絡んだ10頭の穴ぐさは3~6歳の牡馬で、ハンデ53~56kgでした。10頭のうち9頭は3~5歳で、2011年以降に激走した6頭は父か母父がサンデー系です。10頭はいずれも芝2400m以上で連対歴があり、そのうち8頭は芝2500m以上での馬券圏内があったので、長距離実績を確認しておきましょう。
■ちなみに…■
阪神Cでの穴ぐさは[2.1.0.35]で、昨年は【B】評価だったダイアナヘイローが11番人気で①着となりました。同馬を含めて、過去10年では7番人気以下で③着以内に激走した馬が13頭います。
激走馬13頭のうち10頭は父か母父がサンデー系で、それ以外の3頭のうち2頭は父か母父がロベルト系なので、ヘイルトゥリーズン系を持つ馬に注目したいですね。
13頭のうち8頭は前走がG1かG2で馬券圏外で、それ以外の5頭のうち3頭は前走が1400m以下で③着以内で、残りの2頭は前走が1600~2000mでした。2012年以降に激走した9頭のうち8頭は芝重賞勝ち馬だったので、人気薄に放置されている実績馬は侮らないようにしましょう。